何故か記念的な日に縁がある「メルサル」
今回は感想というより、単なる振り返りとか雑談です。
昨年の記事にも書きましたが、ヴィジャイさんという俳優に出会った作品「メルサル(邦題:マジック)」。
まだまだインド映画初心者ですが、ヴィジャイさんの作品を縁あって「火花」「ビギル」「ジッラ」「マスター」「サルカール」「LEO」「後継者」と半年間で立て続けに見てきて、その中でも一番最初に見た「メルサル」が自分の中では一番なんですよね。
最初に出会った作品という思い入れ要素もあるのかもしれないけれど、映像・脚本・音楽・全体のバランスなど色んな要素で、とにかく自分にとても合う……。他の作品もそれぞれに魅力的なんですが、音楽での圧倒的な存在感は現状メルサルを超えるものがなくて。時点でマスター、ジッラ……あたりかな。
とてもバランスが良いと感じる点が、スター映画であると同時に、話の重要な部分を担う中盤の少女の話がしっかりと描かれている点、そして最後のその父親がまた登場することで、因果応報的な部分をうまく表している点など。あと全体的に纏まりがあるのに、序盤、中盤、終盤と変化していく演出。音楽も映像の映し方も含めて、とても馴染む。
日本の時代劇でスター俳優が出てくる時の過剰演出や音響に近いものを感じる。
初見が6月22日。えらい作品と出会ってしまったな、と思った。
しかもその日はヴィジャイさんの誕生日だと、映画館に行って初めて知った。
IMW2023パート1では、結局1回しか見られなかったメルサルだが、その後いろんな映画を見ながらも、またあの圧倒的な映画を浴びたいと願っていたところ、ドリパスで急に上映が決まった秋。ドリパスのリクエスト候補にすらなかった映画なのに、見たいという声が届いたのか、何なのか、メルサル、ビギル、サルカールの上映が、ドリパスで次々に決まった。
どれも1回ずつしか見られなかった作品だったから、再上映は嬉しかった。
最終的に、2023年中に7回見たことになる。これはヴィジャイさんの作品で一番見ていることになる。(10月あたりはほぼ毎週末1回ずつメルサルを見ていることになる)
そして2024年、本日1月6日。今年最初のヴィジャイさんの映画も、通算8回目の「メルサル」。
2024年最初のメルサルであると同時に、A.R.ラフマーン先生の誕生日。
メルサルの音楽は、どかんと自分にタミルの圧倒的存在感を見せて付けてくれたわけで。その音楽を生み出した人の誕生日に、出会いの映画が見られるというこの縁も有難い。
初心者だし、ご本人の公式アカウントにリプ飛ばす勇気もないので、ひっそりお祝いしておきます。
A.R.ラフマーン先生、お誕生日おめでとうございます。
メルサルを見てきたので、やはりここは作中でのキーアイテム「ローズミルク」でお祝いを。
(但し、うしろはローズミルクに擬態したただの苺みるくです。ローズミルク……というかローズシロップはそう簡単に日本では手に入らない)
メルサル見る度に「あぁ……ぷーちゃん。ぷーちゃんのお父さん……」って気持ちになるので、マーランもヴェトリもヴェトリマーランも好きだし、サティヤラージさんの刑事さんも好きだし、SJスーリヤさんのダニエルも好きなんだけど、いつも中盤の音楽が流れるところで次の場面が判っているから、「あぁ、ぷーちゃん」て気持ちになる。そしてお父さん……。あのシーン、展開が判っていても、ぷーちゃんのシーンとお母さんのシーンは、無意識に見ていて拳を握りしめてしまう。判っているからこそ、構えて見てしまう。
どのキャラも愛しいんだよ。あの映画。
あと去年のラスト、7回目あたりで気付いたんだけど、アイシュさんが外で産気づいた時、サリーで囲んで出産うながした女性たちの中で、彼女の横にずっといたにこにこ笑顔のおばさんばっかり目が言っていたけれど、そのおばさんが、戦いながらも妻の様子が気になる旦那に対して、無言で頷いてにこってするシーンで、その横のおばさんは頷きながらもちょっと仏頂面なのが笑ってしまった。なんだか「奥さんは私たちが面倒みるから、あんたはさっさと勝っちゃいなさいよ」てけしかけているような表情だった。