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感覚過敏を徹底解説!!!原因6つ知っていますよね?

 前回から感覚の特性について記事にしています。
 感覚過敏、感覚回避、低登録、感覚探求の4つが感覚特性として挙げていましたね。読んでいない方は、是非↓も読んでみてください。

 さて、前回は総論のような感じで記事にしたので、今回はちょっと掘り下げて書いてみたいと思います。

おさらい

 感覚過敏は4つの感覚特性のうちの1つでしたね。外側からの刺激に対して受身的で、感覚を私たちよりも過敏に感じてしまうことが定義としてあります。具体的には・・・

  • 掃除機の音に反応して、手で両耳をふさいだり、泣き出してしまったりする。

  • お友達から触られることを極端に嫌がる。

  • エレベーターなど揺れる感覚が異常に怖い。

  • 蛍光灯などの光を異常にまぶしく感じる。

  • においに敏感で好き嫌いが激しい。

 私たちからすると何でもないような刺激ですが、お子さんからすると耐え難い、苦痛なんでしょうね。このような反応があるお子さんは、一度発達小児科を受診してみてはいかがでしょうか?

感覚過敏の原因を掘り下げてみた

 感覚過敏に関する研究は、現在も続いており、原因についてはまだ定まっていません。現在のところまで有力な説として、下の6つがあります。また、その6つのどれか1つが原因ではなく、それぞれが絡み合っていることもあるそうです。

1.神経系の問題

 私たちは触られたり、突っつかれたりすると、その刺激に気づいて『あれ?なんだろ?』と反応をします。しかし、どんなに物や音で刺激をされても、糸で触られたり、小さすぎる音の刺激には気が付きません。一定以上の刺激がなければ気づかないのです。

 感覚特性を持っているお子さんは、この一定以上の刺激があまりにも低すぎるのです。

 極軽い刺激に対して気づき『あれ?なんだろ?』と気づいてしますのです。そんなわけですから、私たちにとって何ともない普通の刺激になると”痛み”になるんですね。

 風に吹かれただけで痛みを感じる方や、自分の心臓の鼓動が聞こえる方もいらっしゃるんですねー。

2.気持ちが不安定

 人気のない夜道を一人で歩いて帰っているところに、急な物音がするとびっくりします。きっと同じ物音でも昼間や、人通りが多い道ではそんなにびっくりすることもないでしょう。
 感覚刺激が与えられる時の気持ちがどんな状態かによって、感覚過敏は強くも弱くもなります。

 あんまりよく知らない人や場所、器具に対応する時などは要注意ですね。

3.感覚に対する解釈が苦手

 私たちは歯医者に行き、待合室で順番を待っていると、”キィー”とか”バキッ”といった物々しい音がしますが、『あー歯を抜いたのかな?それとも削ったのかな?』など、思いをめぐらせることができます。

 しかし、発達に特性のあるお子さんは、現在起きていることから、思いをめぐらせること、イメージすることが苦手です。そうすると、意味の分からない音は恐怖でしかないため、ちょっとした音でも過敏になってしまいます。

 また、口に器具を装着される際も、私たちならば治療の一環だと分かりますが、お子さんたちには拷問のように感じるでしょうね。
 そうすると、不安が増してくるので、より感覚が過敏になってしまいます。

 ここまでみても、やはり安心した環境や状態といったことが、感覚特性を持っている方には大事なんでしょうねー。

4.不快な刺激に集中しすぎる

 ゲームに熱中していると、トイレに行きたいのを忘れていたという方もいるんじゃないでしょうか?『トイレに行かないと漏れちゃうよー』という内側からの刺激に注意が向かず、ゲームの刺激に集中してしまうとこうなるんですねー。

 感覚特性を持っているお子さんは、注意にも苦手さがあるお子さんが多いと言われます。『1.神経系の問題』が軽くても、その問題に過剰に集中してしまうため、刺激が大きく感じるんでしょうね。

 昔、お母さんにやってもらった『いたい、いたいの飛んでけー』は、痛みが飛んでいく事をイメージさせ、不快な刺激に過剰集中させない効果があったのかなぁー。

5.感覚の選択が苦手

 今、この記事を書いているときにも、周りのガタガタといった騒音や、キーボードの文字の配列、コーヒーの匂い、カカトの痛みなど色々な感覚を感じています。しかし、締め切りまでに完成させるため、必要な感覚に注意を向け記事を作っています。

 私たちは沢山ある感覚から、必要な感覚を選びながら日常的に行為を行っています。

 しかし、感覚特性のあるお子さんは、『4.不快な刺激に集中しすぎる』のように注意に苦手さがあるため、上手に選択や切り替えをすることができません。そのため脳が混乱し、感覚の過敏さを引き起こしてしまうことがあります。

6.表現に仕方に問題がある

 冷蔵庫の角に、足の小指をぶつけて痛いときには、その表現として痛い顔をします。そんな人を見ていて、あー痛そ!と思いますよね。

 この痛みの表現なんですが、自閉スペクトラム症のお子さんは、内側に起こる気持ちと表現が一致しないことがあります。

 そんなに大したことのない刺激でもオーバーに表現してしまったり、反対にかなり痛いはずなのにケロッとしていたり・・・。

 感覚の感じ方というよりも、表現を見ていて、私たちが感覚過敏なのかな?と判断することに誤差が起きてしまいそうですね。

まとめ

 感覚過敏について6つに分けて、現在分かっている原因を解説してきました。
 『感覚過敏』という文字をみて、感覚が敏感なのはすぐわかりますが、その背景には注意の問題や解釈の問題、発達の特性の問題、コミュニケーションの問題など様々な問題が隠れています。

 良かれと思ってやったことが、実は感覚過敏を強めてしまっていた!なんてこともあるので、やはりしっかりとした評価は大切ですね。

参考図書

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