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バケモノの子、荒過ぎる。

昨晩、金曜ロードショウで細田守監督の「バケモノの子」を観た。3年前くらいに映画で観たが、当時は最後のシーンで少し感動したくらいで、あまり印象に残らなかった。ただ、細田守だからコレが凄い映画なんだろうなぁとなんとなく思っていた。今回、人生色々あり、考え方や物の見方、社会の見方が変わったから映画を見る目が本当に肥えて、家でずっと突っ込んでた。私の感想をただただ書き殴ろうと思う。結構ネタバレすごいので、嫌な人は観てから読むことをオススメします!

1.闇とか言うなら、もっと闇丁寧に描いて
きゅうたの闇が、バケモノの世界にいくほどじゃない、浅い。この世界外野で逃げ出したいなら、親も状況ももっと過酷で残酷で可哀想で酷くていい。両親の酷さや環境・状況の酷さがイマイチすぎる。
一郎丸に関しては、闇の描写が殆ど無い。闇と描写がちゃんと無いと、渋谷での戦いシーンは、ただ彼が暴れてるだけになってしまう。この現代社会に対する恨みやバケモノに育てられた彼の悲しい気持ちがもっともっと無いと、暴れるまでの動線が普通はああはならない。意外と人間強いから、あの程度じゃきゅうたも一郎丸も耐えられると思う普通。あと、楓絶対いじめられてない、いじめられっ子にしては出木杉。強すぎ。あれできるなら、初めからいじめられないから。描くなら、強くなっていく成長過程も描かないといけないし、なんかとびっとびでついていかない。全員シーンごとに人格違ってて、すごく人の感情や成長に対する動きの描写が雑で違和感がある。感情移入しにくい。

2.大学受験の謎感すごい。
この世界から抜けて、バケモノの世界で頑張ったのにもかかわらず、最後の最後で大学受験?!?!?医者とか弁護士とか、大学受験が重要なら分かるけど、その描写も無いし、わざわざ世界飛び出したのにも関わらず、着地点そこ?!
ってなってしまった。熊鉄の剣しょぼ!神しょぼ!もっと世界規模で動くなら、なんかあるでしょう。この映画のスポンサー、ベネッセなの?大学受験するならするでいいけど、あの導線だとすごく小さい話になるし、まず人生規模の話にしたいなら、受験ってたいしたことないんだからそこに帰着する理由がマジでない。

3.感情の描写が雑すぎて、ついていけないシーンが沢山。
1.とも関連するけど、感情の動きが雑なシーンでありふれている。例えば、きゅうたが、バケモノの世界抜け出す理由。そんな今までお世話になった人に歯向かうほどなら、意志がないといけないのに、その描写がない。学習意欲とか恋とか出て行くきっかけが無いと、あそこまで強い意志で出て行く意味がない。

熊鉄とヨウゼンが何回も戦うんだけど、戦う理由がいちいち薄い。もっとお互いの信念があって、譲れないものがあって、そういう戦いじゃないと二人とも暴れん坊なだけ。「最後にあんじゃん!理由」ってなるかもしれないけど、ノーヒントであの喧嘩突然きても、「熊徹がんばれ!」ともならんし、感情がまず第一に初めから入ってないから、最後に理由言われても、トリックに引っかからない。

熊鉄がとにかく初めっから優しすぎる。全然孤独でも不器用でもない。無能なきゅうたに出会ってすぐ、卵食べろとか超優しい。そんなにきゅうたに優しくする理由も無いのに、無駄に優しい。もっと不器用でヒドくて良い。こんなに優しいなら、観衆全員がヨウゼンに味方するのおかしい。

などなど。ああ、突っ込みどころ多かった…。今上映中の「未来のミライ」観てないけど、どうなんでしょう?売れ行きイマイチだけど、そりゃ映画って皆見る目厳しいから、赤字出して反省してほしいなあ。大金かけて作るなら、丁寧に作って欲しいなあ。伝えたいものはわかったし、伝えたいものがありすぎるのもわかったけど。そかも、こんなに語れるってことはやっぱりB級映画ではないなと思うし。昨日、話題の「カメラを止めるな!」観たけど、まぐれ当たりのB級映画でしかなくて、大変残念なことにノーコメントだし。やっぱり、「カメラを止めるな!」よりは「バケモノの子」のほうが作り込まれてるけど。

その他も、チコが謎めいてる。母親の生まれ変わり?だと思うけど、ずっと居るならもっと話のキーにならないといけなくない?一郎丸が、きゅうたの手元見るシーンあった?ないと、栞に気づくのおかしいよね?楓が一郎丸に説得するシーン、え、ここに来て、言葉で倒そうとするの?とか言いたいことはたくさんあるけど、上記項目以外は小言感が強いのでおわり。トキカケ大好きで、何回観ても泣ける名作いい映画なのに、落ちてきてショックです。真っ向から批判するつもりもそんなにないんだけど、自分メモとしてでも、自由に語れる場なので、書き起こしておきます。

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