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大谷翔平選手、悲願のワールドシリーズ進出。東西の大都市を本拠地とする人気球団が43年ぶりに対戦。1961年以降63年間の平均を上回る、ヤンキースとドジャースのリーグ優勝年の実質GDP成長率・平均。―景気の予告信号灯としての身近なデータ(2024年10月22日)―

ドジャースがナショナルリーグ優勝。大谷翔平選手、ワールドシリーズ進出に貢献。

 大谷翔平選手は10月20日(日本時間21日)のメッツとのリーグ優勝決定シリーズ第6戦で2安打1打点と活躍し、ドジャースは10対5で勝利しました。これでドジャースは4勝2敗となり、4年ぶりにナショナルリーグを制し、ワールドシリーズ進出を決めました。
 
 ワールドシリーズを目指してエンゼルスからのドジャース入りした大谷翔平選手が、移籍1年目で悲願を達成しました。大谷選手のパドレスとの地区シリーズの成績は5試合で、20打数4安打、打率2割、1本塁打、4打点、0盗塁でした。メッツとのリーグ優勝決定シリーズの成績は6試合、22打数8安打、打率3割6分4厘、2本塁打、6打点、0盗塁と活躍しました。
 
 ワールドシリーズでの、西海岸の大都市を本拠地にするドジャースの対戦相手は、アメリカ最大の都市ニューヨークに本拠地に置くヤンキースで、東西の大都市を本拠地とする人気球団同士が1981年以来43年ぶりに対戦することになります。この年は4勝2敗でドジャースがワールドチャンピオンになりました。

 
ドジャースが本拠地をロサンゼルスに移して以降、ワールドシリーズでヤンキースと4回対戦、2回ずつワールドチャンピオンを分けあう。
 
 1903年のワールドシリーズ開始以来ドジャースは今回で22回目の進出になります。(リーグ優勝は25回目。1890年、1899年、1900年にも優勝)ワールドチャンピオンには7回なっています。ドジャースは1988年に6回目のワールドチャンピオンになってから2017年まで29年ワールドシリーズから遠ざかりました。
 
 2017年はダルビッシュ有投手と前田健太投手がドジャースに在籍、2018年は前田投手が在籍し、両年ともワールドシリーズに進出しましたが、いずれも敗退しました。コロナ禍で短縮シーズンとなった2020年に32年ぶり7回目のワールドチャンピオンに輝きました。ドジャースの出場回数はともにナショナルリーグ最多で、メジャーリーグ第2位です。
 
 一方、アメリカンリーグを制したヤンキースは今回で41回目の進出で、過去27回ワールドチャンピオンになっています。出場回数と優勝回数はともにメジャーリーグ最多です。ドジャースがニューヨークのブルックリンを本拠地としていた時代も含めてこれまでワールドシリーズで11回対戦し、ヤンキースが8回、ドジャースが3回ワールドチャンピオンになっています。
 
 ドジャースが初めてワールドチャンピオンになったのはブルックリン時代の1955年で、このときの相手はヤンキースでした。ただ、ドジャースが本拠地をロサンゼルスに移した1958年以降はワールドシリーズで4回対戦し、ヤンキースが1977年と1978年の2回、ドジャースが1963年と1981年の2回優勝と、ワールドチャンピオンを分けあっています。
 

大都市を本拠地にする人気チームのヤンキースとドジャースのリーグ優勝年の実質GDP成長率・平均は、1961年以降63年間の平均を上回る。

 メジャーリーグは20世紀初期から長い間16球団でした。エクスパンションによって1961年にエンゼルス、レンジャーズの2球団が、1962年のアストロズ、メッツの2球団が創設され1962年には20球団になりました。現在の30球団になったのは1998年です。1961年以降のメジャーリーグの、アメリカンリーグとナショナルリーグのそれぞれの優勝チームごとに、実質GDP成長率の平均を計算しました。1961年から2023年までの63年間(ストライキで中止の1994年を含む)の実質GDP成長率・平均は+3.04%です。ヤンキースはリーグ優勝回数15回で実質GDP成長率・平均は+3.69%です。ドジャースはリーグ優勝回数11回で実質GDP成長率・平均は+3.37%です。大都市を本拠地にする人気チームの両チームは、どちらも63年間の平均を上回るという結果になりました。

NY連銀の実質GDP前期比年率推計値等で延長すると24年実質GDP前年比は+2.8%に。ドジャース、ヤンキースがワールドシリーズに進出したことと整合的か。

 米国の実質GDP を事前に判断するときに役に立つ地区連銀のデータがあります。そのひとつは、アトランタ連銀が算出・公表しているGDPナウです。米国の実質GDP成長率のリアルタイムの推定値と言えるものです。GDP成長率を計算する時点までの公表された関連の経済データを反映して推定値が算出され、データ発表日に合わせて公表されています。 
 
 類似データとしてNY連銀が毎週金曜日に公開している推計値として、NY連銀スタッフ・ナウキャストもあります。10月18日現在では、これから公表される24年7~9月期の実質GDPアトランタ連銀の推計値が+3.4%、NY連銀の推計値が+3.00%と、どちらもしっかりした+3%台の前期比年率になっています。NY連銀の推計値では10~12月期の推計値が+2.61%となっています。GDPでみるかぎり、米国経済は底堅さが感じられます。
 
 24年の米国実質GDPの前期比年率は、1~3月期が+1.4%と低い伸び率で24暦年の実質GDPの伸び率の鈍化要因になりました。しかし、4~6月期になると+3.0%としっかりした伸び率になりました。7~9月期をアトランタ連銀とNY連銀の推計値の平均、10~12月期をNY連銀の推計値の前期比年率+3.20%と+2.61%で延長すると、24年の米国実質GDPは前年比+2.82%と+3%に近いしっかりした成長率になります。24年1月調査ESPフォーキャスト調査では24年米国実質GDPの前年比平均見通しは+1.43%と低い数字だったこととは様変わりです。ワールドシリーズに進出するのが、ヤンキース、ドジャースというリーグ優勝した年の成長率・平均が高いチームであることと整合的だと思われます。

※なお、本投稿は情報提供を目的としており、金融取引などを提案するものではありません。