世界中みんなアミーゴと言ったスペイン人のおじさんたちと性加害の話

この記事は、決して誰かを傷つけたいとか、攻撃したいとか、誰かを擁護したい訳じゃなくて、他人事ではないなという気持ちと、自分自身への反省も込めて書いていこうと思います。

ここ最近、「性加害」というワードがテレビでもよく報道される。
誰にとってもセンシティブな話題だ。
ちなみに私は20代の女性であり、今までの人生の中で、性犯罪や性加害の被害は受けたことがない。
自分の身に降りかかってこない分、他人事のようで、無関心ではないけれど、あまり深くは考えていなかった。

そんな私が性加害について考えるきっかけになったのは、題名の通り「世界中みんなアミーゴと言ったスペイン人のおじさんたち」である。

先日、友人と沖縄に旅行に行った。閑散期だったこともあり、航空券やホテルも安く、旅自体は大満足の花丸だった。
1日目の夜、夜ご飯を食べたあと、一杯だけお酒を飲もうと、とあるバーに入った。記憶が正しければ、私たち以外にお客さんは1人だけだったと思う。
友人と1日目の思い出を写真と共に振り返りながら、明日はどこにいこうか、ここにいこうか、と心を踊らせていた。

そろそろ帰ろうか、と店を出ようとした時、男性2人が入店してきた。
小綺麗なスーツを着て、大きな時計をしていた50代後半か60代前半くらいのヨーロッパ系の男性ぽい。とても明るく、声も大きく。「陽気」という言葉がぴったりだなというのが第一印象だった。
するとおもむろに、1人の男性が「ここ空いてる?一緒に飲んでいい?」と声をかけてきた。私も友人も二つ返事だった。というのも私も友人もスパイシーな人(特に海外のカルチャーは大歓迎)には興味津々で、沖縄に着いてから私たち以外の人と喋っていなかったのもあり、「面白いことが起きそうな予感・・・」と内心感じていたのだと思う。

色々と話を聞いていると、2人(以下AとBにします)はスペイン出身で、20年くらい前に日本にやってきたそうだ。Aは関東在住で、沖縄に出張きており、一方Bは沖縄在住。2人は同僚ではなく、仕事(車関係)で繋がり、仲良くなったそうで、2人で不動産業も営んでいるらしい。在日歴が長いので日本語も難なくお話でき、コミュニケーションも十二分に取れる。

また2人には妻子がおり、スマホのホーム画面に設定されていた。

Aは言った。
「世界中みんなアミーゴ!友人も、恋人も、家族も、同僚も、先輩も後輩も、みーーーーんなアミーゴ!はい乾杯!」

そう言いながら私の太ももに手をやった。
おじさんのゴツゴツした手だった。

「世界中みんないい人、悪い人いないね!」

太ももに置いた手を私の手に移動させ、手を繋いできた。
それは恋人繋ぎだった。

「ハハハハハ!!あなた可愛いね!!」

そう言って私にハグを求めてきた。
スペインは挨拶にキスをする文化があるからと、頬を寄せてきた。

私は少しの違和感を感じていた。
距離近くね・・・?

しかしアルコールを飲んだとき特有の心地よさと、その場の楽しい雰囲気に飲まれ、自分の小さな違和感を飲み込んでいた。
何より、私が強く否定することで、その場の空気を壊すことになり、一緒に飲んでいる3人の気を悪くしてしまうのではないかと感じたからだ。

結局、その「お触り」は最後まで続き、2件目に行く流れになった。
2件目も案の定、「お触り」は続いた。

Aの仕事が早いからという理由で、この日は深夜1時すぎにお開きになった。
Aの宿泊するホテルへお見送りという形で、ロビーまで入った。
ロビーに高級そうなソファーが2つ。そこに4人で腰掛ける。

「もしかしたら、ホテル連れ込まれるやつ・・・?」
そう感じた私は、絶対にそれだけはダメだ、と
お酒を飲んでふらつく意識を必死に手繰り寄せ、

「明日も予定があるから!」と友人をひっぱり、ホテルのロビーを出た。

怒涛の時間が過ぎ、友人とコンビニへ駆け込み2リットルの水を購入。
自分たちのホテルまで、先ほどの時間を振り返りながら歩いて帰った。

続く

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