手洗い、うがいのためにごっこ遊びを極めよう!
この記事は、子どもの身辺動作の自立を目指している、保護者向けに書いています。前回のまとめをより細かくして、今回は『手洗い・うがい』について書いています。
前回の記事では、小学校生活で必要な『身辺動作の自立』について、書いてました。小学校入学で準備するものは、ランドセルやノート、体操服(ゼッケン)といったモノの準備だけでなく、ココロやカラダの準備も必要なのが分かりましたね。
・家に帰ってきたら、すぐ手を洗いなさい!
・手にはバイキンだらけでしょー!
・指先だけじゃない!しっかり指の間までよ!
・うがいしたまま、飲まないのぉー!
・ほら、まだ汚れてるじゃない!
新型コロナウイルスが流行している昨今、親としても少々敏感になる部分もあるかと思います。
さて、今回は前回の記事を深掘りしていこうと思います。
手洗い・うがい
手についた汚れや、口の中の汚れ、食べかすなどを落とすだけでなく、手や口についた病原菌から、体を守るために必要な動作になります。
手についている見える汚れなら、目で見て確認でき手洗いができますが、手や口の中の菌やウイルスは目に見えません。見えないものをイメージして、『手洗い、うがいしなきゃ!』と私たちが行動に移せるようになるには、成長が必要なんですね。それには『ごっこ(見立て)遊び』が大きく関わっているんです。
上の表で0〜2歳は『感覚運動期』であり、足や指しゃぶり、ガラガラを振る、オモチャをテーブルから落とすなどの『循環反応』を繰り返しながら、自分と自分以外、自分と物を区別するようになります。
また、色々な循環反応を繰り返す事で、目には見えないけど、そこには何かがあるという、『永続性』を気づいてきます。お母さんがご飯の準備をするために、子どもの目の前からいなくなっても、存在が消えた訳ではなく、今ここにいないだけと気づけるようになります。
そして、様々なイメージする力がついてくると、『象徴(シンボル)機能』が身につきます。実物のネコじゃなく、ぬいぐるみや写真のネコを見ても、同じネコだと分かるようになります。
このようにしながら、子どもは社会を理解し、成長していきます。そして、2歳まで身につけた『循環反応』『永続性』『象徴(シンボル)機能』を使って、次の『前操作期』に入り、ごっこ(見立て)遊びを盛んにするようになります。
子どもはお母さんとごっこ遊びを通して、更にイメージする力を身につけ、目の前に車がなくても、イメージの中から車を呼び起こし、車の絵を描けるようになったりします。
具体的に、手洗いやうがいができるには、まずうんちやおしっこの理解から始まります。
0歳〜1歳(感覚運動期:循環反応)
この頃はおしっこやうんちが出ても、体に何かがついていて、汚れている感覚はないでしょう。体のどこかが感覚的に気持ち悪くて、お母さんに泣いて訴える事が中心です。お母さんがオムツをかえたり、お尻を拭いてあげたりしながら、『あースッキリ』『気持ちいいね』と声かけをします。
1〜1歳半(感覚運動期:循環反応、永続性)
だんだん自分と自分以外が分かってくる時期になります。うんちが出た後は、何かよく分からない物がお尻に着いてるっていうのが分かってきます。
1歳半〜2歳(感覚運動期:永続性、象徴機能)
この頃になると、子どもなりに覚えている事が増えてくるため、うんちが出そうな感覚があるときには、それに気づく事ができます。それまでのお母さんとのやりとりの中で、うんちやおしっこが汚いものだと、少しずつ理解していますので、オムツをかえて欲しいと伝えることが出来るようになります。
このように2歳までに、お母さんやお父さんとやりとりをしながら、汚い物がついていることや、きれいにするという事を学んでいきます。
2歳~(前操作期)
2歳くらいから、『前操作期』に入っていますので、イメージする力がどんどん身についており、頻繁にごっこ(見立て)遊びをするようになります。目には見えないけれども、手にはバイ菌がいて、汚いものなんだ!と少しづつ理解できるようになってきます。この頃に初めて手洗いの習慣が身につくようになります。トイレトレーニングも定着しやすい時期に入ってくるでしょう。
まとめ
手をきれいに洗う、ということができるようになるには、習慣だけではなく、まずはその土台となる心の発達が必要になるんですね。
そのためにはワンパターンなごっこ遊びではなく、バリエーションに富むごっこ遊びが、いかにできるようになるか、深いイメージができるかが鍵となります。
昨今の感染対策のために、ごっこ(見立て)遊びを極めてみませんか?
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