#10.「アフターセレモニー」|ブライダル一筋30年!フォトグラファーの備忘録
今回タイトルの「アフターセレモニー」という言葉は、あまり馴染みがないかもしれません。中には会場のオリジナルもありますが、その内容の多くはフラワーシャワーやブーケトスに代表される挙式後のセレモニーを意味します。
挙式の厳粛な雰囲気とは打って変わって、日ごろのお二人とご友人との距離感なども垣間見えるシーンや表情を撮影できるチャンスです。
フラワーシャワーは、会場の作りにもよりますが、お二人が階段を降りながら、皆様から祝福のフラワーシャワーを受けるシーンを撮影します。
フラワーシャワーに限った事ではないですが、その場の臨場感を写真に残すという点で大事なのは、俯瞰した視点を持って・・・
・祝福するゲストの皆様を如何にバランス良く配置し
・かつ主役のお二人が階段を降りてくるベストの位置を想像し
・主役・周りのゲストの皆様の最高のバランスを狙う
そこに後は運みたいなものですが、みなさんの最高の笑顔とフラワーがいい感じで舞ってくれればもう完璧です。
勿論、毎回そんなに上手くいくものではないし、むしろ無難な撮影シーンになることの方が多いですが、大事なのはその「最高の狙い」をイメージするということです。
イメージ無しに、ただ上から階段を降りているだけの「コマ送り写真」にならないように高い意識を持って撮影に臨みます。
ブーケトスの多くは、ご新婦がご友人に背を向けて、後ろ向きにブーケを投げます。 撮影の一般的な狙いどころは、盛り上がるご友人の様子とそれに応えるご新婦。テンションが高めなご友人であれば「私がとる!!」と存在感を示してくれます。 気を付けないといけないのは、そんな存在感高めの人に気を取られ過ぎていると、ご新婦が突然トスしてしまい、その瞬間を撮れなかった!なんてことに…。
進行のスピードなど、常に周りも気にしながら、自分の立ち位置、「最高の狙い」をイメージする、3手先の撮影ルートくらいは、イメージしておいた方がいいかもしれません。
当然のことながら、写真が撮れなかったから『もう一回お願いします』なんてことはできません。
ブライダルフォトグラファーは、その止まらない進行の中で、いかにベストを発揮できるか、それに尽きると僕は思います。
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