【デジタルファッション】NIKE RTFKT サービス終了
こんにちは。アキスケです。
今週、デジタルファッションに関する大きな、そして残念なニュースがあったのでそのことについてです。
NIKEが2021年12月に買収したWeb3プロジェクト「RTFKT」が2025年1月末までにサービスを終了することを発表しました。
理由としては、NIKEは10 月に新しいCEOが就任して優先事業の見直しが進んでいるというNIKEの事情があるみたいです。
つまりは、今のところ「RTFKT」はNIKEが優先するべき事業ではない。という意思決定が下されたということですね。
「RTFKT」は、ファッションのデジタル活用という点でも、ブロックチェーンを活用したweb3の事業という点でもトップクラスの注目度で、僕にとってちょっとした憧れのブランドになりつつありました。それがいったんの終わりを迎えるということで、何が起こっていたのか気になります。
そこで、公式発表とか関連するニュース記事、一部ユーザーの声をまとめてみました。
ざっくりまとめ
先に、読んだ記事をもとにサービス終了の理由と、RTFKTの功績と課題についてまとめるとこんな感じです。
●サービス終了の理由
市場の冷却
NFT業界全体の熱が冷めたことで、持続的な成長が難しくなった。Nikeの経営戦略の見直し
10 月に新CEOが就任。優先事業の見直し。
●RTFKTの功績
Clone Xプロジェクト
NFTとデジタルアートの新たな可能性を示した。デジタルスニーカーの革新
実物とデジタルが融合した次世代スニーカーを開発。NFT業界への貢献
NFTの普及やその可能性を示した先駆的な取り組み。
●課題
一般市場への訴求力不足
デジタルプロダクトのユニークさが一般層に響きづらかった。収益モデルの持続性
初期の盛り上がりに比べ、安定的な収益を生み出す仕組みが弱かった。買収後の課題
Nikeの下での戦略がRTFKTの柔軟性に影響した可能性がある。
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以下、公式アナウンスやファウンダーの声、ニュース記事や実際の一部ユーザーの声のまとめです。
公式アナウンス
■要約
2025年1月末までにWeb3サービスを終了予定
今後①新製品「MNLTH X」を2024年12月に発表予定
今後②これまでの作品を保存するための新サイトの立ち上げ
今後③情報提供はDiscordや公式サイトから
ファウンダー(創業者)の声
■翻訳
「私たちは世界を融合する人工物を作った。そして今、RTFKTは時間そのものと融合する。
RTFKTを可能にしてくれたすべてのクリエイター、ドリーマー、ビルダーに永遠に感謝します。
ファイナル・クエストを楽しみにしています。そして、この素晴らしいクローンXコミュニティの一員であり続けたいと思います。」
ニュース記事
■要約
RTFKTの買収と閉鎖の背景
2021年にナイキがRTFKTを買収し、共同でスニーカーやNFT関連製品を展開したが、NFT市場全体の関心低下と価格下落が要因で2024年に事業終了を発表。NFT市場での実績とパートナーシップ
RTFKTはイーサリアムベースのNFTと物理的コレクタブルのエコシステムを構築し、村上隆など著名アーティストとのプロジェクトを実施。代表作「クローンX」の価格は下落したものの取引量は増加。NIKEのデジタル戦略
NIKEはRTFKT閉鎖後も「.Swoosh」を通じてWeb3領域での存在感を維持。ただし、今後のNFTコレクション展開については控える方針を示唆。RTFKTの最終プロジェクトと文化的遺産
RTFKTは2024年12月に最後のプロジェクト「MNLTH X」を発表予定。公式はRTFKTを「文化革命の遺物」と表現。Web3コミュニティの反応
一部のWeb3ユーザーはRTFKTの復活を望み、高額オファーを示すなど買収を検討する動きもある。
実際にRTFKTのコミュニティに参加していた方のまとめ
■要約
RTFKTの成功と転機
2019年設立後、デジタルスニーカーやNFTプロジェクトで注目を集め、特に村上隆とのコラボ「CloneX」で約680億円以上を売り上げた。
ナイキに買収され、NFTのエアドロップやフィジカル商品の提供など新たなビジネスモデルを展開。
課題と失敗
コミュニティとの信頼関係の欠如や透明性の不足(例: インサイダー取引疑惑、エアドロップの価値低下)。
課金の連続と期待外れの施策(例: MNLTH2の失敗、追加課金が必要なモデル)。
技術的トラブルの頻発や運営スキルの不足。
ビジネスモデルの限界
短期的利益を重視する一方で、持続可能なエコシステムを構築できず、ブランド価値が低下。
Web3文化に求められるボトムアップ型の運営が不十分で、従来型のトップダウン運営とのギャップが顕在化。
閉鎖と影響
2025年に事業を閉鎖。ナイキは新たなWeb3プラットフォーム「.SWOOSH」に注力。
RTFKTはNFT業界に革新をもたらしたが、課題の克服が不十分だったと評価される。
おわりに
というわけで以上です。
個人的には思うところがいくつかあるんですけど長くなるのでひとつだけ。
それは<お墨付き>です。
RTFKTがNIKEという既存社会の大資本の傘下に入ったことで、それまではイケてるけどどこかマイナーでアングラっぽいweb3業界のいちプロジェクトに眩しいくらいのスポットライトがあたりました。これまでの頑張りが「認められた」という想いもあったかもしれません。(それはある種業界全体が。)
こんな風に大きな企業とか権威みたいなものにある種の<お墨付き>をもらうことは、あるコトが堂々と世の中を歩くためには大事なこととして機能してきました。
YouTuberが地上波のテレビに頻繁に出られるようになったことを喜んだり、昔の話で言えばある地方の戦国大名が織田信長みたいな強力な大名の元についたことで自分の領地をある程度安心して守ることができるようになったり、西洋で言えばある国の代表が教会から国王を名乗ることを許されたりすることとか。
それによって出来るようになったこともあるでしょうし、逆に難易度が上がってしまうこともあるでしょう。
今回の一連がそういう、これまで歴史のどこかで起こった出来事と類似性を感じてRTFKTにしろNIKEにしろ相変わらずの【人間ムーブ】だなぁ。というのは思いました。
RTFKTはいったんの終わりを迎えるようですけれど、こういった出来事を糧にして少しずつ業界は進展していくのだろうと感じています。
あと、RTFKTとNIKEの作品、特にスニーカーはかっこいいけどNIKEらしい先鋭さがあったので、20年後くらいにリバイバルで流行ったりするのかな、なんて思っています。エアマックスとかフォームポジットワンみたいに。。。
それでは、また。