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#散文詩

絆創膏

絆創膏

ははの背中を抱きしめると、水色の雲と白い空のパッチワークが見えた。懐かしくて嬉しくて、にゃーにゃー鳴いてるのが面白くて。そしたら、とっといたかったのに、大きな黒ひげの猫がボゥアボゥアと吠えてきた。私からいつも愛を奪う黒猫だ。はやくはやくにげなきなまゃ、はしって、あっあついでも、かあさんを置いてはいけないよ
あつい この軟膏を持って、小指に沢山つけて逃げなさい

治りが早くなるから治りが早くなるから

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いのちなんてない かってにえらんできたくせに ぺっとにゃふくをきせるのに
おれがしたいことはなにもない
はやく ころせばよかったのに
なんどもなんどもいきかえらせて
のろうよ たのむから おねがいだから
ひどくなぶってころしてくれ

繁殖命令

隠されてるのに いないふりをされてるのに
増やしなさいって 振り回されてる
大きな手が天井から見ていて みんな指先の首輪に繋がれている
駅前の待ち合わせにあるシンボルみたいにはしちゃダメ
目立たないで でも
増やしなさいって また言ってる
どうせダンボールに捨てて ご自由にどうぞって言われるのに