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土を纏う、茶染めとお茶の美しさ(2/2)

茶染め体験続編

茶の木をなんと茶染め体験のあとにいただきました。畑から運ばれた木には濃い緑色の葉に、ふわふわと白い花がつき、いくつかの茶の実が宿るかわいらしくも、野生を纏った力強い木でした。

無農薬・無肥料がもたらすもの:山の恩返し


お茶の生産者視点で見ると、実は花はあまり咲かせてはいけない(「生産管理不足」)とみなされるそうです。

一般的に、それには理由があります。肥料や農薬を与えることで、虫をつけず、花を咲かせず効率的な茶葉の収穫をするためです。ただ、今回の茶染め体験では無農薬・無肥料で育て、(飢餓状態になった状態になると)種を残そうと花をたくさんつけた自然の摂理の結果があらわれているとお聞きしました。

茶の木の活用法として考案された茶染めに、農薬がつかわれていない安心感とともに、茶葉部分は手摘みで紅茶に加工し、味は国産紅茶グランプリで受賞するというエピソードつきです。放棄茶園を整備する過程での出来事を「山がこたえてくれる」とあらわす社長の一言には、自然にへの敬意と感謝の気持ちが込められているのだと思い、深く感動しました。

地産地消茶:晩茶の制作プロセスに触れる

さっそく翌朝、いただいた茶の木を蒸してみました。

晩茶つくりには約15分「枝をふってハラハラと茶が落ちるタイミングまで」蒸せばいいとのこと。


蒸されるお茶の木。このあと枝をゆするとハラハラと葉は落ちてゆきました。

茶染め開催者(社長)がおっしゃられていた「自産自消茶」の概念に一部触れたことで、自給自足の暮らしがもたらす豊かさを改めて感じました。

蒸した茶の葉を干す過程。

スパークリングティーと自家製どんぐり粉:秋のテリーヌ


茶染め体験の日、長峰製茶さんでスパークリングティーを購入しました。これは「晩茶研究会」にて商品開発されたというノンアルコール飲料で、発酵茶を使用しているとのこと。シロップ(エルダーフラワーやカシス)で割るとおいしいともききました。

ちょうどその日の朝に、自家製どんぐり粉でつくった秋のテリーヌがあったのでいっしょにいただいてみました。

偶然にも写真に入ったのは奥左からジンジャー、阿波晩茶、どんぐり粉。
熟れた柿とクランベリー、全粒粉とどんぐり粉のテリーヌ


スパークリングティーの華やかな香り──はちみつやレーズンを思わせる香り──と、秋のテリーヌが絶妙にマッチしてとてもおいしかったです。

ほっくりとした栗の味わいに近いどんぐりは香ばしさがあります。熟れすぎた柿とクランベリーもいれていたので、ほどよい酸味と発酵茶の味がよく合っていたのだとおもいます。

偶然のマッチングがとてもうれしい。

お茶染めの魅力と土を纏う美しさ


そんな茶染め体験の続編のような形で、いまも茶の魅力に浸っています。

そして、こんごは「土を纏う服」というテーマを深くおってゆきたいと考えています。茶染めをしたもんぺ、エプロン、長袖など暮らしに寄り添い、支える衣服をつくれたら、、と想像すると胸が高まります。

お茶には自尊心を育む(自分を整える)魔法があると今回深く理解できたことがおおきいのだとおもいます。

畑をしながら暮らしの中で茶の木を育て、その葉で染めた服を育む──そんな未来をそうぞうし、「服でみんなの居場所をつくる」をもっと豊かなものにしていきたいと思っています。

私の暮らし研究とものつくりの旅はこれからも続いてゆくのでした。


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