![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/21440891/rectangle_large_type_2_4569b994139e8476eaafd7c1fa32842e.jpeg?width=1200)
映画評論5「パラサイト 半地下の家族」
先週末に試験があったので、約1週間空いての投稿になります。
2年ちょい通っている経営者勉強会の試験です。
2年以上勉強しているんですけど、勉強すればするほど、奥が深く、範囲が広大であることを痛感して心が折れそうになります。
でも、それが楽しくもあるので、引き続きがんばっていきます!
3回続けての映画評論になります。
映画ブログではありません笑
話題の映画「パラサイト 半地下の家族」を観てきました。
作品情報
パラサイト:2020/01/10 公開
視聴日:2020/03/12
監督:ポン・ジュノ
出演:ソン・ガンホ、イ・ソンギュン、チョ・ヨジョン、チェ・ウシク、パク・ソダム、チャン・ヘジン
「グエムル-漢江の怪物-」「殺人の追憶」「母なる証明」などで監督をつとめたポン・ジュノ監督の作品です。最近、韓国映画はあまり見ていないので、グエムルくらいしか知りませんでしたが、韓国国内はもちろん、国際的にも高い評価を得ている監督です。
今作は、第72回カンヌ国際映画祭で韓国映画初となるパルム・ドールの受賞を果たしたことで話題となり、世界中で非常に高い評価を得ている作品です。
ストーリー
父キム・ギテク(ソン・ガンホ)、母チュンスク(チャン・ヘジン)、息子ギウ(チェ・ウシク)、娘ギジョン(パク・ソダム)のキム家の4人は、狭く薄汚れた半地下のアパートに住んでいます。全員失業中で、近所のピザ屋の箱を組み立てる内職等をしてなんとか生活しています。
ある日、名門大学に通う、ギウの友人が訪れ、自分が留学する間パク家の女子高生の英語の家庭教師をやらないかとギウに提案します。浪人中のギウは教える資格がないとためらいますが、高い報酬のこともあり仕事を受けることにします。
妹のギジョンに名門大学の入学証書を偽造してもらうと、ギウは大学生のふりをして高台の高級住宅地を訪れます。パク家の信頼を掴んだギウは、正式に家庭教師としての仕事を得ることに成功します。
ギウは大学の後輩と偽り妹のギジョンも絵の家庭教師としてパク家に紹介します。
さらに父ギテクも運転手として、母チュンスクは家政婦としてパク家で働くことになります。こうして、キム家の4人は全員が家族であることを隠しながら、パク家への就職に成功します。
パク家、キム家、そして屋敷の秘密が交差することで物語は予想もしなかった方向へ急激に動き出します。
そして、大変な事件が起こり、予想もしていなかったラストを迎えます。
感想
カンヌ国際映画祭でのパルムドール、世界中で大絶賛と、観る前にかなりハードルが高かったこともありますが、個人的にはそこまで大絶賛される映画かな?と少し違和感を感じました。
もちろん単純に面白かったし、現在の韓国社会を風刺しており、それを1つの建物の構造で表現している点など、新しい試みがされているところもよかったです。
特に、現在の韓国の格差社会についての表現は、秀逸でした。
いい家で生活するようになっても、ある程度お金を手に入れても、それだけでは根本的な解決にならないことを、様々な方法で表現しています。
家族がみんな留守中のパク家で、キム家の4人が宴会をしているシーンでは、汚く食べ散らかすシーンや、小さなことで激昂する父ギテクが描かれています。
そのシーンで、金は心のシワを伸ばすアイロンだというセリフ、金持ちは素直でひねくれていないというセリフがあるのですが、これはまさにその通りであり、お金というものが、単にモノやサービスと交換できる紙ではなく、人間の深い部分にも関係しているということをうまく表現しています。
また、変えられない格差を「臭い」で表現している点は、非常にリアルであり、面白い表現方法でした。この臭いの表現が最後の展開の伏線になっていたことは衝撃であり、監督の力を感じた点でもありました。
最後のホームパーティーのシーンで、父ギテクが娘を殺した犯人ではなく、雇い主の社長を殺すシーンも、変えられない格差に対して韓国が抱えているフラストレーションを表しているようで、考えさせられるものでした。
このように、やや重たいテーマを描きながら、どこか笑えてしまうというか、コメディまではいかないのですが、バタバタとした展開が、テーマの深刻さを軽くしてくれています。
ここも監督の力ですね。観たあとに暗い気持ちになることもありませんでした。
格差の壁を超える方法
最後にギウは、根本的な計画として「金持ちになる」と決意します。
父親に、隠れている家を買取るから、そうしたら堂々と階段を上ってきてくれと伝え、父親が明るい地上に上がってくる回想シーンが入ります。
これは、まだ未確定な未来のシーンとして描かれているのですが、これは現在の格差社会を変えることは容易ではないが、継続的な努力により、格差の壁を超えることは可能だという監督からのメッセージなのかなと思いました。
僕のnoteを読んでくれている人は何となく気づいているかもしれませんが、僕は継続的で圧倒的な努力によって、人生はいつでも、どのようにでも変えられると思っています。
もちろん、それが簡単なことではないことは理解していますが、この映画を観た人が、この最後に描かれている希望に気づき、人生を変える道を進んでいくことを期待したいです。
僕も人生の「根本的な計画」のための努力を続けていきたいと思います。
この映画が好きな方へのオススメ
「万引き家族」
監督:是枝裕和
出演者:リリー・フランキー、松岡茉優、高良健吾、池脇千鶴、樹木希林
第71回カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞した作品です。
「パラサイト 半地下の家族」と同様に社会を風刺した作品で、似ている部分があるということから、度々取り上げられています。
実はオススメに挙げておきながら、この作品まだ観ていないんですが、本作を観たことで観てみようと思っている作品なので、一緒に観ましょうという気持ちを込めてオススメにさせていただきました笑
いいなと思ったら応援しよう!
![秋田 護](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/18940023/profile_6fa94198e62d56cc4919b59e6f8d0d68.png?width=600&crop=1:1,smart)