いっぱい情報はあるけど、何を信じて良いか分からない!
Googleで『発達性協調運動症(DCD)』と検索すると、色々な関連した記事が出てきます。
必要な療育とは?
DCDとは?ただ不器用なだけではない?
DCDのカウンセリングと心理支援
もちろん、それぞれのホームページ管理者は、経験や科学的根拠に基づいて、記事を書いていらっしゃるでしょう。
ここでは、下の論文を参考に、これからDCDのお子さんに対して支援を始めていく方に向けた書いた記事になります。
とはいえ、個人の経験に基づいて書くと偏った意見になりますので、一定の科学的根拠に基づいたものとなっています。
科学的な正しさとは?
主には論文を参考に記事を書いていますが、その論文にも質的な違いがあります。
論文の質が最も良く、科学的根拠の高いものを『1a』として、8段階に分かれています。専門家の意見ってこんなに低い・・・。
また推奨グレードというものがあります。
これはDCDのお子さんにどれくらいおススメできるかといった基準になります。最もお勧めできるAからDの5段階となっています。
今回、紹介するDCDのお子さんの検査や練習に関して、これらの基準と照らし合わせながら見てください。
DCDのスクリーニングに有用なのはどれ?
これまで何度か記事にしてきた、DCDQやLittleDCDQは『A2』と、一般的にはA1レベルといった、かなりおすすめな評価ですが、日本版が出来ていないのが難点。
学校版感覚・運動アセスメントシート(運動面の評価)は日本でも活用されており、推奨グレードB(信頼性・妥当性が一部あるもの)となっています。
DCDの問題点を把握するために必要な検査は何?
実際にDCDのお子さんに対応した際、日常や学校生活の苦手さが、どのような動きの苦手さから生じているのか確認する必要があります。
Movement Assessment battery for Children(M-ABC)やBruninks-Oseretsky test of motor Proficiency(BOT-2)が推奨グレードA2ですが、残念ながら日本版がありません。
日本で十分に行える検査としては、Southern California Sensory Integration Test(SC-SIT)やJPAN感覚処理・行為機能検査(JPAN)、日本版ミラー幼児発達スクリーニング検査(JMAP)があり、推奨グレードA1(信頼性・妥当性があるもの)となっています。
DCDを改善するための支援方法は何?
DCDのお子さんの練習の考え方としては大きく2つあります。
それぞれメリット・デメリットがありますので確認した上で、お子さんに合った方法をとることが必要です。
障がい志向型の介入
DCDの障がい自体の改善を目指したものです。
感覚統合療法や筋力トレーニング、ゲームを使ったトレーニング、運動イメージをさせるアプローチがありますが、いずれも推奨グレードB(行うように勧められる)となっています。課題志向型の介入
課題遂行に焦点を当てて、運動を改善するものです。
課題志向型アプローチや日常作業遂行に対する認知オリエンテーション(Cognitive Orientation to daily Occupational Performance:CO-OP)があり、推奨グレードA(行うように強く勧められる)となっています。
まとめ
今回はいかに効果的に、効率的に支援を介入するための、検査や練習について論文をもとに記事にしました。
検査や練習方法ももちろん大切ですが、それ以前にお子さんや保護者との関係性も重要となります。
お子さんが検査で十分に能力を発揮できるように、お子さんの発達特性について理解したり、保護者から十分に話を引き出せる力が必要です。
十分な情報のもと、お子さんの生活支援ができると良いですね。