カポックってなんなのか調べてみた
こんにちは。アキスケです。
最近無印良品の商品を見ていたら
「カポック」という単語をよく見かけるようになりました。
なんとなく素材とか繊維のことなんだろうなぁと検討はつくものの、カポックとは何で、繊維にどんな特徴があるのか興味が湧いたので調べてみました。
いったん ざっくりと言ってしまうと
カポックはとても軽い天然繊維です。
綿の約8分の1という軽さです。
そして吸放湿性を備えています。
また、環境負荷が小さい素材としても
注目されています。
いっぽうで紡績が難しく
衣類に使うことは不向きであったものの
技術発展によりできるようになってきた、
そういう素材のようです。
簡単に書くとこれで終わりですけれど
特長をもう少し調べてみました。
ちなみに今回は以下のサイトなどをソースに調べています。
より詳しく知りたい方はこちらを見てみてください。
■無印良品 カポックとは
■KAPOK KNOT 公式サイト
カポックをシート状に加工して
コートなどを製造・販売しているブランド
■e-begin
上記KAPOK KNOTを運営する株式会社カポックジャパンの深井喜翔氏のインタビュー記事
■繊研新聞 用語解説
カポックの特長
■木の名前でもあり繊維の名前でもある
カポックは主にインドネシアやタイ、インドで
栽培されている落葉の高木です。
この木に成る細長い実の中に
「わた」のようなものが入っていて
それを加工して衣類製造に用いています。
「カポック」というのは木の名前としても使っているし、繊維の名前としても使用されています。
■とても軽い
カポック繊維はとても軽くて
その重さは綿の8分の1くらいです。
少しのことで空気に舞うほど
ふわふわしているそうです。
繊維はストローみたいに
中が空洞状になっているらしく
だから軽いのだとか。
■吸放湿性がある
カポック繊維は空気を多く含むことができるので
寒いときには湿気を吸って保温効果を高め、
暑いときには湿気を放出して快適を保ってくれます。
このような性質を「吸放湿性がある」と言って、
たとえばウールにも吸放湿性があります。
そう書くと「冬素材なの?」と思うかもですが
そうではないです。
スーツの生地などは年中ウール素材が
販売されているように
夏に適したものも作れるし
冬に適したものも作ることができます。
■環境負荷がとても小さい
カポックの木は育てるのに
手間があまりかからないようです。
農薬や肥料、水やりがほとんど不要とのことです。
さらに実を収穫する際に木を伐採する必要がなく、
葉と幹で光合成するため多くのCO2を吸収するそうです。
つまり、環境負荷が非常に小さい素材ということです。
なるほど。ここまででとても優れた天然繊維であることがわかりました。
でも、それならなぜ今まで使われてこなかったのでしょうか。
なぜこれまで使われなかったのか
■繊維が短いから糸にするのが大変
ひとつは冒頭にも書いたように
加工が難しいことです。
カポック繊維は短くて直っすぐという特長があります。
衣服をつくるためには「糸」が必要です。
糸は繊維を伸ばして、撚り合わせてつくられます。
しかしカポックは繊維が短くて繊維同士が絡みにくく、
衣類の製造が難しいとされてきました。
■選別が大変
カポックを木の実から採取したら
そこからすぐに加工するわけではなくて
ゴミなどの不純物を除いてきれいな状態にします
ただでさえ細かい作業なので大変ですが
後述の軽さのせいでさらに大変なのだろうと思います。
■軽すぎてどっかいっちゃう
ふたつめの理由は「軽すぎること」です。
あれ?そこはメリットでは?と思うんですが
軽すぎると作業のときに空気中に舞ってしまうそうです。
そのことで作業効率に影響をあたえたり
掃除が大変だったりするそうです。
たしかに途中でちょっと立ち上がったり
トイレにたったりしただけで
わたが バーっと舞ってしまったら
心折れちゃいますね。
あと、機械の隙間とかにも入って
動作に影響あたえてしまったりとかもあるかもしれないですね。
扱いが難しいカポックの加工例
では、加工の難しいカポックを
どのようにして衣類に使っているのでしょうか。
先にあげたKAPOK KNOTさんでは
旭化成と協力してシート状に加工することで
衣類に使用することを実現しています。
おわりに
というわけで今回は最近無印良品でみかけるようになった素材「カポック」について調べてみました。
■カポックについて
・主にインドネシアやタイ、インドで
栽培されている落葉の高木と木の実から採れる繊維の名前
・とても軽い、綿の1/8程度
・吸放湿性がある
・環境負荷が小さい
これら良い点があるいっぽうで
・繊維が短く加工が大変
・軽すぎて作業効率、
作業環境にマイナスに働く
というデメリットもあります。
しかし近年では加工技術の発展にともなって
衣類に用いることが可能になってきた。
まとめると以上です。
それでは、また。