恋心
母親の優しい声に起こされた青年は
いつものようにロビーのテレビを見に降りてきた。
ソファーへ座り、ニュースを見ている。
「隣座っていいですか?」
可愛い、可愛いと思える女の子が声をかけてきた。
そして青年は顔を赤らめながら小さく頷いた。
青年は話したかった。話したくて、話したくて頑張って声をかけた。
「君も入院しているの?」
女の子はニコっと笑い答えた。
「違うよ、私はお見舞いに来たんだ、もう会ったから帰るところだけどね」
こんな他愛もない会話のなか、笑顔に青年は惹かれていた。
そから二人は多くの会話を交わした。
彼女は入院している青年の話を沢山聞いてくれた
青年は楽しくなり時間を忘れていた。
「ごめん!戻らなきゃいけない。ねぇまた話したい」
すると彼女は微笑んで
「明日も来るから話そうね」
青年は喜びを隠せなかった。
「ありがとう、また明日」
その後、午後の検診やリハビリなどを終えて部屋に戻った。
夜になり、毎日付けている日記に今日の事を書き始めた。
〜今日OOOOOOOOOOOO、明日が楽しみだ。〜
書き終わると、何となく前のページを見てみた。
「えっ?」
昨日のページにも同じ事が書かれている。
もう数ヶ月続いていた。
頭の中ですべてが繋がっていく、思い出していくほど睡魔に襲われた。
母親の優しい声に起こされた青年は
いつものようにロビーのテレビを見に降りてきた。
ソファーへ座り、ニュースを見ている。
「隣座っていいですか?」
僕は、毎日君に恋をする。