4月の自殺者数・暫定値は前年同月比▲13.8%と6カ月連続で前年同月比減少。4月の完全失業率は2.5%程度に低下を予測。4月有効求人倍率は3月と同水準を予測。―日本の主要経済指標予測(2024 年5月20日)―
4月有効求人倍率は1.28倍程度と3月から横ばいか。(5月31日発表)
4月30日に発表された3月の有効求人倍率は前月から0.02ポイント上昇の1.28倍で、16カ月ぶりの上昇となりました。有効求人数は前月比▲0.9%の減少、有効求職者数は同▲1.9%の減少でした。正社員の有効求人倍率(季節調整値)は1.03倍で2月を0.02ポイント上回りました。
有効求人倍率などの指標は、厚生労働省からハローワークにおける求人・求職・就職の状況をとりまとめたものが毎月公表されています。有効求人倍率の 1.00 倍は有効求人数と有効求職者数が同じであることを意味し、1 を上回ると有効求人数が相対的に多いことを示唆します。
3月の新規求人(原数値)は前年同月比▲7.4%の減少となりました。新規求人数(原数値)を産業別に見ると、原材料費の高騰で雇用を控える動きがある製造業で前年同月比▲10.8%、生活関連サービス業・娯楽業で同▲10.5%、教育・学習支援業で同▲10.5%など、減少が目立ちます。
4月の有効求人倍率は 1.28倍程度と横這いを予測します。
景気ウォッチャー調査の雇用関連の現状水準判断DI(季節調整値:50 が判断の分岐点)は23年7月に54.4と最近の極大値をつけた後、8月52.5、9月51.8、10月51.3、11月49.5と低下傾向で推移しました。その後、12月51.7、24年1月51.1、2月52.3、3月52.3と幾分持ち直した後、4月は50.8に低下しました。一方、やや先行性があるとみられる新規求人倍率は3月2.38倍で、前月に比べて0.12ポイント上昇しました。様々な関連データを総合的に考慮して予測しました。
4月完全失業率は 2.5%程度と3月の2.6%から若干低下か。(5 月31日発表)
4月30日に発表された3月の完全失業率(通常マスコミで報じられるものは小数点第 1 位までの季節調整値)は 2.6%で2月の2.6%と同水準になりました。3月は就業者数が6,726万人と前年同月比+0.4%で20カ月連続の増加になりました。完全失業者数は185万人。前年同月に比べ8万人の減少、2カ月ぶりの減少になりました。求職理由別に前年同月と比べると、「勤め先や事業の都合による離職」が3万人の減少。「自発的な離職(自己都合)」が1万人の減少。「新たに求職」が1万人の増加となりました。
ちなみに、3月の完全失業率は小数点第2位までだと2.61%です。2月2.60%から0.01ポイントと僅かに上昇しました。3月の男性の失業率は2.65%で2月と同じでした。一方、2月の女性の失業率は2.57%で2月の2.55%から0.02ポイント上昇しました。
4月の完全失業率(季節調整値)は 2.5%程度と 3月の 2.6%から若干低下すると予測します。季節調整値の完全失業率を小数点第 2 位(景気動向指数・遅行系列に採用)まででみると、23 年 1 月 2.46%、2 月2.59%、3 月 2.74%、4 月 2.59%、5 月 2.56%、6 月 2.51%、7月 2.63%、8月 2.63%、9月 2.55%、10月 2.54%、11月 2.54%、12月 2.47%、24年1月 2.44%、2月 2.60%、3月 2.61%と推移しています。
原数値の完全失業率を季節調整値にするための除数である 24 年4月の推計季節指数は1.054で 3月の1.022より大きいため、季節調整値の完全失業率が3月の 2.6%からさらに大きく上昇する可能性は小さいとみました。
自殺の原因には経済・生活問題も多く、78 年から 23年までの 46 年暦年の完全失業率と自殺者数(警察庁)の相関係数は 0.91 と完全一致の 1 に近い強い正の相関があります。自殺者数の前年同月比は 23 年 7 月▲0.5%、8 月+2.4%、9 月▲2.6%、10月+5.4%と減少と増加を繰り返した後、11月▲9.4%、12月▲0.6%、24年1月▲11.0%、2月▲9.9%、3月▲11.0%、4月暫定値▲13.8%と6カ月連続して減少しています。3月から4月にかけて減少率は拡大しました。
4月新設住宅着工戸数の前年同月比は、微妙だが11カ月連続減少か。(5月31日発表)
4 月30日に発表された3月の新設住宅着工戸数は、前年同月比▲12.8%の6万4,265戸で、10カ月連続で減少しました。物価高や資材価格高騰による物件価格の上昇で、購入意欲の低迷が続いています。季節調整済み年率換算76.0万戸で前月比▲4.4%で3カ月連続の減少でした。
持ち家は前年同月比▲4.8%で28カ月連続の減少、貸家は前年同月比▲13.4%と2カ月ぶりの減少になりました。分譲住宅は前年同月比▲16.8%と3カ月連続の減少になりました。分譲住宅のうちマンションも▲21.1%と3カ月連続の減少になりました。
4月の新設住宅着工戸数の前年同月比は▲0.8%程度で、23年の12カ月中で季節調整値が最も低い月に当たることもあり、微妙ですが11カ月連続の減少になると予測しました。4月の新設住宅着工戸数・年率換算・季節調整値は77.4万戸程度、前月比は+1.8%程度の増加になるとみました。
景気ウォッチャー調査の住宅関連の現状水準判断DI(季節調整値)は、23 年 1 月 41.3、2 月40.6、3 月 42.2、4月 42.4、5 月 42.7 、6月 42.7 、7月 42.8、8月 41.6、9月 43.9、10月39.5、11月39.0、12月41.1、24年1月45.1、2 月45.1、3 月46.3、4 月42.8と 推移していることなどを参考に予測しました。
※なお、本投稿は情報提供を目的としており、金融取引などを提案するものではありません。