ヒカマニ外伝は令和の古典派MAD
1.はじめに
Hikakin_Maniaとは元来、YouTuberのHIKAKIN氏の切り抜きを投稿していたYouTubeのチャンネル名である。しかし一般的にHikakin_Maniaと呼ばれるものは、そのチャンネルの動画から派生した、HIKAKINを面白おかしくネタにしたり、彼の動画を下品に改変するコンテンツの総称を指す。今回取り上げるHikakin_Maniaは主に後者のことを指すということをここに明記しておく。
2.ヒカマニ外伝の概要
Hikakin_Maniaにおける「ヒカマニ外伝」とは、動画投稿者Hikakin_Mania氏の投稿動画を模した3次創作動画である。Hikakin_Mania氏の投稿動画及びヒカマニ外伝は、Yotuber•Hikakin氏の動画のセリフを組み替えて下ネタを言わせたり、本来の内容とは別の内容を言わせるというのがメインである。映像を組み替えるだけなのでパソコンの他、KineMasterなどを用いてスマートフォンでも簡単にヒカマニ外伝動画を作ることができる。
3.初期のMAD動画
ここでヒカマニ外伝を含め初期のMAD動画(MADムービー)について確認する。
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Wikipedia「MADムービー」の「流通と社会の対応」より引用
MADムービーの前身は、1978年ごろから大阪芸大のサークル「CAS」で制作されていたMADテープ(初期はキチガイテープとも呼ばれていた)である。これらは音声MADをカセットテープに収録し、関西大学漫画研究会連合のサークル間で話題になった。
(中略)
やがてビデオテープを用いたMADビデオが作られるようになる。初期の頃は特撮やロボットアニメのセリフを強引に改変する、曲を差し替えるなどといった作品が主流であった。
引用おわり
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このように初期のMADムービーは映像を組み替えたり音声を差し替えるなどのシンプルなものだった。仕組みがシンプルであるからこそ、支離滅裂なセリフや同じシーンが何回もループするといった単純な仕掛けが人の心を掴んだ。とはいえ、当時はテープを継ぎ接ぎするといったアナログ的編集方法しかなく、非常に手間が掛かり、デジタルで編集するより遥かに難易度が高かった。
4.古典派MADよ永遠なれ
先程確認した初期のMADムービーの様な作風のMAD、すなわち「古典派MAD」は、今でもインターネット上で人気を集めている。例を挙げると「忙しい人のための〇〇シリーズ」や、フラッシュ黄金時代に人気を集めた「ドラえもんの絵描き歌」、そしてHikakin_Mania・ヒカマニ外伝などが該当する。現在ではパソコン・スマートフォンが普及してアナログ時代より遥かに優れた編集環境があり、人力ボーカロイドといった高度な音MADやCGを用いたMADが誕生しているが、やはりMADの「面白さ」には技術は関係なく、「ユーモア」なのである。今も昔も変わらぬユーモアを持つ古典派MADは未来においても誕生し続け、そのアイデンティティを引き継いでいくであろう。最後に私のお気に入りのヒカマニ外伝動画と初期のMADムービーを紹介して締めくくろうと思う。
5.参考文献
https://ja.wikipedia.org/wiki/MAD%E3%83%A0%E3%83%BC%E3%83%93%E3%83%BC (Wikipedia「MADムービー」/2023.6.19閲覧)
https://dic.nicovideo.jp/a/mad (ニコニコ大百科「MAD」/2023.6.19閲覧)
ご閲覧ありがとうございました。