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【英文訳】発達性協調運動症

 前回、記事にした通り、発達性協調運動症に関する検査は、日本ではまだ確立されていないのが現状です。

 簡易的なものでは、診察時に問診で、『不器用スコア』をつけたり、『微細神経学的兆候(SNS)』で粗大運動・巧緻運動を確認したりします。

 もちろん、これだけで診断・評価はできませんので、しっかりと除外項目の確認も必要です。

 今回は、海外で使用されている、発達性協調運動症の検査について、筆者なりに和訳し記事にしてみました。

発達性協調運動症 質問紙票(2007)DCDQ07

【質問内容】
1.離れている相手に、ボールを正確に上手に投げます。

2. 1.8~2.4 メートルの距離から投げられた小さなボールを落とさずにキャッチします。(例: テニスボールサイズ) 

3. 相手から投げられたボールを、バットやラケットで正確に打ちます。

4. 庭や公園にある障害物を、簡単に跳び越えます。

5. 同年代の子供たちと同じような走り方で速く走ります。

6. 運動をする時、思った通りに自分の体を動かし、効果的にタスクを完了することができます。

7. 授業や活動で、他の子どもたちと同じくらいの速さで、文字を書いたり、絵を描いたりします。

8. 書いてある文字や数字、単語は、読みやすく正確です。また、書字をしていない時には、相手が分かる絵を描いたり、絵に色を塗ったりします。

9. 書字や絵を描くときに、適切な努力または緊張を保つことが出来ます (筆圧が強くなり、文字が濃すぎるや薄すぎるといったことがない)。

10. ハサミを使って絵や形を正確に切り取ることができます。

11. 難しい身体能力を必要とするスポーツや、アクティブなゲームに興味があって参加するのが好きです。

12. 新しく始める運動(水泳、ローラーブレードなど) のやり方を覚えたり、同じ水準の技術を身につけるのに、他の子どもと同じくらいの練習量でできるようになる。

13. 片付け、靴の履き方、靴の結び方、着替えを素早くやれます。

14. あなたの子供は決して「陶磁器店の雄牛」とは見なされません (つまり、小さな部屋で壊れやすいものを壊すほど不器用に見える)。

15. 長時間座っている場合でも、簡単に疲れたり、前かがみになったり、椅子から「落ちたり」することはありません。

THE DEVELOPMENTAL COORDINATION DISORDER QUESTIONNAIRE 2007

 Google翻訳と格闘しながら、訳してみました。
 できるだけ原文の内容を損なわないように訳したところ、やはり日本語としてはおかしい文に...。(陶磁器店の雄牛???)

 上の質問内容に対して、下の基準に従って回答して、合計点数を出してみて下さい。質問内容数が15項目あるので、合計が最低15点から最高75点になります。

【評価項目】
 1点 全然当てはまらない
 2点 少し当てはまる
 3点 当てはまる
 4点 しばしば当てはまる
 5点 かなり当てはまる

THE DEVELOPMENTAL COORDINATION DISORDER QUESTIONNAIRE 2007

  日常的に困難さが低いお子さんの場合には合計点数が高く、困難なことが多いお子さんには低く出るはずでしょう。

 そして、発達性協調運動症の可能性については、下の判定基準のようになります。各年齢幅で、基準が変わりますのでご注意ください。

【判定:5歳0ヶ月~7歳11ヶ月】
 兆候あり 15~46点 / 恐らく異なる 47~75点

【判定:8歳0ヶ月~9歳11ヶ月】
 兆候あり 15~55点 / 恐らく異なる 56~75点

【判定:10歳0ヶ月~15歳0ヶ月】
 兆候あり 15~57点 / 恐らく異なる 58~75点

THE DEVELOPMENTAL COORDINATION DISORDER QUESTIONNAIRE 2007

気を付けて使ってください。

 この質問紙票は、基本的に子どものことをよく知っている保護者に記入してもらいます。記入時間は15~20分程度で終わります。

 全15項目ですが、大きくカテゴリー化すると、以下のような内容に分かれます。どの項目の点数が低いのか目星をつけて、さらに細かい評価につなげることもできるでしょう。

『運動中の身体コントロール(項目1~6)』
『巧緻運動/書字動作(項目7~10)』
『全般的な協調性(項目11~15)』

THE DEVELOPMENTAL COORDINATION DISORDER QUESTIONNAIRE 2007

 このDCDQは英語文献を直接翻訳したものになります。
ですので、このデータに含まれるのは英語圏でのお子さんの調査になります。

 日本とは生活も言語も文化も違ってきます。
合計点数からの判定について、日本のお子さんにそのまま使うことはできません。DCDでは、この類の質問内容があることを考慮していただけると良いかと思います。

 もちろん、DCDQ-Jといった日本でデータを取って標準化した質問紙票もあります。詳しくはそちらを確認してみてください。

言語障害のある子どもに対する協調運動面の指導に関する実践的研究

引用・参考文献

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