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映画 ハーフ オブ イットを見て
映画 「The half of it」監督 アリス・ウー 2020年
を見た。
見終わってすぐ夫にこれおもしろかったからおすすめ、と言ってそのまま2回目を見始めた。
メインの登場人物は高校生の男女3人。甘酸っぱい青春ラブストーリー系かと思ったら、始まってすぐ、舞台となる街の色で、そうじゃない、と感じる。
クラスメイトの宿題を代筆して稼ぐ、秀才の中国移民のエリーはクラスメイトのアスターが好きでいつも遠くから見つめている。アスターはみんなの中心にいながら、溶け込めない落ち着きがある。ある日、エリーはアメフト部の補欠ポールからアスターへのラブレターの代筆を頼まれ、本心を隠したままふたりでアスター攻略に挑むことになってしまう。
小さな田舎の堅苦しい習慣、自分なんてなんでもないと諦めてしまう環境、目の前のことにまっすぐに向き合う素直さ、向き合えない素直さ。
なんといっても、3人が魅力的。まじめで不器用で父親思いのエリー、聡明で魅惑的ながら悩めるアスター、優しくてアホでやっぱり優しいポール、序盤からみんな好きになってしまう。
思わず笑ってしまう絶妙な間のやりとりと、言葉では表せない、言葉以上に物を言う表情に、画面に引き付けられる。
派手さのない、線路と鈍い曇り空が印象的な街で、物語も予想を大きく裏切る流れではないのだが、エリーの感情を抑えた低い声、アスターの葛藤を秘めた目の美しさ、ポールの情けない戸惑いの笑顔が、心を強く揺さぶる。
最後のシーンまで、笑顔とやさしさと勇気がいっぱいで素晴らしい映画だった。もやもや考えさせられる映画も嫌いじゃないけれど、ああーーーーーーーー、いいーーーーーーーー。。。というラストだった。邦題についてる「面白いのはこれから」がなるほどという感じ。(でもつけなくていいんじゃない?)
コロナ禍の、さらに隔離下で見たせいか、小さな世界に閉じ込められている物理的な共感もありつつ、母語で会話できない分厚いフィルター生活を振り返ったり、いろんな制約で宙ぶらりんのシェルターの中に住んでいるようなもどかしさを噛みしめたりして、世代を超えた激励を受け取ってしまった。
人に会えるようになったら、伝えることを大事にしないとな。会えなくても、人と繋がることを恐れずに、会えたら感謝していきたいな。そして今の自分の心に素直になって挑戦してかないとな、と心の内側の動力に訴えられる映画だった。
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