子どもとの会話に困ったら実況中継してみる
こんばんは。
今日はタイトルの通り、子どもとの会話をつなぐためのアイディアについて書きたいと思います。
子どもと何を話したらいい?
保護者の中にも、実は、子どもと何を話せばいいか分からないという方がいらっしゃいます。
ご自分が一人っ子で、身の回りに年下の子がいたことがなくて、子どもと話した経験がほとんどない。
仕事が忙しくて自分の子どもとも顔を合わせる時間が少なくて、何を好きなのか、普段どんなことをしているのか分からない。
などなど……
理由は様々ありますが、せっかく子どもと関わる機会があるのに、何を話せばいいか分からないからと黙っていて終わってはもったいない。
でも、同時に、何を話したらいいか分からないと悩まれる方は、子どもに分かりやすい話をしたいとか、子どもに楽しんでほしいとか、子どものことを思って悩まれている方が多い気がします。
だから、自分の話は分かりにくいかもしれないし、子どもに分かりやすい、ウケのいいネタを知りたい。分かりやすい話し方を知りたい。
そんな風に悩まれるんでしょうね。
すごく素敵だと思います。
そんな方にこそ、ぜひぜひ子どもとの会話に挑戦していただきたい!
なぜ実況中継なのか
たとえば、あるお休みの日。
子どもが紙を広げて、クレヨンで何か描いています。
ぐるぐるぐる~っと大きく腕を動かして、紙いっぱいに線が広がっていきますが、何を描いているのか分かりません。楽しそうな顔をしているので、きっと好きなものを描いているのだろうと思うと、間違ったことを言ってがっかりさせるのも気まずい……でも、この形がなんなのかさっぱり分からない……
結果、無言。
こんなとき、実況中継の出番です。
「おお、ぐるぐる描いてるなぁ」
「どんどん大きくなるね!」
「赤がたくさんだね。」
見たままを、そのまま、予想や憶測を挟まずただ挙げていきます。
子どもは自分のしていることを認めてもらうと、それだけで喜びます。
『認める』というのは『褒める』ことではなくて、その子が気持ちを向けていること、集中していること、工夫したことなどに気づいて、それを指摘するくらいの感覚で大丈夫です。
気持ちよく、ぐるぐるぐる~っと描いている時。
「お、ぐるぐる気持ち良さそうだな」
と一言もらうと、得意そうな顔で「うん、ぐるぐる!」と答えてくれるかもしれません。
そこから、その子の語りが始まるかもしれませんし、始まらないかもしれません。でも、気持ちよく描いていることに気づいてくれた!という満足感は味わっているはずです。
大きな動物のつもりでぐるぐる描いているときに、「どんどん大きくなるね」と言ってもらったら、「うん!ぞうさん、おおきいの!」と返ってくるかもしれませんし、「もっとおおきいよ!みてて!」と言われるかもしれません。
赤が大好きな子が、お気に入りの赤を塗り広げることを楽しんでいるときに、「赤がたくさんだね」と共感してもらったら、それだけで満足です。
そんな簡単にいくのか?と思われるかもしれませんが、大丈夫です。
私がよく使う手ですから!実証済です!
何年保育士をやっていようと、ぱっと見て何を描いてあるのか当てるのは不可能です。
よほど絵が得意な子なら分かりますが、分からないことの方が多いんです。
そんな中、お絵かきを楽しんでいる子どもにどんな声をかけるのか?と言うと、見たものをそのまま伝えます。実況中継です。
子どもの絵を正確に把握する必要はありませんし、必ず褒めなくてはいけないわけではありません。
子どもが楽しんでいることに「楽しそうだね~」と共感する。
子どもが話してくれることを聞いて、「そうなんだね~」と受け止める。
それで充分だと思っています。
むしろ、大人の感覚で分かった気になってあれこれ褒めると、子どもの気持ちとずれてしまうことがあります。
それよりも、目の前の子どもの姿をじっと見て、話してくれることをそのまま聞いて、受け止めることの方が、ずっと子どもを理解することができます。
子どもも、ただ褒められるより、自分の話をとにかく聞いてくれる方が満足げな顔をします。
あれこれ想像する前に、まずは目の前の子どもの姿をじーっと観察して、見えたことをそのまま伝えてみてください。
まさしく実況中継です。
実況中継にプラスして
ぜひ意識していただきたいのが表情です。
子どもとのコミュニケーションを円滑にするために、子どもと同じ表情を意識してみてください。
楽しそうなら、笑顔で。
悲しそうなら、眉を寄せて。
ちょっと大げさくらいの方が伝わります。
同じ表情をしていると同じ感情を共有しているように見えるので、子どもは親近感を覚えます。つながりやすくなるんです。
自分に近しい存在には安心感も抱きます。
慣れないことに緊張して表情にも出ていると、子どもにもうつります。
固い表情をしていると怖そうに見えるので、子どもは怯えたり、警戒したりします。和やかな雰囲気にはなりにくいですね。
話がうまい必要はありませんし、子どもが好きなことを知っている必要もありません。
笑顔で、よく見て、よく聞いてくれる人。
子どもが安心してコミュニケーションをとる相手は、そういう相手です。
多少引き攣っていても笑ってください(笑)