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目的から考える

年末年始に一年の目標を立てたことがある人は多いのではないでしょうか。
僕も昔からよく年末年始に一年の目標を立てていました。

例えば、

・20冊本を読む
・TOEICで○○点以上取る
・運動習慣をつける

こんな目標です。

年にもよりますが、だいたい半分ちょいくらい達成できることが多かったような気がします。
目標を立てて満足してしまうところもあり、どのくらい達成したかをちゃんと確認していなかった年もありました。

目的と目標

はじめに目標について書きましたが、今回書いていくのは目的についてです。

目的と目標、明確に使い分けている人は多くないかもしれません。
一般的には以下のように定義されています。

目的:最終的に成し遂げようとする、目指すべき到達点

目標:目的を成し遂げようするために設けた具体的な手段

目的は最終的なゴール。目標はそのゴールにたどり着くための手段ということですね。
一年の目標というのは、当然最終的なゴールではないので、目的ではなく目標なわけです。

例えば、上記の運動習慣をつけるという「目標」は、健康を維持したり、かっこいい身体を作ったり、体力や忍耐力をつけるための「手段」ということです。

目的と目標の違いはわかっていただけたかなと思います。
今回書いていくのは目標ではなく、目的についてです。

最近の出来事

新型コロナウイルスによる外出自粛でオンラインでの様々なものが注目されていますが、その中でもオンラインでの飲み会、ZOOM飲みは多くの人が経験した、代表的なオンラインでの活動ではないでしょうか。

僕もたまにZOOMを使って友達と飲んだりしますが、最近あるアスリートの方と、このZOOMを通して話をしました。

その彼はこの新型コロナの状況で、オンラインでのトレーニングを始めようと思っているとのことでした。

他にも収入が激減した多くのトレーナーや治療家たちが、同じような働き方を模索しており、実際に2000〜5000円程度で募集しているのをSNSなどで見る機会も多くなっています。

直接対面で指導することができず、身体に触れることもできなので、高額なサービスを売ることはなかなか難しいと考えられますし、現状、相場はだいたいこの程度でしょう。

しかし、これは「現状」から考え、行動しようとしている。ということです。

基本的にはこの考え方ではうまくいきません。

詳しく説明していきましょう。

現状から考える

床に大きな地図が広げてあるとイメージしてください。

あなたはその地図の真ん中にいます。

東西南北どこに向けて進みますか?

目的地が明確なら、目的地から道路をたどって、現在地からの経路を設定するでしょう。
ここに行くためには、その前の交差点を右に曲がる必要がある。
その交差点に行くためには、コンビニの角を左に曲がらなくてはいけない。というようにです。

地図の縮尺が粗く目的地が明確ではなかったとしても、ざっくりした場所、最悪方角さえわかれば、目的地に近づいていくことはできます。

しかし、ここで目的地のある方角すらわからなかったらどうでしょう?

どの方角に進めばいいかわかりません。
さらに、目的地が本当は北にあるときに、南に進んでしまっては、逆に目的地から遠ざかることになります。

さらに悪いことに、現状から考える人は、この地図の全体像が見えていません。

これは、自分のいる地図の中心のほんの周りだけが見えていて、そこから先は地図が真っ暗になっていて見えないような状態です。
ドラクエで暗闇の洞窟の中をたいまつだけで進んでいるときのあれです。
わかる人にはわかりやすい説明かなと思います笑
これでは適切な方向に進める可能性は極めて低くなります。

また、このような状況におかれると、人は進みやすい方向へ進んでしまいます。

今回の、オンラインで2000円〜5000円程度でトレーニングをやるということはまさにその典型です。
できそうで、誰かがやっていることを、だいたいの相場で始めようとしてしまいます。

進みやすい方向に進むと、不思議なことに、その人の本当の目的からは離れる方向に進んでしまう傾向があります。
何でかはわかりませんが、僕の経験上、不思議とほとんどの人がそうなります。

これは、松下幸之助が「人生の岐路に立ったとき、どっちの道を進むか迷ったときは、困難な方を選ぶとよい」と言ったことともつながるのかなと思っています。

幸之助はこのような選択が、あとで自身の成功にとって大きな意味を持っていたことに気づいたと言っています。

これは困難な道を選ぶという行為そのものにより、覚悟が決まる、コミットメントが高まることによるものなのかもしれないし、
困難な選択をする人は少ないので、差別化がはかれ、競争優位性が保たれるからなのかもしれないし、
神様は困難な道の先に成功を用意してくれているのかもしれません。

なぜ、こうなるのかは、今の僕はうまく説明できませんが、事実としてこの傾向を僕は感じていますし、松下幸之助も同じようなことを実感していたのだと思います。

つまり、現状から考えると、目的からは離れてしまいますよ。ということです。

目的から考える

オンラインでのトレーニングをしたい。ということでしたが、彼の目的は何なのでしょうか?

ちなみに、彼はオリンピックでメダルを取ったこともある、世界トップレベルのアスリートなので、一般のトレーナーたちとは前提条件が異なります。

・広く子供たちに運動の楽しさを教えたい
・トップアスリートを目指す子供たちを指導して、日本のトップのレベルを上げたい
・健康寿命を伸ばすために、高齢者がいきいきと運動できる環境を整えたい
・自分のネームバリューを生かして、富裕層に対して高額なマンツーマンレッスンを提供したい

様々な目的が考えられます。

広く子供たちに運動の楽しさを教えたいのであれば、無料での動画配信をした方が、より多くの子供たちにアプローチができるでしょう。

富裕層に対してアプローチをするのであれば、今の相場などではなく、自らのサービスの価値を高めて、高額なサービスを提供することもできるでしょう。
オリンピックのメダリストから直接指導してもらえるなら、通常の相場よりも多くのお金を払うと考える人は確実にいるはずです。

このように少し考えるだけでも、何がしたいのかによって、取るべき戦略も、ターゲットも、ビジネスモデルも、使用するチャネルも、価格も、すべてが変わってきます。

地図で自分の周りのわずかな場所しか見えていない状態、つまり現状から考えていては、このような発想は生まれません。

目的から考え、全体像を把握することが重要です。

目的を明確にすることから始める

現状ではなく、目的から考えることが重要だということについて書きました。
自分が何をやりたいのかなども考えてみることをおすすめします。

しかし、これは自分の本当にやりたいことや、できることをしっかりと明確にしてから始めましょう。と言っているわけではありません。

というか、これはむしろ逆で、やりたいこと、できることをしっかりと明確にしてから始めることはおすすめできません。

同じことじゃないの?と思う方もいるかもしれませんが、これはまったく別のことです。
長くなってきたので、これについては、次回以降に書いていきたいと思います。

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秋田 護
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