The Progress Report in 2020: How Zeals Becomes a Global Team
導入
Zealsで開発チームの人事をしているあっきーです。
この記事はZeals Advent Calendar 2020 の11日目の記事になります。
Zealsでは今年の7月より、開発チームをグローバル化させる方向へ舵きりをしていて、自分もそのタイミングからエンジニア採用に携わっています。
この記事ではグローバル化の背景や日々変化しているチームの現状、今後の展望などをまとめ、2020年を締める(あと数週間ありますが)中間報告レポートとしたいと思います。
自己紹介
改めまして、あっきーこと、荒木良太です!
ついに巷で噂のnoteに初投稿を決めることができて嬉しい気持ちでいっぱいです!
Zealsには去年の4月に19卒として新卒入社して、採用に関わるまではPythonでアプリケーション開発を主に行なっていました。
今年の7月の開発チームをグローバル化させるという経営の意思決定のタイミングで、僕が英語を少し話せたこともあってお声がかかり、エンジニア採用に携わることになりました。
今はエンジニアの採用だけというよりはより広く、開発組織のチームビルディングを自分の責務として捉えていて、採用をしつつ日本に移住するメンバーのサポートや、グローバル化によって生じるチーム内の課題に向き合うところに挑戦しています。
グローバル化の現状
7月にグローバル化をするという意思決定をして採用を始めてから、今日までで9名のエンジニアがすでに入社してくれており、内定承諾済みの候補者も別で4名おり、全員外国籍のメンバーと、採用を点で捉えるなら順調なペースで採用ができていると感じています!
現状すでにフルタイムで稼働しているメンバーのうち約60%が外国籍で、今後日本人を全く採用しないわけではないですが、半年後くらいには日本人比率は2割ほどになっているのではないか、と思います。
さて、グローバル化してますと言うとまずはじめに聞かれそうなのが、「コミュニケーションどうしてるの?」という質問です。
ここについて現状Zealsとして行なっている打ち手を紹介します。
①開発チーム内で業務に関するコミュニケーションは基本的に英語で行なっている
ZealsではGithub issues上で開発業務に関する議論を行なっているのですが、そこでの議論は基本的に英語で行なっています。他にも日本語がわかるメンバーだけで完結するコミュニケーションを除いては、Slack上でのコミュニケーションも英語オンリーや、日英並記で行なっています。
また、Zealsの開発チームのメンバー全員が集まる、DEV ALL MTG というミーティングがあるんですが、これも当初は日本語で行なっていましたが、日本語のわからないメンバーが入ってきたタイミングで全て英語で行うよう方針転換しました。今では毎週英語でミーティングを行なっています。
↑ある日のDEV ALL MTG
新しく入ったパキスタンのメンバーが自己紹介プレゼンをしていた時の様子
Zealsを選んでくれた背景がとても嬉しい。。。
②日本人メンバーが英語を勉強している
英語は一朝一夕で身につくものではないので、チームのグローバル化のスピード感と比べると、これが短期的にめちゃくちゃ有効な打ち手であるとは言えないのですが、今後のZealsの開発チームでは英語が話せないと仕事がしにくいですし、勉強をしないと一生身につかないので、多くのメンバーがこの状況を前向きに捉えて勉強をし始めています。
最近だとSlackに #英語勉強部屋 というチャンネルを作って、英語を勉強した人はここに報告をするような文化を作っています。
↑DMM英会話を受けたメンバーの報告例。
そもそも今グローバル化以外の文脈でもZealsは忙しい時期を迎えていて、一般的な社会人よりも勉強へ時間投資するのが難しい中で、このグローバル化の状況を前向きに捉えて英語を勉強しようとメンバーが思ってくれているこの状況自体が財産だと思います。
一緒にこの壁を乗り越えていきたいと思っています!
↑英語の勉強にモチベーションを燃やしているメンバーの発言例。
※ちなみに彼はこの投稿をした日、早速英語の勉強をサボりました(泣)
③外国人メンバーも日本語を勉強している
そもそもZealsがグローバル化に振り切れた要因の1つに、元々Zealsの開発チームは外国籍のメンバーが多かった、ということがあります。グローバル化を進める前から40%ほどが外国籍のメンバーで、ほとんどのメンバーが日本語の話せるマルチリンガルでした。
そのためZealsの外国人メンバーには日本語を学びたいという意欲の強いメンバーが多く、Slackの #language_exchange では日夜、日本語や英語についての誰かの疑問に対する議論が繰り広げられています。
↑"催告"という単語についてのスレッド
そのため社内には今も多数の日英バイリンガルのメンバーがおり、彼らが各所でコミュニケーションのハブになってくれていることで、日本語か英語がわからないメンバーともコミュニケーションが取れています。
④全社の重要な共有を英語でも行なっている
先ほど、開発チーム内で英語を使って業務を行なっていると書きましたが、全社でも重要な共有を英語でも行うようにしています。
例えばZealsでは採用や営業の受注、新しい案件のローンチなどのニュースをSlackの #general に報告するんですが、そのニュースを日英並記で行なっています。
また、今月行なった新しい取り組みとして、Zealsが毎月行なっている月初会という全社ミーティングにて、Zoomに同時通訳者の方をお招きし、リーダー陣が共有する経営戦略を彼らに全て英語に訳していただきました。
この他にも来年頭には翻訳チームを作るなど、外国人メンバーにもしっかり戦略などの重要な情報が共有される状態を作ろうとしています。
グローバル化の課題と今後の展望
ここまで、どのように組織のグローバル化を実現しているかを書いてきましたが、足元にも未来にも課題は山積しています。
今はまだグローバル化も走り始めで、海外メンバーは既に日本にいたメンバーや母国からリモートしているメンバーがほとんどですが、これからは日本語の話せないメンバーや海外に長期滞在すること自体が初めてのメンバーがどんどん来日します。
それに伴って生じる、種々雑多な課題はいずれも彼ら一人一人にとっては小さなものではないですし、会社としてチームとして、それらに向き合える体制を作っていかなくてはいけません。
また本記事では、「開発チームがグローバル化」しているという言い回しをしてきましたが、将来的にあるべきなのは開発チームがグローバル化している状態ではなく、Zealsがグローバルカンパニーになっている状態だと考えています。
開発チームが他部署と違う戦略でチームの拡大を続けていく中で、それでもZealsが1つのチームであり続けるために、ネガティブな溝を埋めてメンバーを繋いでいくのが今後の僕の大きなミッションだと思っています。
最後に:グローバル化について思うこと
採用をしてきて、LinkedIn等を通してこれまで数百人の海外の候補者と話してきましたが、そこで感じたのは、グローバル化それ自体はグローバルな市場においては大きな強みにならない、ということです。
採用でグローバル市場にフォーカスできたことで、日本国内だけだと見つけ出すのが難しかった優秀層のエンジニアにリーチするのが比較的容易になった感覚があります。
しかしこれは、(海外にも敢えて戦略でモノカルチャーな会社を作っているところはあると思いますが)グローバル化したことによって得られたメリットと言うよりはむしろ、グローバルな世界においては最初からそれが当たり前の話で、国内市場しか見れなかったこれまでが、ただただ機会損失をしてきただけだという話なのでは、と感じています。
日本国内の採用市場に目を向けているとあまり聞かなかったですが、他のアジアの国のエンジニアが英語を使ってアメリカやヨーロッパの会社でリモートやオンサイトで働いている、なんてケースは本当にざらにあります。
何が言いたいかと言うと、国内にいると組織をグローバル化させることが優位性のように感じ、プラスだと感じてしまいますが、グローバルな市場においてはそれは当たり前の話で、これまでマイナスだったものを0に近づけているだけなのでは、という話です。少々過激な意見ですが。
英語にしても同じです。そういう層にアプローチしているから、ということもありますが、本当に色々な国籍のエンジニアと話しましたが、みんなしっかりビジネスレベルの英語を話し、それを当たり前とした上でそれぞれに強みを作っています。
英語が話せることが強みになると言うよりはむしろ、英語が不十分であればあるほど自分がグローバル市場で不利益を被るだけだ、という感覚があります。
一方で、ではどうすれば自分たちはグローバルな市場においても優位性を作れるのかと言うと、それはやはり日本発のグローバルカンパニーになることなのではないか、と思っています。
仕事の全てを英語化することが自分たちのゴールではなく、日本の文化が根底にあるチームだからこそ作れるチーム文化を中長期的に作っていくべきなのだと思います。
そう捉えると、「おもてなし」、「礼儀正しさ」、「勤勉さ」などはこのテーマにおけるキーワードに成りうると思っています。世界に誇れる日本人の良さを、もっと押し出せるチームにしたいと思います。
そうすることで海外の、日本に興味のあるエンジニアに「Zealsで働きたい!」と思ってもらえるようなチームになれたら最高だな、と思います。
言うは易しで、未だここについて何ら具体的なアイディアもないのでまだただの妄言に近いのですが、それでも長期的にはそうした大きなところを見据えながら今の目の前のグローバル化の挑戦に取り組んでいきたいな、と思っています。
Zealsは2020年、日本発のグローバルカンパニーになるための大きな一歩を踏み出したのだと思っています。
2021年は先ほどの展望に書いたような部分に取り組みながら、また次の一歩二歩を踏み出せるような1年にしたいと思います!
Appendix
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