「今に在る」とはどういう状態か?
『今この瞬間の喜び』とは何か
仏教でもスピリチュアルでも、度々話題にのぼる「今この瞬間に在る」という状態について今日は考察していきたいと思います。
エックハルト・トールやお釈迦様をはじめとする多くの精神的指導者が、口をそろえて「今この瞬間に在りなさい」と言います。
「今この瞬間に在る」「意識を今に集中する」
分かっているようで、実は奥深いこの状態は非常に興味深いものです。
その言葉のニュアンスには「努力」や「修行」「忍耐」を通じて「今に在る境地」を習得する……といったようなネガティブなイメージは含まれておらず、あくまでも「今この瞬間を生きる喜び」や「今この瞬間に集中することで、苦しみからは解放される」といった前向きなニュアンスが見受けられるように思います。
加えて「今この瞬間だけ楽しければいいや」といった堕落的なイメージもありません。少なくとも「後先考えず無謀な挑戦をしましょう」と謳っている訳ではないようです。
この記事は『今この瞬間の喜び』とは何か、について4つのパターンに分けて、筆者の考察を列挙していきます。
パターン① 過去や未来に捉われず、今を全力で生きる
「過去を追ってはならない、未来を待ってはならない。ただ今この瞬間を切に生きよ」
あまりに有名なこの言葉は、お釈迦様の名言です。シンプルに言葉通り受け取ることができるので、聡明で明快な教えといえます。
既に過ぎ去ってしまった過去は変えることはできないし、まだ来ない未来に対する不安は考えていても始まらない。今できることを全力でするしかない。というかなり現実的な教えです。
過去の出来事に引っ張られることなく、未来への不安もない。
確かにこれができるだけでも、現代を生きるうえでは相当精神的に楽になれそうですよね。
パターン② 『今に集中』することで瞑想状態となる
パターン②は『今に集中』するだけでも瞑想状態となるため、『今に集中』している間は、幸福状態が続く。という考察です。
『今に在る』を実践するためには最初、かなりの集中力が必要となってくるのではないでしょうか。
全神経を研ぎ澄ませて、五感のすべてを意識し、今を感じ取る。
過去や未来を考えている余裕など当然ありません。
実際のところ、どうだか分かりませんが、この状態を維持し続けるためには、脳はかなりのエネルギーを使う必要があるはずです。
これがトリガーとなって瞑想状態となっても不思議ではないのではないか、と筆者は考察します。
『今この瞬間への全力の集中』というあまりにも大きな課題を目の前にして、『過去や未来に対する不安』はどうしても優先順位を下げざるを得ない。これが「今この瞬間に在る」醍醐味なのかもしれません。
パターン③ 「幸福は『今』にしか存在しないから」
これは逆説的な考察です。
つまり「今に集中すれば幸福になる」のではなく「真の幸福は『今』というこの瞬間にしか存在しない」というものです。
そもそも我々が自覚できる時間というのは「今」しかない訳です。過去は既に過ぎ去ってしまったし、未来はそもそもまだ来ていない。
実在が自明で確認できるものは、今。という理屈です。
仮に『幸福』が人生に実在するのであれば、それは消去法で「今この瞬間」のどこか、ということになります。
言葉遊びかもしれませんが、筆者はかなり気に入っている表現なので繰り返し言います。
過去の幸せは過去のものだし、未来の幸せはまだ手に入っていない。
だから消去法で、幸せは『今この瞬間』にある。
隠された宝物を探し当てる論理パズルみたいで面白いですよね。
パターン④ 「『今』には隠された領域がある」
『今』には、まだ見ぬ隠された領域があり、凡人こそ理解できないが、目覚めた人にとってはその領域に足を踏み入れることができる。
という考察です。
これまで書いてきた考察の中で、筆者が最も気に入っているのは③ですが、多くの人が直観的に理解しそうだな、と思うのはこのパターン④です。
筆者がなぜこの考えに至ったかというと、どの人の話を聞いても、『今にある喜び』と言葉一口に語るには、はあまりにも大きすぎる喜びなのだな。と理解したからです。
少なくともパターン①~③までの現実的で常識的な幸福とは度を越して、その喜びが大きいように思えるのです。
人の喜びを客観的に計ることは難しいですから、一概なことは言えません。
しかしながら『過去や未来への苦しみ』が一挙に吹き飛ぶような幸福とはいったいどんな素晴らしいものだったのでしょうか。
想像し難いですよね。だからこそ『今には隠された領域があり、選ばれた者のみが『今』に到達できるのだ』という考えが頭をよぎります。
さいごに
さて今回は『今この瞬間の喜び』に関する4つの考察を述べてみました。この中のどれかに正解があるのかもしれませんし、全部間違えかもしれませんし、はたまた全部正解……ということもあるかもしれません。
『今この瞬間の喜び』奥が深いですね。
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今日も最後まで記事を読んでいただき、ありがとうございました。
皆さまの健康と幸福と安念をお祈りしております。
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