障がい受容なんてできない...?(中編)
障がいを持つお子さんの子育て
重症心身障がいとは、重度の知的障がいと重度の身体障がいを併せ持つ状態のことを一般的に指します。その重症心身障がいのお子さんを育てることは、文字に書き起こせるほど簡単ではなく、想像をはるかに超えることでしょう。
しかし、これは重症心身障がいに限った話ではなく、障がい児を持った保護者の方々は皆さん、苦しみながら現実と向き合い、多かれ少なかれ経験することだと思います。
ストレングスモデル(強み)
そんな一般的に苦しいと思われる子育ての中でも、お母さん方は自身のストレングス(強み)を十分に活かし、子育てをしています。
しかし、そのストレングス(強み)には、様々なものが影響し、子育てを満足なものにも、不安にさせるものにもなります。
内的要因
外的要因
認識された母親のストレングス
苦労した分強くなれるし、一生懸命育てたという自信もできると思う。
自分が変わっていくこと、他人が見れば当たり前な子どもの変化をひとつずつ感じていく喜びが強さに変わった。
幸せのボーダーラインが低く、ささやかなことでもすごく幸せを感じるところが自分は強いと思う。
まとめ
障がいの告知を受けてから、保護者は様々な心理的な状態に置かれます。
前回までに解説してきたように、段階的モデルや、慢性的悲哀説、螺旋モデルなどがその代表的な保護者の心理的な状態でしょう。
今回は重症心身障がいの子どもを持つ母親の心理過程の論文を基にしていますが、他の発達障がいにおいても同様なことが言えるでしょう。
身体的や知的に、子どもの障がいの状況がどんなに苦しい状況にあっても、その時に母親が持っている子育てに対する強みを十分に活かしていくこと、強みを広げていくことが大切です。
具体的には、上で挙げたような、母親が持っているポジティブな側面を十分に引き出し、ネガティブな側面を小さくしていけるように支援していきます。
また、外的要因を十分に活用し、母親を孤立させないことが望まれます。そのためには、母親を囲うフォーマル(専門職など)な関りだけでなく、インフォーマル(母親の会など)な関わりも必要であり、多職種で家族ごと支えることが大切です。
参考・引用論文
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