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トルコ旅34<止められたバス>
ミニバス待っていると「バスを待ってるのかい?」とトルコ人のおじさんが話しかけてきた。そうだと答えると、おじさんは誰かに電話していた。その後私たちに「今から来るから、そこで待ってればいいよ」と伝えにきた。このおじさんはバスの運転手に電話をしてくれていたらしい。おじさんが何者なのか分からないが、私たちが大きなバックパックを道沿いに置いてバスを待っている姿を見て気にしてくれていた様だ。トルコ人、本当に優しい。
15分程するとミニバスがやってきた。乗客は私たちのみで、ドライバーはものすごい勢いでミニバスを走らせた。オリンポスに来た時のミニバスは普通の速度で山を下り、私たちも景色を楽しんでいたが、今日のこのドライバーは運転が少し荒い。遅れた分を取り戻しているのか?「アンタルヤ行きかい?」と尋ねられたので、そうだと答えると誰かに電話をし始めた。
途中から来る時に通った道とは違い「え?ここ通るの?」という舗装されていない急な坂道を登った。大袈裟かもしれないがミニバスがひっくり返るんじゃないか?と思うような坂である。私の予想ではあるが、恐らく昔使われていただろう道で、現在はあまり使われていないだろう道。これは近道なのか?と思ったのも束の間、大通りのサービスエリアにすぐ到着した。ミニバスがひっくり返らなくてよかった。
後に分かったのだが、このドライバーはサービスエリアに電話をしてくれていたようだ。というのもサービスエリアではアンタルヤ行きのバスが私たちの到着を待っていたのだ。先ほど「アンタルヤ行きかい?」と聞いてきたのは、このバスに待っていてもらう為だったのだろう。トルコ人の連絡網、すごいな・・・と感じた瞬間である。私たちの荷物をバスに乗せ換えバスは出発となった。
バス内は意外にも混んでいて空いている席を探したところ、私たちは前後の席となった。私の隣はトルコ人女性、ホンザの隣はトルコ人のおじいちゃん。ここから1時間半近くバスに乗車するわけだが、出発してから30分も経たないうちにバスが止められた。
国境が近いわけではないし、抜き打ち検問?なのかよく分からないが、バスに警察官?捜査官?みたいな人が乗り込んできて乗客の身分証明書をチェックし始めた。この警官らしき人物は、一人一人の身分証明書を手に取りしっかり見て確認していた。私とホンザはパスポートを出したが、私たちのパスポートはほとんどチェックされなかった。見た目からして外国人旅行者とすぐわかるから?
そんな中一人、引っかかった。20代前半くらいの男性だ。私には彼がトルコ人なのか近隣国出身なのか、見た目で判別することは出来なかった。彼は身分証明書を持っていないのか、それとも不法入国者、難民なのかは分からないが、バスを降ろされ警官たちと話をしている。バスはしばらく停車していたが、その後ドライバー、バスの乗務員と警官らしき人たちが外で話をし、バスは彼を警察の元に残したまま走り始めた。彼はシリアやアフガニスタンなどの難民だったのだろうか?よくあることなのだろうか?状況がよく分からないのだが、私は目の前で起きた出来事に少し困惑していた。
複雑な気持ちを抱いたままバスに乗っていた。18時くらいにはアンタルヤのオトガルに到着した。アンタルヤのオトガルはイスタンブールほどではないが大きいく多くのバス会社が入っている。写真にあるAMASYA、AKSELとかyeni aksarayとかは全てバス会社の名前である。
イラン行きのバスも出ていて、本当はイランにも行きたかっただけにホンザは少し興奮気味であった。
オトガルの中に宇宙っぽいようなレトロのかわいい電話があった。公衆電話というものを久しぶりに見かけた気がする。
さて、もうじき私たちが乗るバスの出発だ。いざ、イスタンブールへ。