まるで不朽の名作・名優揃いの映画の脇役のよう
Official髭男dism ONE-MAN LIVE TOUR 2021-2022 -Editorial-にお越しくださった皆さま、9/9にNHKで放送されたSONGSをご視聴してくださった皆さま、本当にありがとうございます。
光の速さで過ぎていったこの約一ヶ月半は、僕が生きてきた人生の中で5本の指に入るほど幸せな日々でした。
こうやって言葉にしようかどうかとても悩みましたが、どうしても今の自分の素直な気持ちを伝えたかったので、筆が進むままに言葉にしてみようかと思います。
少々長くなりそうですが、読んで頂ければ幸いです。
僕はこのツアーの初日から一昨日の広島公演二日目まで(青森公演は残念ながら中止になってしまいましたが)の計9本のLIVEに、
サポートメンバー(Key・Ba・Ag・Eg)として参加させていただき、SONGSではサポートキーボードとして3曲出演させていただきました。
髭男ファンの方々ならお気づきだとは思いますが、
僕が担当したパートは普段宮田レフティの担当するパート。
レフティがどうしても出られない日を、僕がピンチヒッターとして出演させていただきました。
レフティ目的でお越しくださった方々には本当に申し訳なかったです。
髭男のサポートメンバーのみなさんは長いことやられていて、メンバー・スタッフを含め見ていると、その長い月日が築き上げた信頼関係がとても眩しいほど。
その中に入っていく気持ちは、さながら転校初日の転校生のような気分でした。
それでもその転校生を快く受け入れてくださり、それだけではなくたくさん気を遣ってくださいました。
正直こう思いました。
「髭男半端ねぇな…」
(笑)
いやでもホントにこうやって思ったんです。
正直に言うと、サポートする前はほんの数曲聴いたことある程度でした。
あまり憶測で人や物を判断するのは好きではないのですが、今となれば何となく無意識に自分の中で「髭男像」みたいなものを構築していた気がします。
でもそれを遥かに凌駕するほどの音楽性と人間性を目の当たりにした時に、このバンドの底知れないポテンシャルにゾッとしました。
だからこそ青森公演が無くなった時には本当に残念でした。
自分がピンチヒッターとして出演させていただく数少ないステージが無くなってしまったというのもあるし、何より青森公演を楽しみにしてくれていた方がたくさんいたと思うと、とても辛い気持ちになって。
だから何か自分にできることはないか。
ピンチヒッターで新参者だけど、だからこそやれることがあるんじゃないかと始めたのがツイキャスでした。
それで少しでも楽しめる人がいてくれたらいいなと。
現に青森に来てくださる予定だった方も観てくださっていたのは良かったです。
でもよくよく考えたらメンバーでもない自分がやって何になるんだろうと思ったりもして、若干の迷いもありましたが。
けど今はやって良かったと思っています。
そして今年6月に行われたぴあアリーナMMでの公演。
僕はこれから始まるツアーに向けて空気感を掴むべくリハーサルから観ていて、1日目は袖から、2日目は客席から観ていました。
もちろんパフォーマンスは素晴らしかったのですが、何よりファンの皆さんの反応に驚きました。
この状況下での開催とはいえ、思いっきり声を出して楽しみたいはずなのに、
しっかりルールに則って一切声も出さずに、それを補うかのような魂のこもった拍手に胸を打たれました。
それは今回のツアーでも全く同じで。
でもある意味それは「当然」のことだったのかもしれない。
「ファンはバンドを映す鏡」
普段の髭男メンバーや周りのスタッフを見ていた身からすると、納得するのにそんなに時間はかからなかったです。
だからファンの皆さまは今のその感性を信じて、
思う存分自分の人生に彼らが作り出す音楽を一生織り込んでいっていただきたいです。
誰に何と言われようと、彼らはきっと全てのマイナスを時には吹き飛ばしてくれたり、時には包んでくれたり、時には一緒に感じ寄り添ってくれるような楽曲を作り続けてくれると、勝手に僕は信じています。
ツアーが進んでいく中で、
「この曲はもうあと◯回しか演奏できないのか…」
と徐々に減っていく演奏可能回数がとても切なくて愛しくて。
でもそうやってサポートメンバーに心の底から思わせるバンドって本当に凄いなって。
だからまたどこかでお逢いできたら幸いです。
ファンの方々含め、みんなと出逢えたことが何よりの宝。
きっとこの先、この日々のことを思い出して涙を流すことも笑顔になることもできるから、それだけで前に進めます。
題名の通り。
こんな名優揃いの名作に、脇役として出演させてもらえたことを光栄に思います。
髭男のメンバー、関係者の皆さま、何よりファンの皆さま、本当にありがとうございました。
まだまだ続くツアー。
この先、青森のように中止になってしまう公演もあるかもしれないけれど、
最終的にいいツアーだったと振り返れるような、そんなツアーになることを祈っています。
皆さま体調には細心の注意をはらって、ご自身の身体を第一に考えて、思い思いに楽しんでいただけたらと思います。
では。
秋谷弘大