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【日記】11月11日〜11月15日

11月11日(月)

やたらと香りのする夜だった。

いつものように仕事を終えて、帰宅してすぐにランニングウエアに着替えて家を出る。玄関のドアを開けてすぐの階段に腰をおろして、ランニングシューズの靴紐を一度解いてから結び直していると、どこからかごま油の香りがしてきた。時間は、20時より少し前だったと思う。

それからいつも通り駒沢公園へと向かう道を走っていく。住宅街を走っている最中に、肉の焼けるいい匂いがしてくる。肉の種類や料理まではさすがに分からないが、とにかく美味しいそうな匂いだった。

そのまま駒沢公園の中を2週走って、家に帰る途中、今度は煮物の香りがした。醤油とみりん、酒で何かを煮ている香り。もうすぐ21時前だった。きっと仕事が終わるのが遅かったのだろう。

いつもこんなにも美味しい匂いがしていたのだろうか。それとも、寒くなってきて、料理の香りがより目立つような空気になってきたのだろうか。

やっぱり温かいご飯って良い。

夜ご飯のおでん

【今日の一節】

人格をなくすことで、人は苛立ちも焦りも動揺もなくしてしまえる。なにもかもがこの平穏、この安らぎ、この永遠のなかでひとつになると、人生に対して勝ち鬨をあげそうになる。

ヴァージニア・ウルフ『灯台へ』:P114


11月12日(火)

月に1度くらいのペースで会う友達とご飯に行く日だった。

ビールと焼酎で乾杯して、最近の仕事の状況や面白かった出来事などを交互に話していった。

一軒目で飲んだ麦焼酎ソーダ割り

たまに愚痴っぽくなったり、映画の話をしたりと話を変えながらお酒を飲むペースも上がっていく。そして自然と2軒目、3軒目へと場所を変えて、気がつくと夜が深くなっていた。

2軒目のチャーシューエッグ

なんでも気ままに話せる友人の存在に助けられているなと思う1日だった。

【今日の一節】

まるで人が自分の思わぬ方向にはみ出さないように見張っているような会話の軌道を変えないように操縦しているような、なんというか、オキシオから放たれる善意からはそういった感じがして、彩綾は萎縮してしまった。

紗倉まな「ガールズ・ファイト」『文藝2024冬季号』:P376

11月13日(水)

平日の休み。午前中から用事を済ませて、昼過ぎくらいには帰宅。

お昼ごはんに、具がわかめだけの質素な蕎麦を作って食べ、今日の最大のタスクとしていた10月に購入した本の紹介動画の撮影をする。

事前に作成した台本を見ながら、本のを紹介していく。途中何度も噛んだだり、間違ったりを繰り返して、1時間くらい撮影を続けていた。

10月の購入本紹介動画の一コマ

やっと想定していたカットを取り終えて、パソコンにデータを移して映像と音声を確認する。相変わらずです上手く話せていない感じはありつつ、ギリギリOKだろうと思っていたが、後半の1つの素材だけ変なノイズが入っていたので撮り直すことに。

本当は編集まで今日中に終わらせようと思っていたが、撮影と撮り直しでもう編集する気力が残っていなかった。もういろいろ諦めて、夜までゆっくりすることにした。

【今日の一節】

内面と外面の食い違いにとまどいながら———頭ではそんなことを考えつつも、手はこんなこと(スープ注ぎ)をしているという———夫人には自分が渦の外にいることをますます強く意識しはじめた。いや、こう言ったほうがいいだろうか。夜のとばりがおり、昼間の色彩がうせて、物事の真の姿が見えたのだ、と。

ヴァージニア・ウルフ『灯台へ』:P150

11月14日(木)

毎日にもう少し刺激があってもいいのではないか。何も見つけられない1日だったこともあって、そんなことが頭をよぎる。

刺激といっても、争いごとやトラブルに巻き込まれたりストレスになるようなタイプの刺激は困る。それでは、どんな刺激だったらいいのだろうか。

今のところよく分からない。

ただ刺激のある生活になると、きっと平穏な生活を望むのだろうな。そう考えると日常おの中にある、小さな変化を見落としているだけなのかもしれない。今日と同じような明日でも、明日にしかないことをちゃんと見つけなければいけない。

早めに『日記の練習』を読もうなかな。

何もなかったことを書く日記

【今日の一節】

たまに見える大倉の口の奥にある銀歯を見ていた。人間の狂気なんてもんは、本来あの銀歯よりも目立たんところにあるはずやけど、一度でもそれが表に出たら、もう隠すことはできへん。大倉の狂気がせめてあの銀歯くらいまで奥に引っこんでくれたらええのにと願ったが、もう無理なのやろう。

又吉直樹「生きとるわ」『文學界 2024年12月号』:P281

11月15日(金)

風邪でもないような体調不良で、会社も早退した1日だった。

早めの帰宅


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aki
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