水冷工場への道 その6
床冷却ホース配置の検討
250坪の建物の床(土間コン)全部にホースをずっと這わせようとなるとけっこうな設備(水道工事)の仕事になる。普通の設備屋さんはこんな仕事あんまりしたことないだろうなあ。
そこでこの件は最初に相談した福日機電の藤井社長にやってもらえないかあたってみた。最初は うーん と言ってあまり乗り気ではなかったみたい。そりゃそうだろうな、やったことない仕事をやるというのはなかなか普段以上に手間がかかる(効率悪い)。それと仕事というのはお客さんの要望を聞いてその通りの仕事をちゃんとして「結果」が出て、それでやっとお金がもらえるもんだ。今回のは前代未聞でうまく行くかどうかなんて誰にも分らないんだから。参考までに同じような事やった事あるか?と聞いたらそんなもんあるはずないやろ との事。そりゃそうだろう。
ボクはどうしても誰かにやってもらう必要があるのでこう言った。
うまく行かなくても、目標としている効果が出なくても いっさい文句は言いません。
そしてついでにこんな適当なことも言ってみた
チャレンジしない人とか会社に未来はないよ(かっこいいw)
このセリフのどちらが効いたのかはわからないが仕事をやってもらえる事に。やった!そこからいろんな相談したり考えたり検討したり図面引いたり、材料手配とかが始まる。で、出来上がった配管図面がこんな感じ。いっぱい引いてある細い線がホースの位置だ。
実際にホースを這わしたところはこんな感じ
ここで おっ?と思ったあなたはなかなか知っている人ですw そう、ホースに流れる冷たい井戸水を土間コンに効率よく、均等にさらに効率よく冷たい熱を伝える目的でホースの上下でワイヤーメッシュを2重に入れてサンドイッチしたのです(普通は1枚のみ)。鉄の熱伝導率がいいのを冷たい熱拡散目的で使用したと言う訳です。ホースの中の冷たい水がホース表面を冷やす。ホースが上下で鉄のワイヤーメッシュに接していればコンクリートを均一に冷やすことが出来るのではないかという考えです。熱の均一化目的でワイヤーメッシュを使うという考えは過去になかったと思う(多分)。
ワイヤーメッシュとは、コンクリートの割れを防止する目的で土間コンの中に入れる網状の鉄筋です。大きなホームセンターでも普通に販売してます。これは、凸凹ではないただの鉄製の丸棒を10cm~15cmの間隔で繋ぎ合わせたものです。普通は1枚入れるだけ。ホースは架橋ポリエチレン管というやつを採用。どこでも好きに曲げられるし、長さが定番で100mという所もいい。つなぐ箇所減るし。
で、結果はこんな感じ。割と浅いところにホースが30-40センチ間隔に入っているのにホースの跡が見えない。なんだなんだ、うまく行ったぞ。
全部は書きませんが工事全体のそこここに このような小さな細工というか工夫を多数行っています。今までの私と清水さんの知恵を総動員している。 キーワードは特別な材料を使わず(その辺のホムセンターで売っているもの)、知恵を絞って最大の効果を得る事です。今回も見えないところを工夫してすばらしい結果を得ることが出来ました。 いやあこんな壮大な自由研究… 楽しいなあw
あ、そろそろ新規の放熱フィンを作らなきゃ。
続く
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予告:水冷工場の結論概要
(最終回は10話目くらいです。数字は最終回に発表しますが少し変わる可能性はあります)
1.設備投資額 約1,000万円
2.水冷冷房にかかる電気代 約3,000円/月
3.水冷冷房による地下水くみ上げ量 ごく少ない(6.5立法メートル程度/日)
結果: 真夏(7月)でも250坪の工場全てのエリアで室温が25-28度に保たれるようになった。