感覚特性への対応はこれを試してみて!
前々回から、自閉スペクトラム症のお子さんに特有の感覚特性について記事にしています。私たちでは何気ない感覚でも、強く感じてしまったり、全く気付かなかったりと、本人はもちろんのこと、周囲の大人も困っていることが多いんですね。
『感覚特性とは何?』『そもそも感覚特性の大枠を知りたい!』という方は↓の記事を参考にしてみてくださいね!
前回は『感覚過敏』については前回の記事で解説しました。過敏とは神経だけの問題ではなかったですね!
低反応のふりかえり
低反応は、環境からの受け身的な刺激に対して気づきにくいという特性でしたね。具体的には↓のような反応を想像してみると良いのかもしれません。
名前を呼んでも気づかないことが多い。
回転する遊びをしていても、目を回すことがない。
壁や扉の体をよくぶつける。
こんな様子を見ていると、”一瞬、天然キャラなのかな?”と思ってしまうような行動が多いなぁー。本人はいたって真面目なんですけどね!
低反応への対応
繰り返し感覚を入力する
回転や揺れるような遊びに目を回さないお子さんでも、繰り返し回るような刺激を入れることで、目を回すようになったり、平気で高いところに上っていたお子さんが、高いところを怖がるようになります。
お子さんの状態に合わせて、刺激の強さや回数を調整しながら、繰り返し感覚を入れることで低反応に変化が出てくるようです。
!!!注意!!!
一見、低反応と思われるお子さんでも、実は感覚過敏により動けなくなっていたり、過敏を表情として出せないお子さんがいます。そんなお子さんに繰り返し感覚を入れることはタブーなので、繊細な評価はやはり必要ですね。
刺激へ注意を向ける力を養う
自閉スペクトラム症のお子さんには、注意のコントロールの難しさがあります。(シングルフォーカス)特に視覚的な刺激には反応しやすく、見ているものに注意が移ってしまうと、聴覚的な刺激には気づかないことがあります。
人の声への低反応があるときには、声に対して注意が向くような力を養うと良いですね。
『名前を呼ばれて、大人に近づくと楽しい遊びができる』や『上手にご挨拶ができると、おやつがもらえる』など、人との楽しい関わりで聴覚的な低反応が改善できそうですね。
まとめ
感覚情報についての練習は、感覚だけではなく、やはりその感覚の背景にある認知機能の理解も必要ですね。自閉スペクトラム症のお子さん特有の注意機能について知っておく必要があります。
そして、上でも書いたように、一見すると低登録のお子さんでも、実は感覚過敏でした!ということもあります。ブラシで手足を擦ろうもんなら・・・。ぞっとしますね!感覚プロファイルやお子さんの様子観察などしっかりとした評価が必要ですね。
さてさて、次回は最後『感覚探求』です。乞うご期待。