第18回ショパン国際ピアノコンクール:7/17予備予選出場者(一部)について
予備予選も6日目(ヘッダーはMazurka (Chopin) op. 24 nr. 1、出典:Wikimedia Commons)。昨日(特にMorning Session)はショパン好きにとっては素晴らしいリサイタル続きで至福の時を過ごした。2010年の第16回ショパコンで最年少(18歳)ファイナリストとなり、再びショパコンの舞台に戻ってきたNikolay Khozyainovの演奏は、最初から最後までうっとり聞き惚れた。特に最後のバラードOp.52の和声の響きは本当に美しかった。本日7月17日が29歳の誕生日。お誕生日おめでとうございます!!
2015年のファイナリストの小林愛実さんの演奏も素晴らしかった。特にノクターンOp.48-2。とても情熱的だった。2015年の時と弾き方がだいぶ変わっている気がした。今月頭に聴いたカワイ表参道での感動がよみがえってきた。彼女が演奏していた時は7,500人以上が視聴していたようだ。
YouTubeの視聴者はコンクールであることを忘れて聴き惚れてしまう。今回の予備予選は出場者の手元や表情、舞台全体を絶妙なタイミングで映し出してくれるカメラワークも素晴らしく、ずっと見入ってしまう。
今日の出場者の一部の情報をごく簡単に備忘録的に書き留めておきたい。
① Ms. Jaeyoon Lee (South Korea)
Jaeyoonは18歳の時に、2015年の第17回ショパコンに出場しているが、予備予選で敗退している。今回の予備予選では、前回弾いた3曲(練習曲Op.25-5、練習曲Op.25-11「木枯し」、ノクターンOp.27-2)とマズルカOp.24-1、幻想曲Op.49、マズルカOp.56-2を弾く。ノクターンを聞く限り、左手がやや賑やかで、右手のメロディーの音が消され気味なところが素人でも気になった。「木枯し」も若干走り気味な感じがした。
Chopin Instituteの紹介文によれば、韓国と海外のコンクールでの入賞歴(例:International Robert Schumann Competition Düsseldorf , Final Round)があり、現在はザルツブルグで学んでおり、欧州でのフェスティバル等での演奏経験が豊富のようだ。
② Mr. Ning Yuen Li (China, Hong Kong)
Ning Yuenは21歳の時に2015年の第17回ショパコンに出場しているが、予備予選で敗退している。ノクターンは(弱音)ペダルのせいなのか、全体的に音が弱く聞こえて残念な気がした。今回の予備予選では、前回と全く異なる曲で臨むようで、練習曲が3曲なのを、2曲に減らし、マズルカを2曲にする編成としたようである。
③ Mr. Xiaoxuan Li (China)
Xianxuanは15歳の時に米国に渡り、ダンタイソン他に師事しており、現在ジュリアードで学ぶ(今年12月で20歳)。彼のYouTubeチャンネルの動画には15の動画(何れも過去1-2年のもの)がアップロードされており、うち9つがショパン(練習曲Op.10-1、練習曲Op.25-6、舟歌、ノクターンOp.48-1、バラード第4番Op.52など)である。2018年のコンクールで1位になったときにはショパンの協奏曲第2番を弾いている。
今回の予備予選では、練習曲Op.10-1、練習曲Op.25-6、マズルカOp.33-1、33-3、ノクターンOp.48-1、舟歌Op.60を弾くようで、マズルカ以外は、上述の2019年の動画で聞くことができる。
④ Mr. Xinjie Li (China)
Xinjieは2004年7月22日生まれなので、予備予選の時は16歳で弾くことになる。中国国内ではいくつかのコンクールでの入賞歴があるようだが、彼の演奏動画は彼の名前の英語のスペルではYouTube上で見つけられなかった。
⑤ Mr. Hao Wei Lin (Chinese Taipei)
Hao Weiも④のXinjieと同じ2004年(9月)生まれ。14歳の時、2019年のコンクール(Cliburn Junior, Quarterfinal Round)の1曲目にノクターンOp.27-2を弾いている動画があった。このノクターンは予備予選のプログラムに含まれている。2020年の別のコンクール(Classical 2 round 14th Unisa Lin Hao Wei Republic of China,Taiwan)では、最後に練習曲Op.10-11を弾き(これは予備予選のプログラム外)、同コンクール3 Round(Clas 3r 14th Unisa)では、マズルカOp.24(今回の予備予選のプログラムに含まれる)とピアノソナタ第3番Op.58を弾いている。14, 15歳の少年が黒いタキシードに身を包み、ピアノを弾いている姿を見ると、かつてのショパンを重ねてしまう。
⑥ Mr. Bruce (Xiaoyu) Liu (Canada)
以前のnoteの⑨に記載。彼もダンタイソンに師事している。
⑦ Mr. Ziyu Liu (China)
Ziyuは1998年生まれ。現在、Arie Vardi at the Hochschule fur Musik, Theater und Medien in Hanoverの学生。中国の他、7か国での演奏経験や複数の国際コンクールでの入賞歴を持つ。INTERNATIONAL PIANO FORUMのチャンネルでコンサートの映像がある。ベヒシュタインでショパンの練習曲Op.10-1を弾いている。
⑧ Ms. Julia Łozowska (Poland)
Juliaは今年で20歳で、現在はフリデリックショパン音楽大学の学生である。彼女の演奏は、Chopin InstituteのHPで配信されたリサイタルの動画(例:2021年5月1日(バラードOp.23、ノクターンOp.9-3、練習曲Op.10-4は予備予選のプログラムに含まれている))など複数の動画がYouTube動画に上がっている。
⑨ Mr. Vitaly Starlikov (Russia)
以前のnoteの⑭に詳述。2021年5月のエリザベート王妃国際コンクールで5位入賞。
これからコンサートに行くため、続きは帰宅後に気が向いたら記述することとしたい。