見出し画像

僕が母子ハウスを始めた理由 〜母子ハウスの今までとこれから〜 vol.11

 2012年3月。
 収益物件としては、全国で初めてとなるシングルマザーシェアハウス「ぺアレンティングホーム高津」がオープンした。
 なぜ、建築家である僕が、母子シェアハウスを立ち上げるに至ったのか。その背景を何回かに分けて書いていこうと思う。
 母子ハウスの今までと、これからを少しでも多くの人に知ってもらいたい。まだまだ、成長していかなくてはいけない事業だし、多くの人の助けと応援が必要である。
 2015年、母子ハウスのポータルサイト「マザーポート」を立ち上げ。  2019年、母子ハウスの運営者が集う全国組織「NPO法人全国ひとり親居住支援機構」立ち上げ。  
 そして、これから僕らは何を目指していくのか。  
 11回目の記事になります。  
 これまでの記事はこちらより。


NPO法人全国ひとり親居住支援機構の立ち上げ

 2019年7月24日。
 全国会議で集まった全国の母子ハウス運営者の賛同を得て、NPO法人全国ひとり親居住支援機構が立ち上がった。

 法人の目的は下記の3つにすることにした。

1、増やす活動

 母子ハウスを増やしていく活動。
 新しく母子ハウスを立ち上げたいという人たち、空き家を母子ハウスに活用したいという不動産オーナー。そんな志ある人たちの相談にのり、時には伴走して、母子ハウスの立ち上げを支援していく活動。

2、支える活動

 これがこの法人の設立した1番の理由。
 母子ハウスの運営者の横の繋がりをつくり、運営者が持続的に母子ハウスを運営しやすいようになるための支援。
 Facebookグループの運営。
 NPO内の勉強会の開催。
 運営者と入居者が無料で相談できる顧問弁護士制度。
 運営者と入居者が無料で相談できる顧問精神保険福祉士制度。
 集客支援としてポータルサイト「マザーポート」の運営。
 少しでも母子ハウスの運営が楽になるように、楽しく取り組めるように、母子ハウスに関わる人たちを支える活動。

3、伝える活動

 より多くの人たちに母子ハウスのことを知ってもらう活動。
 これは、マザーポートを通じて、住まいを必要としているお母さんに情報を届けるということが第一義。
 行政や政治家など、制度を作っていく人たちに、母子ハウスの現状と必要性を伝えること。そして、ひろく一般の方々にも活動を知ってもらい、母子ハウスを応援してもらうための活動。
 この活動の一環として、シングルマザーシェアハウスが対象外だった「住宅セーフティネット法」において、ロビー活動の結果、セーフティネット住宅の対象となるように法の運用が変わったことがある。
 この件に関しては、こちらの記事に書いてあります。


 僕たちは、この3つの活動を通じて、母子ハウスをより多様にしていき、母子家庭の住まいの選択肢が全国各地で広がっていくことを目指していきたいと考えている。
 母子ハウスが生まれてから10年。
 10年経ったけれど、まだまだ母子ハウスは必要とされているし、もっと幅の広い選択肢が必要だと思っている。
 それは、ひとりの力ではとても達成できないけれど、こうして全国組織が立ち上がったことによって、母子ハウスが広がっていく可能性は確実に大きくなった。
 一歩一歩のあゆみは遅いかもしれないけれど、これからも着実に歩んでいきたい。

いいなと思ったら応援しよう!

秋山怜史
読んでくださりありがとうございました。 いただいたサポートは全て『特定非営利活動法人全国ひとり親居住支援機構』の運営資金にまわり、母子家庭の居住支援を広めていくための活動に活用させていただきます。