そもそもなぜフリーランスになったのか 〜その2〜
↓ 前回の話の振り返りはこちら ↓
冷静に考えると、そもそもパチンコはほとんどの方が負けるようにできています。パチンコ屋もビジネスです。全員が勝ててしまっては商売になりません。
「気持ちよく、そして楽しく御遊戯いただく」
というのが大衆娯楽である本来のパチンコ屋の位置付けです。
「絶対に勝てる!」という自信
現金を得た時の高揚感や幸福感、優越感をもう一度味わいたいという願望と共に、遊びで現金が手に入るということが私にとってたまらなく快感でした。
「今日も勝てる、
最悪、この前に勝った金額内で勝負すればいい。」
というような謎の自信がありましたし、自分には何か特別な力があるのでは無いかとも思っていました。パチンコ屋に行く日の朝というのは不思議で大学の講義の時はいつも起きれないのにも関わらず、その日限定でアラームがなくても自然と目が覚めます。ワクワクしながら身支度を済ませ、9時の開店に間に合うように近所のパチンコ屋に並びにいきます。
「今日はいくら勝てるんだろう?
もしも10万勝ったら、何を買おうかな」
なんて妄想をしながらパチンコ屋にむけて自転車を飛ばす。期待と妄想でウキウキが止まりません。開店前の並びもワクワクしています。
「今日もあの演出が見れたら良いな」
なんてことを過去をフラッシュバックしながら妄想します。
そんなこと妄想をしていると開店の時間となります。
まだいける、まだいける
今日はこの前とは何かが違います。
この前であれば1000円で大当たりを引き当て、そこから大当たりが連続したのですが今回は3000円入れても全く当たりません。
「おかしいな」とは思いますが、まだこの前の勝ち分が3万6千円もあるので問題ありません。打っても打っても全く熱いリーチもこなければ演出もきません。
「店長に当たらないように操作されてるんじゃないか?」
なんて若干の苛立ちを感じます。キョロキョロすると監視カメラがあったのでカメラ画面越しに店内の様子を伺っているであろう店長に向けて睨みをきかせて「出せよ!」とアピールします。
4000円……
5000円……
と打ちますが状況は特に変わりません。
「なんなんだ?この前は簡単に当たり続けたのにこの前と何か打ち方が違うのか?」と椅子の高さを変えてみたり、足の組み方を試行錯誤してみたりします。が、なかなか当たりません。
6000円……
7000円……
気がつけば7000円という大金をわずか30分で失ってしまいます。
「これは不味い、
多分今日は調子が悪いから帰ろう。」
と若干の後ろ髪を引かれながら、席を離れます。離れた瞬間、私が打っていた台はすぐにおじさんに座られてしまいます。負ければいい!なんておっさんに対する汚い気持ちが湧き出てきました。
すぐ当たる、おっさん
私の汚い思惑に反して、おっさんの台は私が離れた瞬間に当たります。
「なんなんだよ!この店!
当たりを操作してるんじゃないか?
なんで俺の時は当たんないんだよ?」
おっさんに激しく嫉妬し、パチンコ屋の店長を恨みます。もう少し打っていればという後悔と悔しさが脳を駆け巡り、怒りと憎しみの感情がこみ上げて、頭がカーッと熱くなります。「もう二度とやるか!!!」とイライラしながら店を後にします。ー7000円。わずか入店して30分の出来事です。自転車で帰宅している時もイライラが止まらず、
「もう絶対に止める、
まだ前回の分と合わせると3万2千円勝っているし
今、引退すればプラスで終われる」
なんて思いながら、もう今日限りでパチンコは引退すると決意します。
30分というわずかな引退
帰宅前にコンビニに寄ると、ついつい目が行ってしまうのがパチンコの雑誌。パチンコの雑誌には熱い演出が載っていたり、当時(2007年頃)パチンコで当たりやすいゲーム数なんて言うのも記載されていました。引退を決意したものの気になってしまい、そういった雑誌をついつい手にとってしまいます。雑誌を読み進めて行くと自分の知らなかった知識が入ってきます。
「200ー300回転の間は大当たりしやすい?
台に付いているボタンを5回押してから打ち出すと熱い演出が来やすい?
そうか!この情報を知らなかったから負けたんだ!」
と。引退を決意してからわずか30分で引退を撤回。そのままコンビニを出て、パチンコ屋に戻ります。パチンコ屋についてからは、雑誌に書いてあった情報を元に台を選び、打ち始めます。
「絶対に負けた分を取り返す!」
と疑わなかったのですが、5000円を使っても当たらず、なんで当たらないんだ!!という先ほどの繰り返しに。自分が朝一にプレイしていた台はおっさんが気持ちよさそうに出し続けている。もう10回は当たっているだろうか。それを横目に、また腹を立てて店長を恨み、おっさんに嫉妬し、ありもしない攻略法に踊らせれ、お金を失ってしまったのです。
これでプラスの金額は2万7千円。絶対にもうやめる、絶対に。心に深く刻んで店を後にするのでした。
「その3」に続きます。
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