私はチクワに殺されます 五条紀夫 (二葉文庫)
タイトルだけでこんなに衝撃を受けた本はあっただろうか(いやない)。
密林を徘徊していた時に目に入ってきて、そのまま吸い寄せられるように商品ページに飛んでしまいました。
チクワといえば、岸政彦先生の家の「ちくわ」というワンコがかわいいのです。
脳内では「ちくわ」に襲われる岸先生。
「ちくわ」になら殺されてもいいかも。
旅行から帰ると、楽天ブックスで注文した本が届いてました。
薄い。200ぺージ以下。
1時間半もあれば読み終わるだろうと思って、さっそく昨日の夜、レッスン前に読みはじめ、予定通り読み終わりました。
いきなり凄惨なシーンです。
男が家で首を吊って死んでいるのが見つかり、そのそばで妻は斬殺されています。
そしてなぜか室内にチクワが散乱している……。
部屋には男が書いたものと思われる手記が残されていて、その手記は「私はチクワに殺されます」という一文で始まっていました。
第一章は男の手記です。
男がなぜチクワに殺されるのかが書いてあるのですが、この手記がすごく嫌な感じなんです。
すごく丁寧な文章を書いているんだけれども、傲慢でプライドが高く、自分のやっていることはすべて正しいと思っていることが文面から滲みでてくるのです。
(心の声:自分で「熱心」って言う?しかも「更に熱心」っていったい誰の評価)
あー、この嘲笑したいけど、ムカムカする感じ、なにかに似ている……と思ったら、Twitterの「はみがき」さんの文章とよく似ています。
(Twitterで検索すると出てくると思います。中国駐在中にお店の小姐に入れあげ家庭崩壊した男性です。さっき見に行ったら舞台はタイになってました。相変わらずの勘違い自己評価が面白いです)
この小説を読んでいるうちに、「はみがき」さんの話もフィクションなんじゃないかと思いはじめてきました。っていうか、「はみがき」さん、この小説書きました??
こんな感じで、しじゅう丁寧な物言いをしながらイラっとする行動をする主人公の様子がつぶさに描かれているわけですが、ところどころ爆笑するシーンが出てくるんですよね。
手記は100ぺージぐらいありますが、手記を読んだかぎりではホラーです。『リング』(鈴木光司)をちょっと彷彿とさせるような。
このあと、どのようにオチがつくかというと……読んでのお楽しみです。
ちなみにちょっとグロい描写が多めなので、ダメな人はお気をつけください。私もちょっとチクワはしばらく食べなそうです(って元からそんなに食べないけど)
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