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食品ロス削減にチャレンジ!!フードドライブを実施した大学生。秋田県立大学 安藤立星

突然ですが皆さん、「食品ロス」という言葉を知っていますか?

食品ロスとは、本来食べられるのにも関わらず、捨てられてしまう食品のことです。食品ロスを発生させることは、食品を作るために使用した資源・エネルギーを無駄にするだけでなく、処分するための新たな資源・エネルギーが必要となるため、環境への影響が指摘されています。また、世界では栄養不足の人々が多くいることを考えても、まだ食べられる食品が捨てられるのは、とても「もったいない」ですよね。

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国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」でも具体的な目標が設定されるなど、食品ロスの削減は国際的にも重要な課題です。こうした状況を踏まえ、県でも現在「秋田県食品ロス削減推進計画」の策定を進めています。

私たちの身近にある、無視できない課題「食品ロス」。これを減らすため、秋田県立大学の学生が行動しました。今回のあきたびじょんBreakでは、「フードドライブ」に取り組んだ秋田県立大学4年生の安藤 立星(あんどう りゅうせい)さんを取材しました。

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《名前》安藤 立星(あんどう りゅうせい)
《年齢》22歳
《出身》新潟県南魚沼市
《経歴》秋田県立大学 生物資源科学部 生物環境科学科4年生。2021年に参加したブラウブリッツ秋田でのインターンシップがきっかけとなり、コロナ禍で食事に困っている県内の学生に、食料を無料で配布するための「フードドライブ」を実施。若者が挑戦することの大切さや、挑戦することの可能性を伝える「Akita"若者"Stadium Project」のメンバーとしても活動する。

みんなで取り組む「食品ロス削減」

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― 始めに、安藤さんが取り組んだフードドライブの概要を教えてください。

2021年11月28日に開催されたブラウブリッツ秋田と東京ヴェルディの試合に合わせ、ソユースタジアムに専用のブースを設置して行いました。寄付していただいた食品や生活用品は後日、「NPO法人秋田たすけあいネットあゆむ」を通じて、コロナ禍で食事に困っている県内の学生に無料で配布しました。

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<保存期限の長い食品が多く集まった>

― 安藤さんがフードドライブを実施したきっかけは?

ブラウブリッツ秋田でインターンシップをしていたことがきっかけです。

僕は「新スタジアム像の提案」を通して、秋田のために挑戦している若者たちの姿を広める活動をしていました。そのとき一緒だったインターンシップ生が、秋田の食の魅力を知ってもらう活動をしていたため、"食"に興味を抱くようになりました。

さらにタイミング良く、秋田たすけあいネットあゆむからインターンシップ先のブラウブリッツ秋田に、「フードドライブを実施したい」と連絡があり、「そういう活動があるんだ!面白そう!」と思い、進んで参加しました。

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<安藤さんが中心となり企画が実施された>

― 食品ロスに対する意識は、以前から持っていましたか?

個人的に「食べ物を無駄にしない」ということは前から意識していましたが、「フードドライブ」という言葉は知りませんでした。今回のフードドライブは、"食"というキーワードを通じて、みんなを巻き込みながら社会全体の課題にどう向き合っていくかという部分にも、挑戦できたかなと思います。

捨てるなら困っている人のために

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ここで、フードドライブについて紹介します。フードドライブは、家庭で余った食品や生活用品などを職場、地域活動、学校などに持ち寄り、まとめて地域の福祉団体、施設、フードバンク団体(食料支援をしている団体)などに寄付する活動のことです。

寄付された食品や生活用品は、経済的に困窮している人たちへの支援に活用されます。フードドライブは食品ロスを削減すると同時に、食品を必要としている人たちへの支援にもつながることから、人にも環境にもやさしい取り組みなんです。

寄付できる食品には条件があります。詳細は各フードドライブの実施主体へご確認ください。
・賞味期限が1ヶ月以上残っている物
・未開封の物
※アルコール類、自家製品(漬け物等)は受け付けていません。

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<フードドライブの目印になる「のぼり」と「BOX」>

食品を寄付できる場所(2022年3月16日現在)
【常設】
・秋田市東部市民サービスセンター(いーぱる)
・秋田市西部市民サービスセンター(ウェスタ―)
・秋田市南部市民サービスセンター(なんぴあ)
・秋田市北部市民サービスセンター(キタスカ)
・秋田市河辺市民サービスセンター(カワベリア)
・秋田市雄和市民サービスセンター(ユービス)
・男鹿市役所
・潟上市役所
・マックスバリュ広面店/泉店/港北店/河辺店/本部
・イオン秋田中央店/土崎港店
・イオンスタイル茨島店/御所野店
・フレスポ御所野(シュー・ラ・ルー、ツルハドラッグ)
・秋田ベイパラダイス(秋田市)
・社会福祉協議会(秋田市/北秋田市/仙北市/美郷町/横手市/湯沢市)
・日本たばこ産業(株)秋田支店 など

【期間限定】
・社会福祉協議会(由利本荘市/にかほ市)

◆食品を必要とされている方へ
一般社団法人フードバンクあきた、お住まいの市役所、社会福祉協議会のいずれかにお問い合わせください。

フードドライブは「もったいない」を「ありがとう」に変えることができる取り組みです。皆さんも、フードドライブへ参加してみませんか?

あげよう!もらおう!

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― フードドライブへの寄付を集められるか、不安はなかったですか?

ほかのクラブチームが同じような企画をしていないか調べたところ、ほとんど参考例がなく、学生主体の活動なので、反応が少ないんじゃないかという不安がありました。
でも、当日は100人以上の方がお米やレトルト食品などを持参してくれて、合計160kg以上の食品が集まったんです!

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<レトルト食品、米、お菓子、カップ麺のほか、トイレットペーパー、マスクといった生活用品も集まった>

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― すごいですね!寄付の呼び掛けはどのように行いましたか?

ブラウブリッツ秋田のTwitterや公式ホームページなどで、サポーターに食品の寄付を呼び掛けていました。すると、対戦相手の東京ヴェルディのサポーターも、「Twitter見ました!」と言って参加してくれて...。予想外の出来事でしたが、とてもうれしかったですね!

― 食品を必要とする学生へは、どのように周知しましたか?

ブラウブリッツ秋田や、秋田たすけあいネットあゆむのSNSでお知らせしました。秋田県立大学の秋田キャンパスでも配布し、県立大生には大学広報を通じてメールでも周知してもらいました。

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<秋田県立大学で配布した様子>

― どれくらいの学生が、食品を受け取りに来ましたか?

2会場で合計140名でした。集まった食品と生活用品は全て配り切りましたが、支援対象としていた高校生や専門学生の参加者数が少ないのが残念でした。今回は完全予約制で無料配布をしたのですが、その様子を見て「申し込んでおけば良かった!」と話す学生もいました。

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<ブラウブリッツ秋田のオフィシャルマスコット「ブラウゴン」も参加>

― 「フードドライブ」という取り組みを今回の取材で初めて知ったのですが、食品ロスを減らせて、必要な人に食品を届けることができるお得な取り組みなんですね。

寄付された食品は、手つかずのまま廃棄される運命だったものです。もちろん、困窮している方など、必要としている人に行き渡ることが一番良いことだと思います。でも、キチンと捨てずに消費してもらえるのであれば「もらえるんだったら、もらおうかな?」という人でも大歓迎です!ただし、もらう側の姿勢として、寄付してくれた方への感謝の気持ちを持ってほしいと思います。

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「もったいない」をなくすために

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― フードドライブを実施して、食品ロスに対する考え方に変化はありましたか?

今回のような企画が"きっかけ"となり、食品ロス削減につながるんだなと感じました。「食品ロスを減らさなきゃ!」と発信するだけじゃなく、実際に機会をつくって、自分自身が行動することが大事だなと考えるようになりました。

― やってみて良かったと思うことは?

老若男女問わず、多くの方にご協力いただき、フードドライブを知ってもらえたことがうれしかったです。そして、「誰かのために、何かしたい」と思ってくださる方が秋田にはたくさんいることが分かりました。僕自身も「兄ちゃん頑張って!」と声を掛けていただき、元気をもらいました。

そして何より、袋いっぱいの食品を持って、笑顔で帰っていく学生から「ありがとう」という声を掛けてもらったときは、やって良かったなと感じました。

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僕は、たまたま巡り合わせでこういったイベントに携わる形になりましたが、食品ロス削減のための取り組みが大規模である必要はないと思います。

まずはしっかりと食べ切ることを大事にして、もし、食べ切れないものが出てきてしまったときは、フードドライブへの寄付という選択肢もあるということを知っていただきたいです。そして、少しでも廃棄される「もったいない」食品が減れば良いと思います。

― フードドライブは、今後も続けていきたいですか?

今後就職して社会に出たら、これまでの経験やつながりを生かして、自分ができる範囲でお手伝いができたらと思っています!

【秋田県立大学】
《住所》秋田県秋田市下新城中野街道端西241−438
《HP》https://www.akita-pu.ac.jp/

【取材・文:秋田ブロガー兼YouTuber じゃんご】https://dochaku.com

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