さよならリグレットの話
この秋コミティア(創作オンリーイベント)でさよならリグレットという漫画を出した。
2000年代頃、京都。大学生百合 1/6#COMITIA150 #コミティア150 #百合 #漫画が読めるハシュタグ pic.twitter.com/oRPrlrOO23
— 秋津那由子 ティアよ26a (@akitsunayuko) November 15, 2024
漫画が長ければ長いほど考えた事も多いので異常長怪文となった。完全に内容の話をしているのでやはり本編を先に読んで欲しい。
— 秋津那由子 ティアよ26a (@akitsunayuko) November 15, 2024
通販、ありま〜す
こんな文は読まなくていい。作品に盛り込めなかったものなど、意味がないので……僕ほんとはいろんなこといつも考えてたのに〜🎶の文であり、そっとしておいてください。こんなものを読むくらいならピクシブで推しカプの長文小説を読め。でも他人がこんなのを書いていたら、私は読んでしまうとは思う。
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男子校のサキュバスが9月、さよならリグレットが11月で、やばいかなと思ったが、いつも余裕があったとてギリギリまでウダウダしてやばくなってからやっと取りかかるため、案外いけた。前作と同じく、これが描きたいから分類は百合で出ようではなく、コミティアに出よう、百合でいいか〜。から始まった。なんとか完成させられたので、何かとっかかりというか制約がある方が描きやすいのかもしれない。私は明確にこれが好きで描きたくて漫画を描いている(たとえばBLが好き、百合が好き、ギャグが描きたいなど)というのがなく、漫画を描くためにその都度何を描くか捻り出している。私には相方がおり、J庭に出ようとかコミティアは百合にしようとかは相方が決めた。ヘラヘラとおっ、良いねえ〜と言って出ることになった。𝑩𝑶𝒀𝑺 𝑳𝑶𝑽𝑬で男ばっかり描くと女が描きたくなり、百合で女ばっかり描くと男が描きたくなるので、ちょうどいいと思った。何描こうかな〜と考えた時に、Y2Kが流行っているのが、本物を見てきた中年からすると現代ナイズドされたそれがかわいくて仕方なく(まあ若い女の流行りなんていつでも何でもかわいいが……)、懐かしさから当時のものを見返すとかわいくて仕方なく(FRUiTSのインスタとか、無限に見てしまう)、たまに見てカワイーッをしていたため、これにするかあ〜とした。どけ!中年が本物のY2Kを見せてやる!と威勢のいいことを言ったものの、Y2Kとか流行ってるから2000年代を描いたら興味を持ってもらえるかもな〜ぐらいのテンションだった。このように平成あの頃ファッション描きたいなーと思っていたため(無謀)、服装自由間違いなしの大学生にしよーと思った。個人的に平成ギャル文化も大好きで最高なのだが描きたいのは青文字系サブカル女ファッションだった。サブカルオシャレな美大生(概念)にしよう。サブカル(狭義)は都市のもんだと思う。サブカルという言葉の定義も昔と変わったよな……ほんで都市だの田舎だのは大体が田舎者側だけが意識していることだが……自分が田舎者というのは強めのコンプレックスであり強めのアイデンティティでもある。最近も都会と田舎では文化資本が違いすぎるなんて話がバズっていたが、あんなのは泣きながら同意なのだ。敵わん。私は日照時間の短い北陸で生まれ育ったため関西や関東の空の青さにもこれは敵わんと絶望した。どうでもいい。そしてこの都会的なサブカル人間に憧れるとなるとやはりもう1人は田舎者にした方が構造的にわかりやすくなり、大変に都合がよかった。一応私も美大に行っていたので、どちらの様子も結構わかるし、描きやすい、しかし、美大生と田舎者という自分の側面を分裂させたカプになってしまった。気色悪いが仕方がない……使える引き出しは使っていこう……ここまで来たら自分が卒業した大学の学生ということにするか。田舎者のほうは適当に近くの大学ということにしよう。地元の同級生でここに行った子もいたからね。一回自転車でその子のとこに遊びに行ったな……ダラダラ書いたけどここまでは結構すぐ決まった。都会的で憧れられる対象としての窓と田舎者で憧れる側の胡桃ということで、キャラデザはすんなり決まった。
— 秋津那由子 ティアよ26a (@akitsunayuko) September 30, 2024
名前は適当につけた。窓が最初まどかだったが最後に男だと思われるシーンがあるから窓にしたぐらいか。全然変更はなかった。大学にきつめのパーマあてたかわいい子がいたなーからPUFFYを連想してモデルにした。ラフな格好をしているがバチバチ化粧をしているのがポイントで、当時のメイクはアイラインで目を全部囲むので目頭も全部つなげるようにした。粘膜を埋めるのだ……囲み目アイラインが流行らなくなってからは、実は囲んでしまうと目が小さく見えてNGというのが定説となった。でもインターネット検索をしたら流行は繰り返すもんでまた囲み目ラインがかっこいいと言っている記事もあり……オシャレなやつがやれば何でもいいのではないか?そんなわけで窓は目があまり大きくなりすぎないように描いていた。目が小さいとお姉さん感も出る。今のインターネットの女は中顔面中顔面とバブみを追い求めているが(偏った観測)、私はお姉さん顔も、大好きなのだ……あの頃のギャルも大人顔だったし、キレイな大人っぽいお姉さんへの憧れがまだ続いている……キャラデザは迷わなかったが、最初絵描きと写真家で迷い、なんでかと言うと、大学にいたパーマでかわいい子がまさに写真をやっていたので、ちょっと1人で恥ずかしく、それで絵描きも考えたのだが、やっぱりこの感じの子は写真だよなあとなった。あと自分もカメラマンの友達がいたり、友達に撮ってもらったりしていたので、写真家とモデルというのはやや馴染みがあった。界隈にはやはりというか付き合ってるんだろうな……って感じのカメラマンとモデルがいたり、モデルに手を出しただのセクハラをしただの告発されて炎上するカメラマンもいたりで、なかなか……ワッハッハ……なんか性愛がこじれるというか……そうなりやすい環境でもあるし……百合にもしやすかろうと……胡桃はとにかく見るからに普通、田舎者、おとなしい、まだ子供っぽいと思って考え、何か邪魔しない特徴を……と思って前髪を留めるピンを加えた。子供が使うみたいなパッチンととめるやつ。あと眉毛が太め。男子校のサキュバスの黒江も、イケてなさ表現として眉毛を描き込んでいた。胡桃は化粧してないんじゃないか?眉毛いじらなくてすっぴんでもかわいいんだと思う。ただ洗練はされていない。眉毛もまつ毛も濃いということで顔の作りもはっきりしているのかもしれない。目も大きく表情がわかりやすい。化粧してもあんまり変わらない顔かもしれない。かわいいね。私の高校の友達(女の子)に教師になるなら許可するって親に言われて大学に進学した子がいて当時大変ビックリしたのでそのまま採用させてもらった。平成にまだそんな話があった。そいつも結局教師になってなかった。バンギャだったがデコラになってて自由そうだった。よかったと思います!田村マリオ先生の春ノ虫虫収録の勝手にしやがれという読切ではそれで教師になっちゃった先生がいたが……(意識してなかったけど名前が黒江先生だな……)親に言われるがまま生きてきたというキャラクターにしたので、たぶん厳しい上に私大行かせられる経済力も備えたちゃんとした親だよなーと思い(これで奨学金だったらかわいそうだね)、でもモデルにした大学がそんなに有名なとこでもなかったので(失礼いたします……)ちょっと違和感があるかな?と思ったが、高校生の時に医者の子供がやたらいたのと、親族と同じ大学に行けと言われた子がいたのと、私自身兄が後継ぎだからなー(自由)みたいなノリがあったのを思い出し、医者の子供で後継ぎの長男はもういるからとかで〜、教師になれって言われて〜、親族の行った大学で〜、と魔合体させ、高校時代に印象的だったエピの詰め合わせのような家庭になった。結局本編にはここまでの話は出てこないが……医者の子ということで服は小綺麗なワンピースにした。かわいいねー。しかし別に流行りではない。見ればわかるがとにかく窓と2人で並んでてどういう関係?という雰囲気が欲しかった。元カノの千尋はいかにも窓に近い雰囲気。窓の服描くの難しかったけど(私はファッションセンスがない上にインターネットで2000年代の服を見ようとするとそれこそY2Kに検索汚染されている)楽しかったなー。おしゃれというか、ちゃんと「そういう人物」に見えていたら嬉しい。胡桃の両親は開業医だからわざわざ引越し手伝いに来たのに入学式も出ずにサッサと帰った。普通に、仕事があって……いいけどさ……という。窓の実家はなんとなく豆腐屋とか考えてた。昔ながらのあったけー感じ、大阪の……人情……じゃりんこチエ的な……(私は大阪にもじゃりんこチエにも詳しくない)豆腐屋の窓ちゃん。卒業したら豆腐屋の手伝いしながら写真も撮ればいいじゃん🎶(豆腐屋をナメるな)と思っている、という設定を考えていたが、写真辞めたね。たぶんまた撮るんじゃないかなーと思うけど……窓は写真やめらんないよなーと、相方のカイコと話した。いもまんじゅうは私の地元に芋の菓子がありこんなもん実に田舎らしくて良いではないかと思い芋の製品にした。部屋はアパートの2階で胡桃が201の角部屋で窓が202。胡桃の隣人を1人に絞りたかったため。窓は要領よさそうだしこういう子こそ角部屋にいる気はするが、このアパートは胡桃の大学の近くで、窓はしばらく実家から通学したがこのあたりになんか良いバイトを見つけて半端な時期に引っ越してきた。実家から通っていたけどそのうち一人暮らしを始めたやつは実際にいたのでそういうこともあるだろうと思いそういうことにした。そういうのもあってたまたまタイミング的に角部屋が空いてなくて……つまり、出る時に違約金を払っている。涙。窓は辛くてこのアパートにとても居られなくて余計な金を払ってでも足早に去るが、胡桃は全然普通に更新料を払って住み続けるのだった。胡桃にはそういう結構センチメンタルじゃないところがある。漫画のキャラクターで、真に繊細だったら窓を思い出して悲しいから心機一転私も引っ越したいとかなるんじゃないか。だから、繊細な泣き虫ではなく、泣いてたのもただの感情の現れやすい人物だったんだと……思う。窓の部屋のポスターはその頃のバンドのフライヤーとかCDジャケットとかポスターとかを仕込んだ。ゆら帝とかくるりとかモーサムとかフィッシュマンズとかナンバガとかで、タイトルもくるりです。今回ばかりはくるりにしたかった。終盤でタイトル決めてない!となり、休憩がてらちょうどいい曲を探した。本棚にはAKIRAを並べたが描き方がフンワリしすぎて全然わからなくなった。他には大判の写真集と漫画が入っている。漫画はNANAでも入れておこうと思ってりぼんコミックスの背表紙のアレを見ながら描いたが、NANAって書くとNANAすぎるからやめた。ベランダ側にあるのはオードリーヘップバーンのポスター。もっとこういうものをごちゃごちゃと描き込みたかったが情けないことに時間がない。携帯はインフォバー。東リべにも出てきた。稀咲鉄太‼️許せねーよ‼️(途中までしか、読んでいません)2000年代と言っているが明確に何年かは決めずに小物でそれらしき雰囲気が出ればそれで良かったのでインフォバーの時代にこのポスターになっているCDは出ていないとかそういうのは発生していると思う。彼女?となるシーンは、バカすぎて誰かが気を悪くしたら申し訳ないが、正直に言うと、私が大学入ってすぐの時に友達が「お母さんの彼氏」というワードを自然に出した時に、お母さんの彼氏!?そういうこともあるか!(自分が両親爺婆まで揃っているのをマジで何とも思っていなかったし、周りにいた母子家庭の子たちもお母さんの彼氏の話はしてこなかった)と思いつつ、これまで聞かなかったワードだったので、一瞬変な反応をしてしまったのではないか?とずっと不安に思っていたことから、着想を得た。幼いながらに自分の周りなんてあまりにも狭い範囲であるのにそこで聞かなかった存在はマジで認識していなかったんだなという驚きがあった。普通の事なのにビックリした自分にビックリしたというか……あとクラスに1人だか2人くらいの割合で性的少数者がいるとか聞くが、やはりと言うか地元では見なかったなーと思い。言い出せなかっただけかもしれないし、本人が望まなければ開示する必要もない。平成で田舎だととても言いづらかったと思う。カメラは絶対に描けないと思ったのでクリスタの3Dモデルを頼り、都合よくカメラを構えるポーズの3Dモデルもあったのでカメラ出てくるとこ全部これ使わせてもらった。カメラを構える手もムズすぎる!!自力で描いた手と3Dモデル頼りの手が全然違って苦しい。見ないでくれ……ほんでこのカメラは……デジイチを名乗っていた気がする。あんまり見ないで欲しい。フィルムカメラのつもりで、やっているため……夏に写真を撮っているのは車折神社とソワレと鴨川で、CLAMP展あたりから左右ページをぶっちぎる見開きにハマり、何か参考になるかと思って読み返した魚喃キリコ先生が見開き縦3分割とかトリッキーなことをしていたので、ソワレのシーンで採用したが、象徴たるゼリーポンチは無事ノドに巻き込まれた。当たり前体操だった。あんなもんはスタイリッシュ画面だからこその技だ。台詞が読めればまあいっか。鴨川は夏なので川床が組んであり、川床のふもとってのが良い参考写真がなく、絶対に変になっているという思いで気が狂いそうだった。川床本体までしっかりと入れる画面作りにするのも考えられないほどに。でも胡桃の視野の狭さってこんなもんかもしれない。私も川床なんて知らなかった。現在関東住まいのため資料を撮りにも行けずインターネット検索画像を頼りにあとは想像で補って描くしかないのだが変になるのが嫌すぎてこのへんの背景を最後に描いた。もうメチャクチャだ。次描くならなるべく写真を撮りに行けるところがいい。友達が湘南の写真を撮ってメチャクチャ活用して湘南の漫画を描いていて……私もそういうのが、やりてーよ!京都いきてー。胡桃が赤面するデカコマは線のフチにトーンを重ねてあり、これはCLAMP先生がカードキャプターさくらでやっていた手法のパクリです。クリスタではすぐできるため、あら〜いいですね〜という感じのところで使いたかった。ここまでは、良かったのだが、ここから私じゃダメですかの間のネームが全然まとまらず、最後まで苦しむゾーンとなった。作業のどのあたりの時期かは忘れたが、10/19に藤田和日郎先生の原画展に行き大変感銘を受け、読者ハ読ムナ(笑)という藤田先生の漫画の描き方的な本を少しずつ読んだ。苦しみゾーンをやる時にも読み、伝わるように描かなくてはなーと思った。あと胡桃の成長が必要だよなーと思った。とりあえずこの赤面した胡桃を見て窓が胡桃って恋してる感じの表情の時が最高やんけ!というのを掴んだのですが、最初表情だけにしていて、表情で伝わるし説明しすぎない方がかっこええやろ笑とナメたことを思っていたが、やっぱり伝わりづらいなーと思い、字で書いとこう。と思って、「これや」と書いた。助かった……この後の秋はマジでまとまらず、とりあえず私じゃダメですかからごめんなは決まったので先に描き、「これや」で字に味を占めた私は、合間をもうモノローグ大活用で、字に頼ることにした、ワイはこれまで大したモノローグもなく描いてきたんだからたまにはいいだろうと、字は……偉大。漫画なんだからなるべく絵や演出で表現しましょうなんて言ってられねーよ、もうマジで限界で……出張編集部で、胡桃が窓を好きになる描写があるとよかったね。のようなことも言われ、なるほど〜だった。最後卒展で終わらすか〜と決めた時に、え!?1年を……描くのか。何ページに、なりますか?と、震えたが(その時点で出会いの春が既に20ページになっていたため、最悪80ページを覚悟した)、京都の美大は市の美術館で卒展をやるってのがなんかいいなーと思っていたので入れたかった。したら市の美術館が、なんか、京セラ美術館!?になっていて……ちょっと外観も変わっていて……ゆ、ゆるさーん!!となり、一生懸命、過去の姿の写真を探し、がんばって描いた……窓が暗室で現像するシーンなんかも入れたかったが入れられなかったな。あとは窓の友達とか出して、京都ならではの店とかイベントとか、会話上の単語だけでも出したかった……私は"知って"いるんですよ。良いでしょう。というアピールをしたかった。というか、胡桃にもそれなりに友達はいるだろうし、各々の学校での様子とかも描きたかったのだが、全然無理であるし、そこまでやると、れ、連載……サイデザというのは四大のほうに当時観光デザイン学科というのがあって、窓のいる短大のほうではなかったが、何か……身内感というか……そういうのが欲しいと思い、サイトシーイングデザインってことにして利用させてもらった。入学当初は観光デザインってのは何をしてるんだろうと思っていたが、卒展を見るとほとんどみんな観光全く関係なく自由奔放にやっていて、いいですね〜だった。冬の最後らへんとこも手っ取り早くモノローグに頼った。会話相手がいないから仕方がねー。後半いきなりモノローグが増えることとなった。そして春であるが、お前結構平気やんけ!!まあ……私じゃダメですかとか言えるようになってたし……傷付いたけど、ちょっと自己主張というか……親にも反抗できるようになって、よかったね。という、漠然とした……成長エンドということになっていたら、うれしいね。他に考えたエンドは、胡桃が男と付き合ってデートして鴨川等間隔に座ろうよ!と言われて泣いてしまうとか、雑誌で窓の撮った写真と名前を見つけるとかで、でもやっぱ一年で終わらせてーよ!となり、サッサと終わらせた。胡桃が割と図太いとはいえ流石に2回生の春に男と付き合うってことはないし、窓が雑誌に載るのももっと先のことだろう。まじで最初の春20ページだけはスッと出来たので、最悪準備号的にここだけ先に出そう。という保険がずっとあり、よかった。でも最後まで描けてよかったなー……ワッハッハ……PP加工もできて、よかったです。印刷所様には、足を向けて寝られねーよ………………