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<書評>缶詰サーディンの謎(ステファン・テメルソン著、大久保譲訳 国書刊行会)
「図書新聞」No.3666・ 2024年12月7日(土)に、『缶詰サーディンの謎』(ステファン・テメルソン著、大久保譲訳 国書刊行会)の書評が掲載されました。
https://toshoshimbun.com/
翻訳教室で書評を書かせていただいて、これが16冊目なのですがこれまでで最も不思議な作品でした。ラストに向けて収束するようなストーリーもなく、さまざまな思想や哲学がちりばめられ、帯には〈行間を読んではいけない〉と書かれており、行間を読まずにいったい何を書くのか……とたいへん悩まされました。ただ、書評に書いたように、部分的にはすごく面白いストーリーがいくつもあって、実際に前半部分は映画化もされていて、まったくの支離滅裂というわけではないところが、この小説のすごいところです。書評では一番好きなエピソードを1つだけ挙げましたが、天才少年が書いた「ユークリッドはマヌケだった」ことを証明するラブレターは、ぐっときますし、この部分だけを独立させて短編として読むのも全然ありだなと思いました。
金子先生、今回もお忙しいところを丁寧に見ていただき、ありがとうございました。
書評は下記リンクからお読みいただけます。
https://note.com/yasushi_kaneko/n/nf74165c0e5a3