IDE「隠された顔」見ました(ネタバレ感想)
はじめに
インド大映画祭、最後の週末で、日曜最後の作品「隠された顔」を見ました。「ヴィクラムとヴェーダー」の応援上映の後なので、地味な印象ですが、王道のホラー映画。そして怖いけれど、身近なスマホがメインなので、突拍子もないネタや縁のないファンタジーよりも楽しめました。
そして自分にとっては、おそらく初めての「マラヤーラム映画」です。
おそらくネタバレになる感想
マラヤーラム映画の俳優、マンジュ・ワーリヤル(テジャスウィニ役)、サニー・ウェイン(アントニー役)、原題「Chathur Mukham」
テクノホラーって事らしいです。
妙な格安スマホが原因で、持ち主が次々と死んでいくという話。
死んでいくシーンは、確かに怖いものの、過剰なグロがなくてホッとしました。アメリカのB級ホラーだったらぐちゃぐちゃ血みどろシーンありそうですが、そこはインド映画なので、そういう規制も多そうだし、あくまでも精神的に追い詰められていくヒロインが見せ場。
スマホのせいでおかしなことが起こるけれど、スマホを手放そうとすると左腕にアレルギーのような発疹が出てくるというもの。
大学時代の友人で起業のパートナーのアントニーとは、恋人同士でなく友情といったところも個人的には良かった。ホラーに恋愛が絡むと面倒なので。
呪いのスマホということで祈祷師に頼んでみるも対応策はなく、エネルギー工学?の先生(字幕では「おじさん」になってましたが)を頼ってみるも当初は相手にもされず……。
しかし、先生は渋々スマホの内容をコピーして色々と解析してくれることに。
そしてスマホの中の隠しフォルダに、このスマホの制作者である男性の動画があったことで、スマホの謎を紐解いていく……。
結論からいうと、環境エネルギーを自然吸収(?)できるスマホを開発した作者は、とある企業に技術を売り込むものの、カメラ機能がいまいちという理由で、契約を解消(もしくは出資を打ち切られた?それとも技術だけよこせみたいな感じで追いつめられた?)されたか何かで、病んでいく。彼に残された猶予は21日。
自分の技術は誰にも渡さない、自分のスマホを理解しない人間には渡さないという怨念が、彼が死んだ後に残った4台のスマホにエネルギーとして(魂として)憑りつく……みたいな話。
字幕会話だけだといまいち仕組みがよく判らなかったんだけど、当初持ち主の生体エネルギーを吸うスマホなのかと思ったら、そういうことではなく、スマホの製作者(開発者)が21日後にこの研究開発ができなくなる……そのカウントダウンが、スマホの中の怨念によって21日から1日ずつ減っていく死へのカウントダウンになったらしい。
最終的に先生とアントニーとヒロインの3人で、科学の面からスマホをどうにかしようと画策する。
それにしても、この世に残されたその訳ありスマホ、この世に4台しか存在しないのに、もう1台が友人の彼氏の元にあるとか、世間が狭すぎる。
3台の持ち主はそれぞれ亡くなる。
ヒロインがもっているのが最後の一台。
ヒロインは死を覚悟して、実家へ行き、出来る限り普通に、そして仲の悪い兄とも会話をして思いで作りをする。
途中の謎が、毎日1カウントずつ減っていって、最後1のカウントが出た日に亡くなるというルールなんだけど、残り12日から、急に翌日が残り4日くらいに一気に進んでしまった理由が、いまいちわからなかった。
あと残された日が減っていく仕組みを解説していて、その逆をすれば日数がまた増えるという会話のところもよくわからなかった。
最後、問題のスマホを特製装置に入れて封印し、科学的に抑え込んだことでヒロインに日常が戻ってくる。
しかし分析のために、彼女のスマホからコピーしたデータが先生(おじさん)のパソコン内にまだあり、それが勝手に起動して……という感じでエンディング。
スマホの開発者は、自分のスマホ技術が他人に横取りされるのを恐れて呪いみたいになったけれど、それってスマホじゃない器(パソコン)に魂が入ったらどうなるんだって気がしますね。
ネットを通じて世界中に拡散するのか?
それにしても出口がなかなか見えない迷路に入ったヒロインに対し、彼氏じゃないのにアントニーも割と忍耐強く寄り添ってくれてましたね。
ここで変に、最後は恋人になりました……的なオチが無くて良かった。
むしろ困難を一緒に乗り越えた『ズッ友』であって欲しい。
題材と展開がありがちですが、自分は楽しめました。
見た後、格安スマホと漏電事故には気をつけようと思いましたね。