出産エピソードー第1子ー
怖い!痛い!だけど産んだら幸せすぎて痛みを忘れてしまうというのは本当だった!?–シバエリカ–
もしあなたが「出産のイメージは?」と聞かれたら何と答えますか?
痛そう、怖い――こんなネガティブなイメージを抱く人が多いのではないでしょうか。
今回は第1子の出産エピソードを交えて、筆者が抱いていた出産直前の心境と実際に感じたことをご紹介いたします。
これは2016年の記憶に基づいて記したものです。
1.ついに陣痛が始まった! 痛みの恐怖と時間との闘い
里帰り出産で実家に帰省していた時の夜9時過ぎ。
ずきずきと鈍い痛みが下腹部に出現。少し痛いなぁと感じる程度でした。
そこから徐々に痛みが強くなっていき、それが一定間隔で襲ってきます。
15分、10分、5分……と決まった感覚でやってくる痛みの正体は陣痛。
陣痛は常に痛い状態が続くのではなく、痛みのある時間と痛みのない時間が交互にあります。時間間隔が短くなるほど痛みも強くなっていき、歩けないほどの痛みになっていくのです。
陣痛の間隔が短くなるにつれて出産が近づいていることを実感し、経験したことのないお産が待っていることに漠然とした恐怖心が募っていきました。逃げることはできないのです。
家族の力を借りて何とか病院までたどり着いたものの、陣痛はまだ続いています。時刻は深夜0時過ぎ。
「この様子だと明日の夕方には生まれると思いますよ」
助産師さんの言葉に絶句。え、この痛みにあと16時間以上も耐えろということですか!?
心の叫びはさておき、考え事をする余裕もないくらい痛みが増大。
そこからどうしていたのか正直あまり覚えていませんが、ひたすら痛みの和らぐ態勢を探してごろごろしていたことだけは覚えています。
早朝4時半頃、ありがたいことに子宮口が開いてきたため分娩台へ移動することに。
2.いざ分娩台へ。「落ち着いて呼吸をしてね」と言われても無理!
いやはや、耐えがたい痛みとはいえ人間やればできるものです。よたよたと自力で分娩台まで移動することが
できました。あの時の自分をうんと褒めてあげたい気分です。
しかし表現するならば、その時の自分はまさしく「息も絶え絶え」の状態。
助産師さんの声に合わせていきむのですが、痛みが強いと意図せず身体に力が入ってしまいます。
「力を抜いて! それじゃあ赤ちゃんも苦しいですよ! 頑張ってお母さん!」
助産師さんに叱咤激励されました。簡単に言わないでくれーと分娩中のお母さんならみんな思うことでしょう。
「まだいきまないで! 落ち着いて呼吸をしてください」
ごめんなさい、助産師さん。無理です。壮絶な痛みでパニックを起こし、呼吸の仕方も忘れてしまいました。
「お母さん、大丈夫だから落ち着いて。少し酸素入れますね」
過呼吸状態になり息ができなくなっていたので、助産師さんはすかさず酸素吸入を選択。酸素が体内にはいってきたことで、少しだけ気持ちが落ち着いてきました。
「今です! いきんでください!」
頑張っていきむのですが、一度では出てきません。そこへほぼ空気と化していたドクターが一言。
「裂けちゃいそうなので切りますね」
!?
3. 無事に出産! 産むより噂の会陰切開の方が怖かった……
ドクターの言葉にまたもやパニックになります。 切るって言った!
「いやーー切りたくないーーー!!!」
思わずそう叫んでいました。切ると言われた瞬間、本当に心の底から恐怖していたのです。
ジョキン。
ドクターはさすがプロです。必死の切らないでくれアピールも気にせず会陰切開をなさいます。
赤ちゃんが出てくる痛みもあって下半身の感覚はほとんどマヒしていたのですが、切られたときの違和感はしっかりと残っていました。
「がんばって! 赤ちゃんの頭が見えてきましたよ! いきんでください!」
赤ちゃんの頭が見えてきた後の流れは速かったです。言われたタイミングでいきむと、するりと滑るように何かが出てきました。赤ちゃんです。
早朝の5時24分の出来事でした。
生まれたばかりのくしゃくしゃで小さな我が子を胸に抱かせてもらった時、例えようのない幸福感に包まれました。
痛みも嘘のように消えて、心地よい疲労感に身を委ねているとまたドクターから一言。
「切ったところを縫いますね~少しチクッとしますよ~」
いやーーーーー!
内心では悲鳴を上げていました。しかしもう理性を取り戻しているので「お願いします」と大人の対応をしました。やはりその時の自分もうんと褒めてあげたいですね!
これから出産を控えていらっしゃる方たちへ
出産後の自分はたくさん褒めてあげましょう。命を懸けて大切な我が子を産んだのですし、それはもう表彰ものです。
これからパートナーが出産を控えている男性も、出産を終えたパートナーのことをたくさん褒めて是非労わってあげてくださいね。
男性はくれぐれも無神経な発言でパートナーを傷つけないようお気を付けください。出産時にされた嫌なことは記憶に良く残るので、一生根に持たれてしまう恐れがあります。
「おつかれさま、ありがとう」の一言があれば、夫婦のきずなが深まること間違いなしです。
文/シバエリカ
記事の提供先【mama-baby(ママベビー)】