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「水面に立つ玉」(詩)

あなたと向き合う水面
あなたは下に黙り 笑う
わたしは上で藻掻き 水滴を零す

たった一面の
うすい水の膜のようなこれに
どれほどの時空は重なっているのか

あなたはかわらない目で微笑む
黒い水晶をはめそうになる思い出を
やさしく正す

あなたを見ていたい
あなたのそばにいたい
それは相反して私を暴れ泣かせる

静かに見つめることさえできれば
おそらく心は添うのに
そう呟いてみても

結局私は
水面に崩された水玉をつくる
水滴があなたを濡らすのも構えずに

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