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秋山立花の働き方 誰一人として同じ場所で働いていない建築設計事務所の作り方

 6月13日は秋山立花の設立日。

 12年目を迎えることができました。

 必ずしも順風満帆の経営というわけではなく、苦しい場面が多い日々ではありましたが、なんとか干支一周。次の12年後も生き残っていけるように、がんばっていきたいと思います。

 建築家、というとなんだか裕福そうなイメージを思い浮かべる方もいらっしゃると思いますが、実際に金銭的な成功をおさめている建築設計事務所は一握り中の一握りのさらにひとつまみ、ぐらいのものです。

 ビジネスモデルとしても建築設計事務所というのは非常に脆弱で、もしもビジネスコンテストなどに設計事務所と同じようなビジネスモデルをもっていったら、箸にも棒にもひっかからず、書類審査であっさりと落とされることでしょう。

 なかなか建築設計事務所経営とは厳しいものなのです。このあたりはまた別の時に書いてみたいと思います。

 今回はせっかく今年も設立記念日を迎えることができましたので、秋山立花の働き方をご紹介したいと思います。

事務所があるのに誰も同じ場所で働いていない

 秋山立花の事務所は横浜と京都にあります。

 スタッフは私を含めて4人。

 そのほかに、事務作業や模型制作をになってくれるパートスタッフが1名に、母子シェアハウスのポータルサイト『マザーポート』の運営をしてくれる契約スタッフが1名います。

 私を含め、子育て中のスタッフも多く、7年ほど前から柔軟な働き方ができるよう、体制を整えてきました。

 その結果、誰も同じ場所で働いていない。というような日が当たり前のようになっています。実際にスタッフ全員がそろったのは、いままでに1度だけ。10周年のお祝いをした時だけでした。

 日常的なみんなの居場所を書き出すと、

 私 家で仕事、もしくは外出
 スタッフK 鳥取の自宅で仕事
 スタッフI 京都の事務所で仕事
 スタッフF 横浜の事務所で仕事
 パートスタッフF 役所廻りで終日外出
 契約スタッフS 副業のため事務所には来ず

 といった感じで、おおよそこれが状態化しています。

 よくよく考えると、鳥取にいるスタッフにはここ5年で2回しかリアルで会ってないです。

基本リモートワーク

 なんでこんな働き方にしているのか。

 それはどちらかといえば、否応なく、そうせざるをえなかったからです。

 遡ること7年前。うちの事務所で一番経験が長く、頼りにしているスタッフKの旦那さんの北海道転勤が決まったことがきっかけでした。

 おおよそ、2、3年に一度転勤があるという職業をされているスタッフKの旦那さん。お子さんも産まれて、やはり家族で一緒に暮らすことを優先させることは、当然のことだと思います。

 しかし、うちの事務所としては経験のあるスタッフがパートナーの転勤でいなくなってしまうというのは大打撃。事務所の運営だけを考えれば避けたいところです。

 そんな背景があったので、もう、いっそのこと、どこに旦那さんが転勤しても秋山立花の仕事ができるように、完全リモートワークにしてしまおう。ということで、一気に体制を変えたのでした。

 現場の監理や、模型の作成など、自宅にいるとできないこともありますが、図面を書くということだけであれば、パソコン1台あればどこででもできます。なので、スタッフKにはとにかく図面を書くという仕事に専念してもらい、役所との協議や現場監理は私や他のスタッフが担う、という分業も柔軟にできるように仕事の割り振りも変えました。

 多くの建築設計事務所は法律などのチェックのための役所との協議、図面の作成、現場監理と建物が完成するまでの過程を同一のスタッフが担います。小さな事務所ではその傾向はより強いでしょう。

 そうした業界の常識みたいなものを考えずに、とにかく、どこにいっても仕事を辞めることなく、秋山立花で働き続けることができる環境をどうすれば作れるか。だけを考えました。

 その結果、スタッフKは北海道に3年いたのち、今度は鳥取に転勤となり、鳥取で秋山立花として働いています。

使っているツール 

 もちろん、遠方で仕事をするのでどうやってデータの共有とコミュニケーションをとっていくか、というのは課題になります。

 様々なアプリやツールが世の中にあり、いくつか試してみたのですが、いまのところ秋山立花はか下のような構成にしています。

 データ共有 Dropbox
 コミュニケーション LINE
 打ち合わせ zoom

以上。

 仕事の効率化はもっと進めていきたいので、もっと良い方法があればいいなと思っているのですが、結局、日常的に使っているツールをそのまま使う。ということが一番スムーズで、いまのところこの組み合わせで落ち着いています。

 現場監理をもっとシステマティックにしたいなと思っていますが、いまのところこれだというツールには巡り逢えておらず。お勧めがあればぜひ知りたい。

 労務管理にかんしては、あまりしてないというか、それぞれにまかせきりというか。

 朝、仕事を始める時に各自LINEで今日やる仕事を大雑把に宣言するのみで、あとは何もしていないです。

 子育て中のスタッフが多いので、必然的に17時には仕事を終えてお迎えなどにいかなくてはならないので、そういう意味では残業もないということはわかっています。期日までに決められた仕事が終われば良いので、ペース配分などは各人に任せるのが一番いいなと思っています。

 分業もある程度スムーズにできるので、仕事が多くなってきたら、他のスタッフに手伝ってもらったりなども、その時々の状況でおこなっています。

コロナでも働き方は動じず

 このような労働環境なので、今回のコロナでも動じることなく、リモートワークで乗り切っています。

 もちろん、一部の作業ができなかったり、小学校の休校、保育園の登園自粛があり、事務所全体の働く時間は大幅に減ってしまってはいますが、事務所にいけないから業務が止まる。ということはなかったです。

 コロナで慌ててリモートワークを進めるということもなく、じゃあ、明日からみんな家で仕事しよっか。という感じで4月からの自粛期間を過ごしていました。

最後に

 ということで、秋山立花の働き方をご紹介しました。

 いかがでしたでしょうか?

 子育てしながらでも、家族が転勤になっても、働きやすい建築設計事務所秋山立花。

 興味をもっていただけたら、ぜひ、ホームページを覗いてみてください。


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秋山怜史
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