僕らの力で闇を晴らそう 宝塚宙組公演 『NEVER SAY GOODBYE』-ある愛の軌跡-を観て
先日、今年初の宝塚観劇に日比谷の東京宝塚劇場に行ってきました。
NEVER SAY GOODBYE (以下ネバセイ) の演目発表があったときは「ご贔屓様(92期生)の初舞台作品だからこれは観に行こう!!」と軽く思っていただけだったのですが、まさかこれが公演されているときに世界が大変な情勢になるなんて夢にも思っていませんでした。
この公演は大劇場公演がコロナの影響により初日から20日ほど中止になりましたが無事に東京の千秋楽を終え、現在は終了した公演ではありますが、久々に受けた衝撃をここに書き留めておきたいと思います。
(以下読む方によっては、一部表現が強かったりや作品のネタバレになっている可能性があります。読みたくない方は下記の公式ページから作品概要だけでも見ていただけたらうれしいです。)
友人に感想聞いても久々にしんどかったけど本当にすばらしい作品だったよ、と聞いていてこの貴重な1回を隅々まで見るべく、初日舞台映像を繰り返し見てから劇場に足を運びました。
少し前だったらこのような歴史を題材にしたものは、舞台の作品を通してこんなことがあったのか、もっと調べてみようかなと新たなこととの出会いとなることが多かったですが、ネバセイのお話にでてくることが、今この瞬間も世界のどこかで起きていると思ったとき、涙が止まりませんでした。
母国のために戦う人
義勇兵となり戦う人
愛する人に帰りを待っているからと戦場に送り出す人
銃を持って戦う子供
これを書いているだけでも涙が出てきます。この瞬間にも起きていることであって、残念ながら現実であることを。今起きていることはネバセイの舞台となっている国とも時代も違うけれど、100年前と同じことが起きている。信じられませんでした。100年経っていてもなにも変わっていない気がして。
作品の中にはもっとひどいことがたくさんでてきます。私が知らないだけで今も世界ではきっと色々なことが起こっているのかもしれないと思ったとき胸が苦しかったです。
そんな1幕終わった時点でとてもしんどくなってしまうほどでしたが、それを救ってくれたのは数々のミュージカルナンバーでした。
フランク・ワイルドホーンさんの数々の名曲を歌い上げる宙組生。
宙組のコーラス、とてつもなかった。
特に【俺たちはカラマーダ】【ONE HEART】は涙が出るほどすごかった。
俺たちはカラマーダ、曲調は明るい曲なのに歌っている内容がしんどいんですけどね。それがまたなんとも言えない気持ちになりました。
ONE HEARTはコロナ禍になってすぐのときに以前ネバセイで主演を務めた
和央ようかさんと当時のトップスターさんがコラボしていてたくさん聞いていましたが今になって聴くとまた違った気持ちになりました。
出演している宙組生は本当にすばらしくて、一団となってこの作品に、
この時代に向き合っているなと感じました。気迫がとてもすごかったです。
個々に触れると終わらなくなってしまうので少しだけ書くと・・
かのちゃん(潤花さん)がとってもすばらしかったです。雪組にいたときから彼女の演技には定評がありましたが歌がすごく上手になっていてびっくりしました。とてもよかった。
そして指揮の西野淳先生。この公演もすごかった。魂がこもっている西野先生の指揮するオケが大好きな私は雪組公演ワンス東京大千秋楽(2020年3月)ぶりに聞くことができてとても幸せでした。
2幕が終わり泣いているのもつかの間、すぐフィナーレが始まります。
ほんとすぐ、秒で始まります。悲しんでいる暇は与えてくれません。
個人的に小池先生(演出の小池修一郎先生)の作品で内容が重いときはフィナーレがすごい明るいイメージなのですが、今回はフィナーレもとんでもなかった。
ロケットのお衣装からも92期のロケットを彷彿とさせるし、男役がマント振り回すの本当にすごかった。ここだけでBlu-ray欲しくなったぐらい。
しんどかった世界から引き戻してくれるかのような華やかでエネルギッシュで明るいフィナーレ。
いろんな想いを書いてきましたがそんなフィナーレからすごく印象に残った
歌詞を書き留めて終わりにしたいと思います。
この時代にこの作品に出会えて本当によかった。本当にお疲れさまでした。
1日も早く、平和な世界が訪れますように、心から祈っています。