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インスタだtwitterだというけれど。

よくいく(といって年に1, 2回)カイロプラクティックがあります。
前職の時に、会社帰りに徒歩で寄れる範囲で探してたどり着きました。
虎ノ門の猛開発地帯から少し離れた西新橋にひっそりたたずむ雑居ビルの2Fにあります。
(ちなみに、ビルのトイレは和式です)

先生1人なのでベッドが2つ。
着替えはカーテンの仕切りの向こう。そして、入り口の待機用のソファに座っていると、施術中のお客さんの話を一緒に聞いてしまえるような空間です。

先生も男性なので、インテリアが小粋という訳でもない・・・
しかし、繁盛しています。

10年以上続けられていることと、徐々に単価を上げられているのが証拠です。
確かに、ウデはいいのです。

しかし新橋という場所柄、競合店はたくさんあるはずで、その中で生き残っていくのは大変だろうと思うわけです。

先生は何をしているのか?

以前、このお店の紹介動画が作られたことがあります。
肩こりに縁のなさそうな若いロングヘア女子が、御成門駅からの道案内をしていました。

なんとも凡庸な内容だなあと思って観ていて、後で先生本人に聞いたところ、情報サイトに記事を載せる時に動画もサービスで作ってくれるのだとか。

本気なら手伝うつもりで、
「まじめに動画作って、Youtubeで集客してはどうですか」と言ってみました。

しかし、答えはノー。

「それやったら何屋さんだかわかんなくなっちゃうでしょ」

というのがその理由です。

おそらく先生は自分の軸でそのまま発言したのでしょうが、かなり真理を突いているなぁと思いました。

集客にSNSは必要か?


先生の答えを聞いて、考えてしまった私。
治療院系のビジネスをしている人は我が社にたくさんきます。
それは、SNS系の配信ノウハウを身につけて集客したいからです。

簡単にとは教える側のうたい文句であって、実際のSNS集客ってけっこう手間ひまがかかります。最初から効果的な配信なんてできないですよね。
Youtubeになったら、サムネイルも考えると数分の動画出すための編集が何時間も必要です。

それで集客できるのは、常に新規のお客です。
新規をずっと集め続けるのはエネルギーが要ります。

対して、先生のやっているのは以下の2つ。
アナログマーケティング 
・リピート戦略

今誰が読むのっていうようなタウン誌に載せてみたり、お店から半径300mの新橋界隈にチラシを投函したり。完全に地域限定だから、そんなに宣伝費はかかってないだろうと思います。

そして、一度お店に来た人には誕生日と年始に必ずハガキを送る。

私が年に2回くらいは必ず行くことになるのも、ハガキが来るからです。
整体とか美容院とか、自分の体を委ねるところはあまりコロコロ変えず、
できれば一箇所に通いたくないですか?みんなそうではないかと思います。
そこに、わざわざハガキがくれば(しかも、年始の区切りとか誕生日とか体を整えたいタイミングで)
そういえば、久しぶりにいこうかな・・・となります。

しかも、ハガキを持っていくと¥1,000引き。
これも効いています。

新規のお客さんを取り込む大変さはマーケティングの会社にいてよくわかっているので、レッドオーシャンで無理をせず、一度来たお客さんにどうやってまた利用してもらうかに時間を使うというのはいい方法だなあと思うのです。

先生が変に動画制作とかに凝り出さず、いつも変わらないというのも、変わるスピードを競っているような現代では逆に差別化ができているといえるのかもしれません。
単価は上がっても着替えはユニクロのトレーナー上下というのも、それはそれで我が家感が出て落ち着くものです。

今年もお正月に先生の似顔絵入りのハガキを眺めながら、10数年の知り合いの先生のマーケティング戦略についてつらつらと考えたお正月でした。


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