地域の安全・安心のために 大仙市消防団 女性消防団員 茂木未来
皆さんは、「消防団」のことを知っていますか。
聞いたことはあるけれど、詳しいことは知らないという方も多いのではないでしょうか。
今回のあきたびじょんBreakでは、大仙市の女性消防団員として活動する茂木 未来(もてぎ みく)さんにお話を伺いました。
《名前》茂木 未来(もてぎ みく)
《年齢》31歳
《出身》秋田県 大仙市
《経歴》会社員として働く傍ら、大仙市の女性消防団員として救命講習の補助や広報など積極的に活動している。現在は、消防署職員やほかの団員とともに、少年消防クラブの立ち上げを目指している。
「消防団」を知ってほしい!
― 「消防団」とは、どのような活動をしているのですか。
火災が起きたときに、消防署の方々と一緒に消火活動を行います。
また、救命講習会の補助や、防災に関する広報活動も行っています。
― 「消防署」とは違うのですか。
消防署は消防活動を業務としているのですが、消防団員は各自の職業に就きながら、災害時などに活動しています。
― 茂木さんも、実際に災害現場に行って、活動することがあるのですか。
いえ、私は救命講習の補助や広報活動をメインに行っています。中学校や高校で救命講習会を行う際に、市の消防署の方のお手伝いをしています。広報活動の一環として、使わなくなった消防団のはんてんを再利用して、このようなバッグを作っているんですよ。
― 女性消防団員の皆さんが持っているので気になっていたのですが、まさかはんてんで作られたとは思いませんでした。すごくおしゃれですね!
このような形でも消防団に興味を持ってもらえるかなと思い、女性消防団員で作っています。また、SDGsの取組の一つにもなっています。PR用なので、残念ながら非売品です(笑)。
― 茂木さんが、消防団に入ったきっかけは?
父が消防団員として活動していて、勧められたことですね。小さい頃から父が活動する姿を見て、大変そうだけれど自分もやってみたいと思っていました。
― お父さんがきっかけだったのですね。消防団に入って良かったことは何でしょうか。
災害や防災に対する知識が増えたことです。また、年齢が異なる方々と一緒に活動できることも、非常に楽しいです。そのような場所や機会って、あまりないですからね。
― 普段の活動で大変なことはありますか。
大変だとかつらいな、と思うことはあまりないのですが、災害が発生したときに、地域の方のために動けるのかという不安はあります。消防団に入って7年が経ちますが、まだその経験がないので……。災害に対して率直に怖いという気持ちもありますし、自分が率先して、ほかの方を助ける行動ができるのか、と思い悩むこともあります。
― 消防団の活動で、心掛けていることや、大切にしていることはありますか。
講習の補助のときは、楽しく学んでもらいたいという思いを持っています。それから、一緒に消防団として活動できる方が増えればうれしいな、という気持ちもありますね。
― 消防団員が増えれば、一層楽しく活動できそうですね!大仙市の女性消防団員は、どのくらいいるのでしょうか。
現在、大仙市では、29名の女性消防団員が活動しています。今日は応急手当の勉強会で、皆さんが集まりました。年々人数が減っていますし、特に若い方が少ないので、一緒に活動できる方を募集しています。
地域と防災を考える
― 現在、取り組んでいることがあれば、教えてください。
女性消防団員の方々から、小さい頃から消防や防災に対する知識を身に付けたほうがいいのではないかという声が挙がり、消防署の方々と一緒に、小・中学生を対象とした少年消防クラブの立ち上げに向けて準備しています。今年の4月から活動を始める予定で、年間スケジュールや具体的な活動内容を話し合っています。出初め式のときに一緒に行進したり、応急手当について学んだりする機会を作ることも考えています。将来、消防団に加入する方が増えることにも、つながると思っています。
― 近年災害が増加していますので、小さい頃からの防災教育は非常に大切だと思います。
そうですね。小さい頃から知識を身に付けてもらって、何かあったときに自分の命はもちろん、ほかの方の命も助けられるようになってほしいと願っています。
― そのような方々が増えるといいですね。茂木さんは今後どのような活動を行いたいと考えていますか。
女性消防団員のPRになることは、何でもやりたいです!PRとして、先ほどお話ししたバッグのほかに、大仙市のマスコットキャラクター「まるびちゃん」用のはんてんも作ったんです。世代を問わず、消防団員はもちろん地域の方々と交流しながら、この先もずっと消防団員を続けていきたいです。
<大仙市マスコットキャラクター「まるびちゃん」。さまざまなイベントに登場して大仙市をPRしている>
― 消防団は、地域と非常に密接な存在だと思いました。地域の方々とのつながりについては、どのように考えていますか。
消防団員として活動することで、地域の方々と一層関わることができると感じていますね。私が消防団の服を着ていると、声を掛けてもらえることもあります。消防団員の活動は、「地域の見守り」ができるという点においても、大切にしたいと考えています。
また、大仙市消防団には、市内のさまざまな地域の方が所属していて、私が住んでいる地域以外の情報を知ることができるんです。女性消防団員の中でのつながりも、大切にしたいと思いますね。
― 最後に、消防団員への加入を検討している方、検討したことがない方に向けて、メッセージをお願いします!
消防団の活動は、災害や防災についての知識を身に付けられたり、地域の方々とのつながりを深められたりと、得られるものは非常に大きいです。災害に対して不安に思う気持ちもありますが、楽しいと感じることのほうが圧倒的に多いです。まずは、消防団についてもっと知ってほしいですし、興味を持ってもらいたいです。皆さんも消防団に入って、地域の方々のために一緒に頑張りましょう!
【秋田県防災ポータルサイト 「消防団員の加入促進について」】
《HP》https://www.bousai-akita.jp/pages/index.html?article_id=52
【大仙市ウェブサイト 「消防団員と消防団音楽隊員を募集しています」】
《HP》https://www.city.daisen.lg.jp/docs/2015082100034/
【取材・文:あきたびじょんBreak取材班(広報広聴課)】