見出し画像

「たぶん、日本一小さいギャラリー。」

タイトルの通り、ドールハウスサイズのギャラリーを作りました。
経緯は少し長くなりますが、以下をお読みいただけましたら幸いです。

ギャラリー運営に携わる

2010年からおよそ12年間、あるギャラリーで企画運営に携わりました。
最初の2〜3年くらいは、受付に座ってお客様とお話ししたりお茶をお出しするアルバイトスタッフとして。
その後色々とオーナーから任せていただけるようになり、いろんな作家さんの個展やグループ展のサポートをしておりました。
見かけによらず業務が忙しく、予定された展覧会を開催することで精一杯でした。

自分なりの企画スタイル

しかし、6年目を迎えた頃、これまでのスタイルに少しずつ違和感を感じました。
果たして、観に来てくださっているお客様に満足いただいているだろうか、この展覧会は作家にとって有意義な機会となっているだろうか、この状況に私はスタッフとして満足しているだろうか・・・。
作家としても活動を続けながらこの仕事をしていたので、作家の思いと経営側の思いが平行線になることも経験してます。
出来るだけ多くの作家と話し合い、お客様の声を聞き、そして自分に問う。

「自分がギャラリーに求めるポイントは何か」
「ギャラリーが作家に求めるポイントは何か」
「お客様が何を楽しみにここへ足を運んでくださっているのか」
しっかりと考える。

己を信じて計画実行

明確になってきた目的は、いざ行動に移すのはなかなか勇気が必要です。
何かちょっと違うことを始めると、人は批判や不安を並べるから。
ただ、私自身「うまくいくだろうか」という心配は全くありませんでした。
成功させるのが私の仕事だから。
工夫次第で必ず前進する。
知識も経験も少ないので、自分が感じることに素直だったのかもしれません。
きっかけ作りはとても楽しい仕事でした。

確実な変化

共感してくれる作家と、どうお客様に向き合い、1つの展覧会を作り上げていくのか、その部分をしっかりと考えようと、話を繰り返してきました。
おかげさまでお客様からの反応もガラッと変わり、皆さんが楽しみにして展覧会にお越しいただいていることを、肌で感じることができました。

掴んだもの

やっとわかってきた!やりたいことに近づけた!
もっと理解を深めていこう、良くしていこう!
と思っていた矢先、新型コロナウィルスによって色々な弊害が起きました。
経営形態の調整もあり私は退くことにしましたが、最後まで信じて一緒に作り上げてきてくださった作家には本当に感謝していますし、毎回訪れるのを楽しみにしていてくださっていたお客様とも時間を惜しみ、本当に貴重な経験と勉強、大切な時間を過ごさせていただきました。
コロナ禍があったからこそ、芸術は人間にとって最も必要な心の栄養素だということも認識しました。

ギャラリー運営から離れて…

エールフランスに乗って、関空からアラスカ方面に向かう。
富士山がよく見えました。

夫と2人で旅に出ることにしました。
2023年8月31日にフランスへ渡りました。
トゥールーズ、パリ、サンマロへ移り、その後イギリス南部のイーストボーンへ。
土地を感じ、空を見上げ、人と出会い、11月に控えていた日本での個展に向けた制作にも励み、今までとは全く違う時間軸の中で自分と向き合いました。

トゥールーズのサン=セルナン大寺院
パリの南東にあるメゾン=アルフォール周辺
サン=マロ 旧市街から沖へ
イーストボーン ピア(桟橋)

パリでの生活

個展を終え再び12月にパリへ戻り、借りたアトリエで制作に打ち込みます。
年あけ2024年1月にアトリエでオープンスタジオ(作品展示をして訪ねてきてくれた方と交流)を行い色々な学びもありました。

オープンスタジオ後のアトリエ
小学生の生徒がお守りを作ってくれた「くま次郎とリス美」
の背景にオリンピックのために急ピッチで修理中のノートルダム
この日はマイナス4度で雪も降り、めちゃくちゃ寒かった。

アトリエを退去したあとは再びイギリスへ渡り、ロンドン南部に滞在しました。

ロンドン市内の公園には野生のリスがたくさん!

次なる計画

静かに制作に打ち込む時間は私を癒し、活力を与えてくれた….
というような上手い話にはならず、実は少し苦しんでいました。
外国の街並みは散歩するだけで癒され、いろんな刺激を受け、幸せな時間を過ごしていたことには変わりはないのですが、活力が出ないのです。
自分にやれることを探し、今まで出会った方と一緒にまたチャレンジしていこうと思っていたのに。
新たな計画を立て、あとは動かすのみ、というところまでできたのに前に進めない。

パリのロダン美術館

一時帰国

燃え尽き症候群だったのでしょうか。
ちょっと戸惑いが隠せず、ヨーロッパの不動産・物価上昇と円安も相まって、予定より早いけど帰国しました。
後回しにしていた実家の片付けや、ヨーロッパ滞在中に描いた作品の販売の仕方などを模索しておりました。

発起

帰国して3ヶ月経った今月。
いつものようにSNSをみていたら、知人が1ヶ月単位で借りることができる、商店街内のシェアボックススペースで販売を始めたという記事を読みました。
旅中は持ち運べる小さい作品を中心に制作していたので、もしかしてこのシェアボックスで販売できる…?
H850×W390×D300mm
ここにはまり込むドールハウスの作り、小さいなアートギャラリーを開くことはできるだろうか。
しかも私以外の方ともコラボして、小さなアート作品を販売することはできるだろうか。
いきなりやる気が出てきた。
今まで萎んでいたあのやる気が、突然火を吹いたように動き出した。

ということで、まずは無理のない範囲で3ヶ月程度挑戦してみようかなと発起。
そのタイトルは「たぶん、日本一小さいギャラリー」。
調べてみた結果、以前百葉箱サイズのギャラリーがあったようですが、今は継続されていないようなので、今回私が作成したドールハウスサイズH510×W350×D250mmのギャラリーが日本一小さいはず。
世界一かどうかはわからないので、控えめに…。
これ以上小さいギャラリーをご存知の方は是非教えてください。
「たぶん、日本で2番目に小さいギャラリー」と改名します。

7月上旬にひらめき、中旬に申請し、今現在準備に奔走中。
制作過程の記事はまたいつかあらためて書きます。
作っていて楽しかった。
たまに改装し古民家風にしたり、妄想は広がります。

ギャラリーは2階建て
ウッドチップに截金を施し、マグネットやピンブローチ、豆本を販売
パリの街を描いた水彩画20点を販売
植物の向こう側に螺旋階段

「小さくてもしっかり本格的なものを」をモットーに、制作に励みます。
8月2日(金)スタート予定!
また告知いたします^^

截金の豆色紙 全種類違うので早い者勝ち!

いいなと思ったら応援しよう!