文献紹介:COPD患者における身体活動性評価手法としての"Can Do, Do Do" Quadrants/もっと熱くなれよ
呼吸ケア・リハビリテーションスタッフ養成研修
・たまにはCOPDの勉強をしようと思い立ち、呼吸ケア・リハビリテーションスタッフ養成研修のe-learningを受講してみた。
・最初の講義ではCOPDとサルコペニア・フレイル・身体活動性に関する比較的新しい文献が多数紹介されており勉強になった。COPD患者において、身体活動性の低値が生命予後を悪化させることはもはや一定のエビデンスがあるといってよいだろう。
"Can Do, Do Do" Quadrants
・COPDと身体活動性の関連に関する論文として、以下の文献が気になった。
Vaes AW, Spruit MA, Koolen EH, Antons JC, de Man M, Djamin RS, van Hees HWH, van 't Hul AJ. "Can Do, Do Do" Quadrants and 6-Year All-Cause Mortality in Patients With COPD. Chest. 2022 Jun;161(6):1494-1504. doi: 10.1016/j.chest.2021.12.657. Epub 2022 Jan 11. PMID: 35026297. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35026297/
・COPDにおける身体活動性を身体能力(Phisical Capacity/6分間歩行テストで定量化)と身体活動(Phisical Activity/1日の総歩数で定量化)の2軸によって4群に分け、それぞれの群における死亡率を比較している。
・身体活動性を1日の総歩数で定量化する、という発想は面白い。たしかに身体的なキャパシティがありそうに見えても寝てばかりいる身体活動性の低い高齢者を外来でしばしば見るし、6分間歩行のみでは患者の身体活動性を正確に評価できない可能性を加味した指標だと思う。
・身体能力を”can do”、身体活動を”do do”という表現していることがまず目を引く。”do do”は、机上の空論ではなく、実際に日常生活を遂行できるか、というニュアンスか。あまり欧米で一般的な表現なのかはわからなかったが、定量化に用いた指標が6分間歩行テストと1日の歩数であることも考慮すると、日常臨床への落とし込みを重要視している意図を汲める、気がした。
感想
・このようなベッドサイドだけで評価できる項目の組み合わせのみで、死亡率といったハードアウトカムを比較的高い精度で予測できる、という結論を導出できる研究は呼吸器内科臨床はもちろんPrimary care的な観点でも有益な研究だと思った。
・ただ、タイトルのグイグイ感から松岡修造の「頑張れ頑張れできるできる絶対出来る頑張れもっとやれるって!やれる気持ちの問題だ頑張れ頑張れそこだ!そこで諦めんな絶対に頑張れ積極的にポジティブに頑張る頑張る!北京だって頑張ってるんだから!」を思い出した。もっと熱く臨床頑張るか。
https://dic.pixiv.net/a/%E9%A0%91%E5%BC%B5%E3%82%8C%E9%A0%91%E5%BC%B5%E3%82%8C%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%82%8B%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%82%8B