ヒゲダンライブ-Editorial- アンコールでの伏線回収がすごい
約2年ぶり
3回目のヒゲダンワンマンツアーに行ってきた。
痺れた。
コロナ禍で奪われていた
生で音楽を体感することの素晴らしさを改めて感じ
音楽は不要不急ではないと大きい声で言いたい。
8月に発売されたアルバム
「Editorial」を引っ提げてのツアーだったのだが
言うまでもなく良曲ぞろいの名作であるため
ライブへの期待も高まっていた。
ライブでの全曲レビューもしたいところだが
ここではライブ演出、なかでも
アンコールでの伏線回収について書こうと思う。
※以下ライブでのネタバレを含みます。
ライブの話の前に
ヒゲダンの1番のヒット曲「Pretender」について
少し話したい。
Pretenderの歌詞で
今まであまり使ったことないワードで
かつ耳によく残るワードの1つに
「世界線」という言葉がある。
パラレルワードのような意味で使われており
複数同時進行しているなかの
違う世界で出会えたら
今とは違った関係だったかもしれないのに
という意味が込められていると解釈する。
なんとも切なさが伝わる歌詞である。
今回のライブのセットリストを予想していたとき
「Pretender」をどこで歌うのかを考えていた。
アルバム「Editorial」の曲は
全部歌うだろうと考えていたが
このアルバムには
「Laughter」「アポトーシス」
といった珠玉のバラードや
「パラボラ」「Bedroom Talk」「みどりの雨避け」
といったゆったりしたミドル曲
メッセージ性の強い
「Lost In My Room」
などがあり
アルバム曲だけでも緩急がすごいため
「Pretender」はセットリストに組みにくいのではと
勝手に予想していた。
「Pretender」以外でも
ヒゲダンにはヒット曲が数多くあるため、
歌わない、もしくは、
アンコールの2曲目?(1曲目は盛り上げ曲でいきそう)
という予想を立てていた。
ライブは映像から始まり
主人公視点の映像で
目を覚まして1人暮らしの部屋を見て回るシーンから
始まる。
部屋を徘徊する中で
ある棚の上に
「Pretender」のCDのジャケットにもなっている
052519と書かれた真空管の置物が写り
「Pretenderのやつだ!!!!」と気づき
映像の細かい部分まで凝っているなぁ
という感想を抱いた。
床に落ちていた楽譜を拾い
主人公はピアノを弾き始め
それが「Universe」のイントロになり
映像が終わりヒゲダンが映像の裏から登場。
最高の幕開けである。
そこからも最高の演出が続き
本編だけでも盛りだくさんなセットリストだった。
演奏が終了し出演者がはけたあと
再び映像が始まり
エンドロールが流れた。
そのあとアンコールの拍手が鳴り、
しばらく経ったとき、
エンドロールから映像が高速で巻き戻り、
ライブのパフォーマンスの映像が巻き戻り、
そしてオープニング映像も巻き戻り、
最初の映像が再び始まった。
「また同じ映像だ。どうなるんだろう。」
部屋を徘徊し、同じように楽譜を拾い
「さっきはこのあとピアノのとこに楽譜置いてたな」
と思ったそのとき、
ピアノの方には向かわず、
違う方向にあった棚に向かい、
052519の置物のところに映像がフォーカスし
「「Pretenderのやつだ!!!」」
と思ったそのときに
「Pretender」のイントロが流れた。
やられた。
ここで「Pretender」をもってくるとは。
ここからは私の解釈だが、
楽譜をピアノに置く世界線では本編
052519の置物がある棚に置く世界線ではアンコール
というように
「Pretender」のキーワードの1つである
「世界線」を表現した演出なのではないかと考えた。
「Pretender」という曲が演出でも表現され
改めて名曲ぶりを感じることができた。
(初めて聴くアレンジの演奏で大変よかった。)
そのあとはライブ定番曲「異端なスター」
最後に「I LOVE…」と続き
ライブは終了した。
欲を言えば
あと5回映像を巻き戻し
あと5つの世界線のライブを楽しみたかった。
曲はもちろん素晴らしいが
ライブ演出がこんなにもすごいとは。
(今回は書ききれなかったが
ライブ内での演出も本当に素晴らしかった。)
最後の方でVo.藤原さんが言っていた
「どうか生きてください。必ずまた会いましょう。」
という言葉や
「I LOVE…」のアウトロでの
感情がのったような「I LOVE〜」というフェイクに
胸が打たれた。
また生き続けて必ずライブに行こう。
音楽は生きる糧だ。
Official髭男dismのみなさん
いつもありがとうございます。
これからもずっと大好きです。