私がダンスに辿り着くまで5(踊るのは好きじゃない)
子供のころからダンスを見るのは好きだった。
でも不器用なので自分は踊れない。
姉は盆踊りでもピンクレディーでもぱっと見て覚え、真似して楽しそうに踊っているのに、私は全く覚えられないし、振り付けがどうなっているのかさっぱりわからない。
これは今でもそう。
女子体操競技の床運動は音楽に合わせてアクロバット、ジャンプ、ターン等を行うが、ダンス的な振り付けっぽい部分も少しある。私が初めて自分だけの曲と振り付けをもらったのは小学4~5年生のころだっただろうか。
ダンス的センスのなかった私の床の演技は、「高難度のアクロバットの合間にラジオ体操的な振り付けっぽいものが挟まっている」といった感じだったと思う。頑固で不器用なので自分のリズムでしか動けず、曲をちゃんと聞いていないので遅れたり早すぎたり。
隣の市にある体操クラブの床運動は皆おしゃれで、今時な感じがしてうらやましかった。
私が通っていた体操クラブは、言い方は悪いがきちんとした所ではなかった。(先生や保護者の皆さんが協力して一生懸命運営してくれていた)
情熱はあるが設備も指導の指針も整っておらず、アルバイトの男子大学生コーチが女子選手を教えていた。
基礎もへったくれもなく、技のやりかたの説明や段階練習もなく、コーチが補助して(持ち上げて)無理やり技を経験させ、少しずつ補助を減らしていくという、原始的なものだった。(当時のコーチの発言でいまだに私達が笑いながら突っ込むのが『けあがりは根性』←んなわけあるか!ちゃんと教えろ!!(´艸`*))
なのでもちろん女子選手特有のダンス的要素をきちんと教わったことはない。
自分の体操に基礎力がないことも、ダンス的センスがないことも、コンプレックスだった。(当時の先生方が当時の精一杯で、情熱をもって指導してくれていたことは分かっているし感謝している。本気で全国レベルを目指すと言うにはまだ色々足りなかっただけだ。)
私は体操でもダンスでも、自分の動画や鏡をめっちゃ見る。
自分が好きだからでも、楽しいからでもない。
自分の演技が不細工ではないか、減点対象はないかを探すためだ。
「こういう風にしよう、こうなったらいいな」と思ってやった事がどれだけ具現化できていたかがすごく気になる。
不細工な状態を人目にも自分にも晒しているのが嫌だ。(いや、人はそんなに私の事見ていないのは知ってるけど(^^;))
ちょっとでもマシになった所があれば嬉しい。そのほんのちょっとマシになった所を、味のしなくなった最後の1枚のガムのようにもぐもぐもぐもぐしながら心の支えにしている。
なので踊っているときは楽しい時間なんてない。まず振り付けを覚えるだけで必死だし、いつも曲に間に合わない。鏡を見る余裕がない時もある。
選手時代に「技は出来ても踊りがね・・・」と言われたこともあって、自分でもそう思うしコンプレックスだった。でもダンスを見ていると楽しいし、「かっこいい~♡」と思うし、憧れもある。
体操が出来なくなって、他に何か打ち込めるものが欲しかった。
ダンススタジオオープンのチラシを見て、とりあえず体験に行ってみることに。ダンスのジャンルもなにも分からないので、自分が通える日時に行ったらそこはHIPHOPのクラスだった。
平日の夕方だったので私含めて大人女子ばかり3人。フラメンコをやっているお姉さま、元劇団員のお姉さま、元体操選手の30歳の私。インストラクターは大学生のお嬢さん。先生大変だっただろうなぁ・・・(;´・ω・)
まず全員見た目が全くHIPHOPではないし、ダウンでリズム取りが出来ない(;´∀`) ダンススタジオというよりは、頭の体操の時間?(右手は三角~左手は四角~ハイ同時に!みたいな)みたいにギクシャクギクシャク。。
心の中で「なんかちがうなー、私、安室ちゃんとか倖田來未ちゃんになりたかったはずなんやけどなぁ・・・?」と思いながらも1年目の発表会に出て。
そこで運命の出会いを果たす。