甍の波と
甍(いらか)の波と 雲の波
重なる波の 中空(なかぞら)を
橘(たちばな)かおる 朝風に
高く泳ぐや 鯉のぼり
作詞:不詳/作曲:弘田龍太郎
五月の空に相応しい曲を一つ。
こいのぼりの歌は「屋根より高い」で始まるほうが一般的かも知れないが、
私はこちらを推す。
文語調とでもいうか、格調高く歌い上げる様が清々しい。
「橘かおる」
この文だけで爽やかな木の香の中で、
澄み渡る青空を仰ぎ見る心地がする。
「甍」とは瓦屋根のことだと思っていたが調べてみると諸説ある。
だが、「甍の波」はやはり瓦屋根が続く光景を思い浮かべたい。
屋根よりも高く鯉が泳ぐ風景は、いつまでも五月の象徴だろう。
二番以降を下記に載せておく。
青空がとても似合う一曲だと思う。
開ける広き 其の口に
舟をも呑(の)まん 様見えて
ゆたかに振(ふる)う 尾鰭(おひれ)には
物に動ぜぬ姿あり
百瀬(ももせ)の滝を 登りなば
忽(たちま)ち竜に なりぬべき
わが身に似よや 男子(おのこご)と
空に躍るや 鯉のぼり
。
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