【エッセイ】現場百遍
「現場百遍」とは……
いや、本日の話はミステリの話ではありません。
Clubhouseの中にはすごく実績に高い方がいらっしゃいます。
その中で、とある有名ゲームプロデューサーさんや、
とある大手出版社の編集者さんとお話をうかがう機会がありました。
どちらの方もマーケティングの基本やヒット作品をつくる基本として、
現場に行くことを推奨していました。
ゲームならゲーム売り場の棚を眺めたり、
ゲームセンターの筐体を見たり、
本なら本屋の棚を眺めたりして、
どんな作品が売れ筋なのかということを観察したり、
お客さんがどんなものを手に取るのかを観察したり、
この棚にどんな作品が陳列されたら面白いかを考えたりするそうです。
最近では、Amazonなどネット販売も主要となってきていますが、
確かに「時代を知る肌感覚」って大事だなと思うわけです。
具体的なタイトルは出しませんが、
ラノベでも一般文芸から入ってきた作家さんがラノベを書いたり、
昔は有名なタイトルを手がけた方が久しぶりに新作をつくったら、
なんかいろいろとズレていない?と思うことがよくあります。
一言で言えば「古い」わけですが、
それがどう「古い」のかは一言では説明できないのです。
アイデアもそうだし、価値観もそうだし、ノリもそうだし、
ここを直せばよくなる、といった一朝一夕で、
どうにかできるレベルではないのです。
たまにお仕事で他の方がライティングしたものを、
修正する機会がありますが、
その中には明らかに古いものがあります。
読んでいるだけで、とても辛くなってきます……。
若いライターさんやライター志望さんの未熟な文章はよいのです。
それは勉強と執筆をくり返せば、自然と上達しますから。
でも、「感覚」の違いだけは、どうにもならないし、
教えることもできません。
自分のシナリオももしかしたら若い人からしたら、
古く見えるかもしれませんので、
ブーメランになっているかもしれませんが……。
新海誠監督も庵野監督もインタビューの中で、
「今はこういう時代だから」と答えます。
先日最終回を迎えたリコリス・リコイルも、
当初の企画から今の時代に合わせた作風に変更した、
ということを以前述べました。
ヒット作品をつくり続ける人というのは、
今の時代を感覚的に捉えて、今の人々が何を求めているのか、
といったことを肌感覚で理解しているんですよね。
その今の時代の肌感覚を知るひとつの手段として、
ゲームならゲーム売り場に、本なら書店に、
実際の現場に足繁く通うということが大事なのかな、と。
もちろんヒット作品のアニメや映画を見ることも大事だと思います。
営業でも現場でお客様の話を聞く中で、
お客様のニーズがわかる、ということもあるそうですしね。
それは机の前でうんうんうなっていてもわからないものなのでしょう。
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