子どもが育つ日記 はじめに~出産
はじめに
ふたりめの子どもが生まれるにあたって、日記をつけていこうと思った。
ひとり目は、何がなんだかわからず非常に混乱したまま日々をすごしていったので、子どもについて何かを書くよゆうなどまったくなかった。
今回は、状況はいろいろ変わりつつも、少し冷静に見えているので、前回との比較も含めて、記録として残していこうと思う。
子育て日記、ではなく、子育つ日記。
子どもを育てるというより、子どもが育つようすを見守るというスタンスで、生活を送りたい。
子どもとは本来そういうものだと思うし、自分たちもそれくらいのつもりでないと、潰れてしまうという感覚もある。
わが家の家族構成は以下のとおり。
・私:40歳男。会社員
・妻:37歳女。子育てコミュニティビルダー。
・長男:6歳男。幼稚園かよい中。
妻の職業は上記のように母子手帳に書いてあった。いったいどんな仕事なのかは今後明かされる予定(私も知らない)。
2020年1月23日(木)
仕事中16時頃、妻より電話があり、陣痛っぽいものがきたとのこと。
予定日(1月26日)の3日前なので想定どおり。前回も3日前だったので、この辺だろうなと思っていた。…と周囲には言っていたが、ホントは毎日「来るかも」と思っていた。いつでも来る(抜けて数日休む)想定してないと仕事できん。
お互い病院に直行することにする。
電車の中ではさすがにいつものような気持ちで本を読むことはできず、かといってあれこれ考えないようにはしたいということで、マンガを読んでいた。オカヤイヅミ『みつば通り商店街にて』。
彼女のマンガは、若い文芸作家の日常を描いた『ものするひと』を昨年読んで好きになったので、まとめて(電子で)買ってあったのだった。商店街の少し不思議な住人たちがほのぼのタッチで描かれていて、少し気持ちが落ち着く。
病院につくと、妻に連れられてきた長男と、こちらもかけつけてくれた祖父母が先に来ていた。本日中に出産だろうとのことで、長男は祖父母の家に泊まることとし、私は残ることに。
妻は、たたみの小上がりがある部屋で横になっていた。夕食や飲み物などを買い出したり、腰をさすったりしていたら、徐々に大きな陣痛になり、19時頃から臨戦態勢に。
えっ、分娩室とか行かずに、ここで産むの?
助産師さんに言われるがまま、あれこれやっているうちに、出産に立ち会うことになった。
19時59分、誕生。
赤子が出てきたまさにその瞬間、羊水と血がまじった液体が、妻の頭側にいた私のすぐ横まで飛んできた。畳についたその赤い血を、鮮明に記憶している。
2600グラムの男子であった。
臍帯が少し首にかかっていて、出てきた瞬間の赤子は顔は白かった。赤くなかった。かなりビビったが、その後、だんだんと赤くなり、特に問題ないことがわかってホッとする。
妻はとにかくよく頑張ったと思う。前回もそうだったが、出血が多く、貧血でもあるので、このあとが大変なのである。ただ、今回は何が起こるかある程度分かっているので、乗り越えられると信じたい。
22時頃に病院を退去し、ひとりで帰宅。
コンビニでビールとつまみを買い、ネットプリントで「雨の日だより」を出力し、賞味期限の切れた保存食の赤飯(アルファ米)でささやかな祝杯をあげた。
自分ひとりしかいない家はひっそりとしていた。
1月23日って、123でいい日に生まれたな、と思いながら寝た。