『評価経済社会 ぼくらは世界の変わり目に立ち会っている』を読んでみた
今回は、岡田斗司夫さんの『評価経済社会 ぼくらは世界の変わり目に立ち会っている』を引っ張り出して読みました。
(半年前に買って積読したままだったんですが…。)
Twitterを観測していると、信用 > お金 の流れをひしひしと感じるので、遅くならないうちに読んでおこうと決心した次第です…。
早速、ざっくりとした内容から話していきますね。
雑感。
この本は2011年に出版されたそうなのですが、読んでびっくり。
…ほぼそのまま今現在のことが書かれてます(笑)
今後社会の大きな変化の動き、つまりパラダイムシフトが起こるだろうという予測。貨幣経済から評価経済への移り変わりがカギとされています。
人はお金よりも信用に重きを置くようになる…。
にわかには信じがたいですが、この本を一読してみると、この仮説も頷けます。
第1、2章では、狩猟を行っていた時代までさかのぼり、貨幣経済や人々の価値観などの変遷について平易に解説をしています(めちゃわかりやすい)。
その後3~5章で評価経済社会がどんなものかを説明しています。
一通り読んで、気になったところをいくつかピックアップしてみました。
近代人の苦悩
本書によれば、中世ヨーロッパにおいて、
「自分」とは神の思し召しでこの世に生まれ、天に召される存在です。
熱心に神を信仰すること(祈ったり、施しを与えたりする)が大事で、
農民に生まれた者がわざわざ「Meはなんで農民に?」なんて考えたりはしません。
対して、産業革命以後は、自分がどんな「自分」であるかは自身で決め、他人事にしないことが求められるようになりました。
自分のなりたい姿、あるべき姿を定め、それに向かって努力する。このように頑張ることが出来る人を「自我が確立している人」と呼びます。
これによって、自分の幸せには責任が伴うようになってしまいました。
不幸せなのは、本人の能力・努力不足のせいだと。
これ・・・めちゃくちゃしんどいですよね
これまで神様がやってた難しいことを人間個々人がやりだしたので、精神的なストレスは増えました。結果、精神病や神経衰弱など近代から目立ってきた病も増えたというわけです。
このへんの近代の自己認識の話は割とわかりやすく、すとんと受け入れられrました。
もっとも大事なものは「今の自分の気持ち」
本書では、上記のような「自我の確立」から「逃げる」と表現していましたが、
一つの手段として「自分の気持ちを大切にする」というルートを人々がとり始めたと解説しています。
例えば、「自分の気持ちを大切にする」というのはTwitterに誕生し始めたビジネスマンインフルエンサーの成功型のひとつですし、TiktokやYoutube、Instagramでも同じことが起きています。
それだけではありません。趣味や仕事、人間関係にもそれが表れています。
CreemaやBASEのようなアマチュア(セミプロ)による個人物販も隆盛を迎えていますし、誰もがフォロワーになれる時代になりました。
想いを独白し、それに共感する人が集まる。
つまり、「自分の気持ちを大切にする」は行動指針であり、価値観のベースであり、ひととなりを決める要素でもあるといえるでしょう。
中世と現代の違い
「モノ不足・時間余り」という点で共通していますが、以下3点が異なっています。
1. ネットによる情報余り
2. 「自分の捉えかた」
自分=唯一無二であると認識し、自分の気持ちを大切にするようになりました。
3. 教育
皆何のために勉強し、学んでいるのか?将来に役立つから?褒められるから?
結局のところ、今は「自分を豊かにするため」という目的に落ち着きます。
例としては、タイミングをずらしての大学進学や、高キャリア非重視志向、ワークショップ・セミナーの充実などが挙げられます。
評価経済社会での消費行動
「フォロー」行為は、軽いです。気軽にできる。
では、この「軽い」が意味するものとは何か?
フォロワー稼ぎに躍起になっている人がいるのは、個々の部分がおおきいのでしょうが、要は数ではないでしょう。
あくまでフォロワーは「指標」であり、その人自身の能力を示すものではありません。
ここを勘違いすると痛い目を見るのかなあとも感じました。
総評
もっと上手な言葉でまとめられればよかったのですが、なかなかうまくいきませんね。
途中のパートを引っこ抜いただけなので、あまり納得感のある読書ログになったかは疑問ですが、本書は本当に一読の価値があります。
kindle Unlimitedでは無料で読めるようなので、ぜひ。
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